息子の自転車が見つかった。
盗まれたのは10月3日(金)。練習から帰って駅に着いた息子から、「自転車がなくなってる」と電話があった。4ケタのダイヤル錠は掛けたが、合わせるのが面倒だからと、端の数字を1つずらしただけだったと言う。それは自分も良くやる。
夜10時は過ぎていた。迎えに行って、金曜日だったのでそのまま一緒に警察署に盗難届けを出しに行った。交番ではなく本署だったので、広いフロアのついたての向こうから他の事件についての話し声が聞こえる。「腹を殴ったというのは・・・」というような話が聞こえてきて、息子は興味津々だった。
見つかったという電話があったのは1ヶ月以上経った11月8日の土曜日だった。夜中に職務質問された男が乗っていたらしい。「これ、あなたの自転車ですか」と聞かれて、すぐに「すみません」と言ったそうだ。うちからわりと近い場所だった。ただ、自転車を盗ったのは息子が停めた場所ではなく、そこから5つ離れた駅の近くだと言っているらしい。
自転車はすぐ引き取りに行けるのかと思ったが、捜査の関係なのか、すぐ引渡しはできないという。また電話しますと言われて1週間ほどなしのつぶてだった。
翌週の土曜日になって電話があった。
「引渡しができるようになりましたが、いつ取りに来れますか。」
「今日の夕方にでも伺えますが。」
「ちょっと待ってください・・・えーと、今日はちょっと・・・火曜か水曜に伺えますか?」
(それじゃ引渡しできるようになってないじゃないか。それに、「伺えますか」って・・・。)
「じゃ、水曜の7時ごろに伺います。」
「わかりました。水曜日に渡せるようにしておきます。」
「何か用意して行くものはありますか」
「ちょっと待ってください・・・。あの、前日にまた電話します。」
案の定、前日には電話がなかった。
というわけで、当日こちらから電話をして引き取りに行った。担当は自分よりちょっと上ぐらいの警官と、自分の子どもでもおかしくないぐらいの若い警官。電話で話したのは若い方のようだった。敬語や謙譲語をうまく使えないのも大目に見てあげよう。自分も新入社員のころ、敬語の使い方がおかしかったのを取引銀行のオガワさんにからかい半分でやさしく指摘された。いまどうしているだろう。
ところで、自転車をその場で確認したのだが、特に付属品でなくなっているものはなかったが、ひっくり返してみたら防犯登録のシールが剥がされていた。それでどうやって持ち主が息子だとわかったのか聞いてみると、自転車にはひとつひとつフレームに車台番号が刻印されていて、それも登録されるからだという。だから車台番号だけでも持ち主がわかるようになっている。
乗っていた男は、結局、「窃盗」ではなく「占有離脱物横領」、要するにネコババしたとの容疑で送検されたそうだ。落ちていた物を拾って、届けずに自分のものにしたという扱いである。盗んだというより罪は軽くなるからそう言ったのだろう。
自分も7、8年前に自転車を盗まれたことがある。被害届を出したら2週間ほどで千葉の習志野で見つかり、連絡があった。
その自転車は、その当時からさらに10年以上前に買ったもので、それから何度か引っ越している。防犯登録証が残っていたので、それを持って行って被害届を出した。その時に言われたのは、盗んだ犯人が乗り捨てて、それが放置自転車として撤去されると、自治体によっては防犯登録を元にハガキで連絡をしてくれる。だけど、引っ越していてハガキが届かないと処分されてしまいますよ、ということだった。
幸いというか何というか、自転車はサドルだけ取られた状態で放置されており、それを警官が見つけたので被害届が出ているのがわかったそうだ。サドルがあったら放置自転車として撤去されていたかもしれない。
習志野から都内まで立ちこぎで帰るわけにもいかないので、軽のバンを借りて引き取りに行った。また盗まれたりした時のために、防犯登録の住所変更ができるのか自転車屋で聞いたところ、住所変更ではなく、前の登録証を持って新たに防犯登録をし直すということだった。
防犯登録で見つかるのはいいけど、盗まれないのが一番。警察の手も煩わせることになる。警察では鍵を二重に掛けることを勧められたが、息子はなんとなく掛けないような気がする。