ビッグバン像の大変貌にびっくり | 無精庵徒然草

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無聊をかこつ生活に憧れてるので、タイトルが無聊庵にしたい…けど、当面は従前通り「無精庵徒然草」とします。なんでも日記サイトです。08年、富山に帰郷。富山情報が増える…はず。

 ← 吉田伸夫著『人類はどれほど奇跡なのか 現代物理学に基づく創世記』(技術評論社) 「「人間は物理現象である」という立場から論を展開していく。人間の存在は,物理法則を超越した奇跡ではない。(中略)生命・知性・意識の3つの面から奇跡的な物理現象としての人類を語る,迫真のサイエンス読本。」

 

 昨日は、下記するように雑用が多く、読書どころじゃなかった。夜になってひと眠りしたあと、夜半近くから『ミネルヴァ通信「究」7月号(通巻第一四八号)』(ミネルヴァ書房)や吉田伸夫著の『人類はどれほど奇跡なのか 現代物理学に基づく創世記』(技術評論社)を交互に読めるようになった。

 

 吉田伸夫著の『人類はどれほど奇跡なのか 現代物理学に基づく創世記』(技術評論社)を21日未明に読了。書店で目にし衝動買い。翻訳ものが多いし、たまには日本の科学者の本を手にしたいと。

「「人間は物理現象である」という立場から論を展開していく。人間の存在は,物理法則を超越した奇跡ではない。(中略)生命・知性・意識の3つの面から奇跡的な物理現象としての人類を語る,迫真のサイエンス読本」という本。

 著者によると、「知性や意識も含めて「人間を物理現象として捉える」という試みの本。多くの学問ジャンル横断的な議論の書。

 通常の科学的発想法には従わず、論点を大づかみに把握するため、著者はかのマックス・ウェーバーの方法論を参考にしたという。それは、「高所から俯瞰するような広い視野で眺める「鳥の目」と、複眼によって近接的でありながら多角的に見つめる「虫の目」を併せ持って」の研究。

 まさかサイエンスの書でマックス・ウェーバーの名に接するとは全く意外。「場の量子論」から宇宙論に至る物理学に加えて、脳神経科学や心理学など、他ジャンルの知見もまぜこぜにしながら論考を進めていった」という。

 といって際物本ではない。著者は、「1956年,三重県生まれ。東京大学理学部物理学科卒業,同大学院博士課程修了。理学博士。専攻は素粒子論(量子色力学)。科学哲学や科学史をはじめ幅広い分野で研究を行っている」という生粋の科学者。

 本書から一部だけ抜粋する。本書を通読したら、納得感を抱かれるに違いない。著者はベンゼン環を念頭に置いたうえで、以下のように説明する。「量子論的な現象は、あらゆる領域で生起するが、その現象に関与する次元数は、場所によって大きく異なる。地球上で量子論的な状態を濃淡模様で描き出すと、ところどころに模様のきわめて濃い部分が、まるで何らかのモノが存在するかのように浮かび上がる。模様が濃くなりモノの存在を彷彿とするのは、秩序パラメータに支配され安定状態が持続する領域である。その中で、関与する次元数が特に大きな領域をピックアップすると、他の部分との連絡があまり密でない分断された領域に見える。私の仮説によれば、多くの人が意識主体と呼ぶのは、こうした分断された領域のことである。ただし、あくまで連続した物理現象の一部分であって、意識を有する独立した実体が存在するわけではない。」

 余談だが、本書を読んでビッグバンの理解が覆された。宇宙背景放射の観測データが教えたビッグバン像の大転換である。「現代的な宇宙論によると、宇宙空間が膨張しているのは、最初の勢いではなく、空間自体に膨張する性質が内在するせいだと考えられている。空間を膨張させる力の源が、暗黒エネルギーと呼ばれるもの。」「ゴムのような実体である時空の内部に暗黒エネルギーが含まれており、宇宙空間は、その効果で自然に膨張する性質がある。ビッグバンとは、膨張を始めたきっかけではなく、暗黒エネルギーの効果で膨張を続ける途中で、突然起きたエネルギーの放出過程だとされる。」

 ダークマター、ダークエネルギーの発見が宇宙像や物質像を変換させるとは思っていたが、ここまで従来の説明とは一変していることに驚いた。

 

 

 今日は休み。晴れ。猛暑じゃない。お出かけ日和。が、庭仕事が待ってる。午後4時半から畑の果樹の枝切り。栗、アンズ、キウイ、ナシ、ネーブルなどの枝葉が伸びきってる。完全装備で目一杯やった。これだけ頑張っても表からは見えない畑。やったという自己満足。ああでもまだまだやらんとアカン。

 洗濯2回。スーパー買い物。台所の流し台掃除、風呂場の排水溝タワシで磨き洗い、廊下のセンサーライトの電池交換……。読書三昧の休日もバイクツーリングも夢だな。

 今日は猛暑じゃなかったのが救い。エアコン不要。夜も過ごしやすい。あれだけ庭仕事したのに前回のように疲労困憊でないのは、酷暑じゃなかったからか。

 栗の実が結構 生ってた。…収穫はしない。誰ももらってくれないし。 (07/20 21:54)