神田小川町交差点から御茶ノ水に上がる坂の途中の左手奥のほうに、グルメ小路と呼んでも良さそうな小さな小道がある。

もともとはあまり店が無く、和食『面(おもて)』、フランス料理『土桜(におう)』、牛タン『牡舌亭(ぼたんてい)』という、名前とユニークネスにこだわる親子兄弟店だけだったが、最近店が増えていて、原宿の裏道を歩いているようだ。

お奨めはこの兄弟店3店だが、夜行く前にランチで行ってみると良い。ランチの予算は2~3千円。ちょっと高めだが、気分の良い(かもしれない)ランチをすごせる。

ストレスの発散として“無駄遣い”というのがあるが、“無駄”だったか“為になる”か試してみる価値のあるお店が『面(おもて)』だ。
二階はお座敷で予約・コースでちょい高めだが落ち着いた宴会が出来る。
一階は、カウンターとテーブル席が2席だけのこじんまりした店で、値段がわからず一見客が入りにくい店だと思う。

夜しかもたまにしか行かないが、10年ぶりぐらいにランチで行ってみた。
14時までのギリギリの時間に滑り込み、「赤味のマグロ丼」を頼んだ。

(写真) 付きだし
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(写真) 赤味のマグロ丼
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(写真) デザートは葛きり
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付きだしが、茶碗蒸し、切干の煮物、漬物、山椒とチリメンジャコで、これだけでビールが飲めるので時間がない中でお願いした。
さすがに付きだしはプロだけあって美味い。ビールが美味しくなる。

メインのゴマダレのマグロ丼は、ノリが不味い。ノリでなく万能ネギの方が良いのにと思った。蕎麦屋でもざるそばはノリが不味く値段が高くなるのが不愉快なので食べないことにしているが、どうせ載せるならいいノリにしてもらいたい。

マグロはなかなか上質でゴマダレがかかっていた。赤味のマグロにゴマダレはピッタリなのでたっぷりかけてもらうのが良いが、好き嫌いがあるのを気にしてか、いいネタを下品にするのを嫌ってか遠慮気味となっていた。これは残念だった。

これで終わりかと思っていたら、デザートがあった。

目を店内に移すと壁には松の絵があり、カウンターともう一つのテーブル席が、能の舞台のようであり、バックグランドミュージックは謡が流れていた。
演じる主役(シテ)は客であり、伝統芸能を雰囲気としてまといながら和食を堪能するという仕掛けになっている。

ストレスが発散できるか出来ないかはこの雰囲気を楽しめるかどうかにもよるが、隠れ家ランチとして貴重な雰囲気を持っている。

(写真)おばあちゃんがやっている喫茶店
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もし気疲れしたら、この小道を小川町の方に戻ると小さな喫茶店がある。
おばあちゃんがやっている店で、コーヒーは美味い。豆がいいのだろう。

寿司・懐石料理『面(おもて)』
千代田区神田駿河台下3-5
TEL:03-3295-9181