私はかなり目が悪く、中学生の時からコンタクトレンズを着けている。
たまに、コンタクトレンズを装着して最初の1時間くらい、ちょっとだけ世界がヘンに見える時がある。
別にぼやけてるわけでは無いし、ゴロゴロもしていないけれど、
なんとなく、何か特定のものを見ようとしても、ピントを合わせにくいというか、いまいちしっかり捉えることが出来ない。
そんな時、ひとつの対象をじっくり見ようとすることは諦め、ぼんやりと、ただ目に映る景色の全体を受け入れることにしている。
平たく言えば、目を開けたまま、あまり何も見ないようにしている。
快か不快かで言えば、“目”的には不快かもしれない。
でもこの感覚、この時間が、実は嫌いじゃない。
必然的に、視覚以外の、他の感覚が研ぎ澄まされた状態になり、結果として視野が広がっている気さえする。
少し、意識は、ふわふわした感じになってしまうけれど、
目がガラス玉になったみたいな気分で面白い。
たまにはこんな風に、ただ、自分の置かれている世界に、空間に、委ねるような時間があっても良いんじゃないか。
まだ名前のない、いろんな感覚のスイッチを持った人になりたい。