本を手にとる時は導かれるようだ。


読む気がしない日は、本を入れた箱にまだ未読の文庫本があったって見向きもしない。


本は、気軽に別世界へいざなってくれる。混沌している現実には、とても頼もしい存在だ。


気分によって作者を選ぶ。


美しい感性に浸りたければ、宮沢賢治や西加奈子さんを。


シュールさや、あたたかさを同時に味わいたければ、太宰やよしもとばななさんを。


とことん感傷に浸りそれから這い上がりたい日は、中村文則さんを。


ゾクッとするミステリーに埋もれたいなら、江戸川乱歩を。


ぱらぱらと世界観を次々味わうには、歌集や自由律俳句集がいい。


他人のダメっぷりをくすくすと堪能し、笑って元気をもらいたければ穂村弘さんのエッセイを。



気分次第だ。
まだ前に読みかけている本があっても、今読みたいものを手にとる。


作家さんによって色が異なるし、同じ作家の本を数冊読めば、その人の感性がおのずと感じ取られる。
活字の本の良さはやっぱり、想像力を効かせることができる。に尽きましょう。



今夜は少し本を読みたい。
軽くて優しいのがいいから、西さんのにしようかな。中村航さんも、いいな。