昭和を代表する偉大な名優
緒形拳さんの企画展へ行ってきました





昭和の時代に
たくさんの名作にご出演なさり
たくさんの名演技を残された
まさに唯一無二の俳優
緒形拳さん。






出演なさっていた映画を観ると

お顔が良い。
目にも口にも
なんとも言えない味や美しさが宿っていて
ずっと見ていたくなるお顔。

お声が良い。
深みがあって耳障りの良い正に良いお声。

演技も
それぞれの年代で
その役によって
けれん味を付けた
動の演技であったり
色々な要素を削ぎ落とし
ただただ存在感だけで魅せる
静の演技であったりと幅広く、
とにかく、お若い時から
お亡くなりになられるまで
ずっと俳優として第一線でご活躍なされた
凄い俳優さんなのです。

俳優としての
資質を全て兼ね備え
名優になるべくして
名優になられた緒形拳さん。 





実は
緒形拳さんのお嬢さんは
私の大学時代からの親友です。

大学時代、親友のお家に遊びに行くと
緒形拳さんがいらっしゃるという
夢のような現実がありました。

いつもとても静かに
お部屋の奥の椅子に
座っていらしたお父さん。
(そう呼ばせていただいていました)

そこにいらっしゃるだけなのに
輝いて見えるという…。
いわゆるオーラが大きいという
表現が合うのかもしれません。

静かであたたかく
大きな大きな存在の方でした。




私が大学4年の卒業間近に
ミスサイゴンのキム役が決まり
芸能界に入る事になった時

お父さんにいただいた言葉があります。

加奈子。
芸能界というところはな
10%の実力
20%の努力
70%は運
というところなんだ…。
がんばれよ。

きっとお父さんは
人の見えないところで
とてもとても努力をなさっていた方
だと思うのですが

お父さんのおっしゃる運とは
運命や宿命という意味と

芸能界というところは
横の繋がりがとても大切な所だから
ご縁をありがたく思い
人様を大事にして
研鑽を積み
神仏に感謝を忘れる事なく
自分を信じ続けて
頑張りなさい。

という事だったのではないかしら…と
企画展の中でお父さんの生き様を
見ながらそう感じました。




『俺が、俺が、の“我”を捨てて、
おかげさま、おかげさま、の“げ”で生きる』

お父さんの口癖だったそうです。

偉大な俳優は
人間としても偉大でした。

こちらの記事は
緒形拳さんの最後のマネージャーさんの
インタビュー記事です。

お人柄がよく分かるので
良かったらお読みになってみてください。







今年十三回忌を迎えられた緒形拳さん。
企画展
は横浜市歴史博物館にて
12月6日まで。

昭和を代表する名優の企画展へ
是非お運びください。