アニメミライ2014感想 | 喜屋武ちあきオフィシャルブログ きゃんちまいんち! Powered by Ameba

アニメミライ2014感想


本日は、アニメミライ2014を劇場にて鑑賞してきました!


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あ、「アニメミライ」って知ってる?

ある程度2次元世界近郊にポジションを置いている方なら知っているかもしれないけれど、先ほどTwitterでは知らない方もいたから、一応そもそもについて触れておきましょう。

「アニメミライ」とは…確か、文化庁による、アニメーション制作を通し新人の育成を目的としたプロジェクトで、3年前の2011年から毎年行われている。

と、調べずともだいたいの情報は知っていて、その存在はもちろん2011年から知っていたし、ものすごく興味も持っていたんだけど、劇場に見に行くのは今回が初めて。
なぜ?って話すと、長くなりそう…うーん、うまく言えないから割愛します。
今まではアニマックスで放送されたのを見ていたりしていました。

劇場に見に行った率直な感想。
今まで劇場に見に行かなかった事を後悔するレベルじゃんよおおおお!!


アニメミライは、毎年違う制作会社がそれぞれ独立した短編作品を作り、4つ連続して流して1つの劇場作品としています。


今回の4作品を作った制作スタジオと主な作品は

・シンエイ動画……「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」

・A-1 Pictures……「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない」「宇宙兄弟」

・STUDIO 4℃……「鉄コン筋クリート」「アニマトリックス」「デトロイト・メタル・シティ」

・ULTRA SUPER PICTURES……ここはちょっと特殊で、いくつもの会社が集まっている制作会社なので、HPをご覧になるといいです。今作の原作・脚本・監督は「スタジオ六花」の吉浦康裕さん。

というわけで、概要終わり。各作品の感想話いきますよ!

ここからはアニメ文化を愛しすぎて、勝手に、私は一生をかけてアニメを盛り上げていきたいんだ!!!と右手を真っ赤に燃やしている一応アイドル(アラサー)が、率直に感じた事をネタバレとか関係なしに書いていきますのであしからず。

あ、ただ、ストーリーの中核には触れないよう書いているので、若干内容に触れてても気にならない方とか、ちょっと興味はあるけど正直まだちょっと劇場に行くのは迷っている…というような方は問題なくお読み頂けるかと。


まず一作品目はシンエイ動画による「パロルのみらい島」




この作品は、最初から最後まで、とにかく子ども向けアニメとしての素晴らしいクオリティを保っている冒険物語でした。
のび太のような少し情けない主人公の成長、明るくて人気者のヒロインの豊かな表情となめらかな動き、物語に欠かせない幼なじみかつ何でも屋さんかつライバルによりシナリオが完璧なものになる。

犬と猿を足したような完成度の高いオリジナルキャラクターは太い線で見やすく描かれ、それとは対称的な背景美術は細かくて、自然豊かな島、海、魔女の宅急便に出てくるような美しい石畳の街。もう景色だけでもちゃんと見たい!と感じるくらいの美しさだったなあ。
水の描き方が印象的で、ピクサーのように何かしらのチャレンジを含んでいるのか、何かしらのこだわりを持って作られたシーンじゃないかなーと。

とにかく、最高に見やすいストレスフリー作品。良い意味で、全部予想が出来る、というか。

冒頭、島の長の注意を受けてから写真を見るという展開で「あ、絶対この子の意思によって物語は外に広がっていくな」ってわかるし、「あ、こいつなんだかおかしい…」って感じたキャラクターは「ほらやっぱりー!!」となる。伏線回収も完璧で、大きな一貫した意思により終着点に向かって物語が動いていく。
そういったセオリーをとても大切にしつつ、きちんとオリジナル感があるって凄いことだなって思います。

やっぱ、さすがドラえもん作ってるだけあるなあ~~と感心しっぱなしw
誰が見ても楽しめる、ザ・ジャパニメーションの王道作品です。



2作品目はA-1 Picturesによる「大きい1年生と小さな2年生」





まず、このタイトルが出るタイミングが完璧だと思った!!!原作があるみたいですが私はそれを知らなかったので、そこでしっかりと「おお~なるほどね!」と言う感じ。

懐かしい風景や、素朴なキャラクターが動くのを見ていたら、2009年公開の単館上映から口コミでロングランヒットになった伝説を持つ劇場版アニメーション「マイマイ新子と千年の魔法」を思い出しました。

子供達の表情が可愛くてたまらんですよ。
特に主人公まさやくんのおどおどとした力ない目がとにかく可愛い。あきよちゃんのコロコロと動く表情も、かなり力を入れて作られていると感じました。

おおっ!!と思ったのはまさやくんが夢を見るシーン。色も内容もものすごく奔放で、ああいうシーンは子供にとって「トラウマ映像」になりかねないと思うのです。
私は「ダンボ」のピンクの象が踊るシーンとか「ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌」の買い物ブギのシーンのような、はちゃめちゃでかなりショッキングな映像がトラウマ映像として、小さい頃から心に染み付いて忘れられない思い出なんだよね。
で、そういうのって大人になって見ても、うおーーー!!って熱い気持ちになる。
不思議だったり、よくわからなかったり、そういうものの方が子供心には残りやすいのかもしれないな。


3作品目はSTUDIO 4℃による「黒の栖」



STUDIO4℃といったら、それこそトラウマ映像作らせたら世界一www「マインド・ゲーム」とか今でも忘れられないよあの衝撃は…。

監督の恩田尚之さんは有名なアニメーターさんで、様々な作品で作画監督などを務めていらっしゃるので存じ上げていました。まさか初監督作品とは!

ここまでの2作品はかわいらしいキャラクターと雰囲気だったのに、いきなりリアルテイストで下手したらホラーかってくらいの雰囲気が怖くて思わず座り直すレヴェル。
淡々と進んでいくホラーテイストな雰囲気に、高校生の頃にハマっていた、夜中に見てトラウマ作品となった「ブギーポップは笑わない」を思い出しました。全体的にブギーポップ感があって、更に言うと「地獄少女」感。いや、更にあれだ、「笑ゥせえるすまん」感。

そうか!この作品の笑ゥせえるすまん感の正体は、ホラーっぽさと……「この回のみ主人公」感だ!
という結論に私の中で勝手に至りました。
つまり、主人公はこの回のみの主人公で、大きなお話の軸は死神サイドにあると。死神サイドの茶髪男の主人公っぷり、キャラクターの豊富さ、明らかに面白そうじゃないですか!!!
はよ!!はよテレビアニメ!!!おねがいします!!!

ストーリーで気になる部分がいくつかあったのはちょっと勿体なかったかもしれない…彼女の悩みについてや、大学生の兄ちゃんの使い方などなど…細かい部分なので割愛。
とにかく死神達を主人公にしたアニメを楽しみにしています!見たいです。わくてか。





ラスト、4作品目はULTRA SUPER PICTURESによる「Harmonie(アルモニ)」



原作・脚本・監督は「イヴの時間」「サカサマのパテマ」の吉浦康裕さん。今調べたら、吉浦さん、まだ30代前半だなんてびっくり!お若いクリエイターさんですね。

主人公が絶対音感を持つオタク少年で、クラスメイトとアニメ化されたラノベについて熱く語ってるのがリアルでよかったなー。ちょっと低めのトーンで早口wいつまでも同じ話題で盛り上がっちゃうwあるあるwみたいな。

ヒロインの女の子が、高校に入るまで当時の私と同じような学校生活を送っていたと予想されるんだけど、そこらへんについてもっと詳しく知りたかった!
途中で少し雑な喋り方をするシーンがあって、最初は違和感を感じたんだけど、恐らく彼女の高校デビューに原因がありそう。しかも、彼女が一緒にいる女の子達は見た目の通りちょっと今風で、彼女とは合わないんだろうな~とかね。端々から読み取れるリアルな人間関係が面白い。

ストーリーの鍵となる、ヒロインの勘違いからの主人公の追いつめられ感がよかったなあ。もっとねちねちと見ていたかった…終わり方も斬新で、あんなに途中なのに後味がいいとはw
吉浦さんの独特な個性と感性好きだなあ。ポスターも見終わってから改めて見るとちょっと違和感がwなぜ茶髪女子はこんな形で映っているの?w

それから、彼女の見る夢の内容にもズゴック興味があります。絶対面白いお話だと思う。
監督!!ぜひあのお話を作品化してください!!!

一度見ただけじゃわからないくらい、かなり細かい部分も意識して作られているようなので、ぜひまた見たい作品だなって思ったよ。




というわけで、全作品共に本当に楽しませていただきました!どの作品もズゴック面白くて、新しくて、もっと見たい!

アニメミライって素晴らしいプロジェクトだと思うんですよね。
私も、日本のアニメは世界に発信していくべき文化だと。日本の職人芸の極みだと思っているんです。
こんな素晴らしい文化を、まだ何かしらの偏見で見ている人が未だにいるとしたら本当に勿体ないよね。
映画やドラマと同じように、アニメというジャンルを楽しむべきです。

この記事も少し長くなってしまったけど、せっかくのこんなに素晴らしいプロジェクトをまだ知らない人がいるのがもったいないし、知ってもらいたい!!って思ったんです。

このプロジェクトはそもそも新人育成が目的だとは思うのですが、せっかくなんだしもっと沢山の人…根っからのアニメ好きな人だけでなくて、ライトなユーザーとか、一般の方にも知ってもらってほしいし、見に行って欲しいなって。できればクリエイターさんに興味を持ってくれたりしたら最高だよね。
それで、みんなで日本のアニメについて、とかこの作品がこう面白い!とか語り合いたい!!

例えばだけど、私みたいにそんなに予備知識を入れずに見に行く人がいるとしたら、各作品の前にその作品についての詳細情報とか、どこに注目してみてほしい、どういう体制で作りました。という、ちょっとしたドキュメンタリー的なものが1~3分程度入ると、より目的意識を持ってみられるのかなって思いました。

あと、作品の順番も大事だなーって思ったり、勝手にだけど、自分もプロジェクトの一員として盛り上げたい!!って思って色々考えてしまったwアニメミライさん、仲間に入れてください…w

いいなあ。こんな素敵な作品に関われたりしたら楽しそう。アニメの話たくさん語りたい。
色んなスタジオの事が知りたい。色んなクリエイターさんのことが知りたい。
まだまだ、知らない事がたくさんあって楽しい!!!


とにかく、一本一本がアニメ一話分くらいで、飽きずに2時間楽しめます。とーーーってもお得な作品だと思うので、もし、この記事を読んで少し興味を持った、という方がいたら、ぜひぜひ「アニメミライ」見に行ってみてね。


ちまのし!!