犬と息子 | あらしの日から〜最重度知的障害自閉症育児〜

あらしの日から〜最重度知的障害自閉症育児〜

息子のトムは最重度知的障害を伴う自閉症スペクトラムと診断されています
成長、親の想い、日々の記録
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息子が2歳の時、我が家で犬を飼いはじめた。

 

もともと夫婦二人とも動物が好きで、実家でも犬を飼っていたこともあって、

「いつかは犬を飼う」ことは結婚した時からの決定事項だった。

 

息子がまだ赤ちゃんのうちは、

「この子がもう少し大きくなって、自分から『犬を飼いたい』と言い出した時がタイミングだね。

ちゃんと自分で世話ができるように約束して、家族みんなで決めようね」

なんて話をしていた。

 

でもその後色々と家庭の状況に変化があり、

発達が遅い息子の成長にもプラスになるだろうという考えもあって、

予定よりだいぶ早く犬を迎えることになった。

 

小さい子供がいるので、とにかく性格が穏やかなことが最優先。

「キャバリア・キングチャールズ・スパニエル」

人になつきまくるので番犬にもならない、我が家にうってつけのワンコがやってきた。

 

息子は初めのうちは犬が視界にも入っていなかったように思う。

だんだんと「なんだこいつ」という感じで興味を持ち出して、

気まぐれに自分の食べている物を与えたりするようになった。(とりあげます)

 

犬のほうはいつも食べ物をくれる息子がもう大好きになってしまって、

息子が何かを食べているとぴったりとそばについて離れない。

昼寝している息子のそばにいつも必ず寄り添って眠っている。

 

笑いながら追いかけっこをしていたり、

やわらかな毛並みを小さな手でなでなでしていたり、

フードボウルを「もっと食えよ」という感じで犬のほうに押しやったり、

息子と犬が仲良くしているところをみると幸せな気持ちになる。

 

なにより、ともすれば「愛を与えても返ってこない」かのように思えてしまう自閉っこの子育ての中で、「あなたが大好き!」とストレートに愛情を示してくれる犬の存在がどれだけ私にとって救いになったことか。

 

どうかいつまでも長生きしてね。

いつか息子がリードを引いて、ワンコと散歩できるようになる日を夢見ている。