久しぶりに父親ネタ。
母親が生きていた頃の話である。
父親は子供が小さいころはとにかく怒鳴り散らすばかりで、父親が何に怒られるかと思ってビクビクしていた。
でも、兄弟が成長して口答えするようになり、大人になったころには気が付くと父親の立場は弱いものになっていた。
子供らは母親の味方になり、母親も父親に強く意見するようになっていた。
空気を読めない、マイペースな父親の発言はほとんど家族から否定されてた。
傍から見ると可哀そうなお父さんになってたと思う
田舎なもので、祭りがあると親戚などを家に招待して宴会をした。
お酒が好きな父親であるが強くはない。すぐに眠くなる。
招待した親戚が来て乾杯して1時間もすると「ワシはもう眠くなったから休ませてもらうわ。ゆっくりしていってくれ」と寝室に入って行ってしまう。
19時にスタートすれば20時には寝る。
親戚も毎度のことと分かっている人はいいが、あきらかにあっけに取られて呆れ顔になっている人もいて、子供ながらに恥ずかしく思っていた。
残された家族は接待に必死である
お客を招待しておいてホストが早々に寝て、お客を放置。ありえない
こうした行動が子供が成長するにつれて父親の威厳をどんどん弱いものにしていったように思う
気が付くと父親は子供に頼みごとをするときに
「お母さんが言ってた」
と自分の頼みごとを母親が言ってたと言うようになっていた。
「お母さんが○○まで迎えに来てくれと言ってた」
と言うので「なんか、おかしい」と思って母親に確認すると
「私、そんなこと言ってないよ。友達と一緒にいるし、送ってもらう話になってるから」
と言う。父に
「お母さん、そんなこと頼んでないって。なんでそんな言われてもないのにウソを言うの?」
と問い詰めると
「そうだっけ?ごめん、ごめん」
と謝る。
「お父さんが自分がそうして欲しいなら、ちゃんと言えばいいのに、なんでお母さんが頼んでもないのに『お母さんが』ってお母さんを使うの?普通に言えばいいでしょう」
と言っても直ることはなかった。
「お母さんんが来てくれって言ってた」
「お母さんがこれしてくれって言ってた」
こんなことが卒中あって、父親が「お母さんが」と言うと必ず母親に「お母さん、こんなこと言った?お父さんがお母さんがこう言ってたと言ってるんだけど」と確認するようになった。
100%、母親は父親が言うようなことを頼んでなかった
大体、母親が頼み事あるなら直接私に言ってくるはずである。
そしてその都度、父親に「お母さん、そんなこと言ってないって」と言うのだが、「ごめん、ごめん」と謝るだけで、直ることはなかった。
「何なの、あれ虚言壁でもあるの」
と母親に父親の「お母さんが」の発言の真偽を確かめるときに愚痴ったことがある。
些細なことだけど、塵積って山となるで、父親に対し軽蔑のような感情と苛立ちが積もっていく。
父親がこんな事を言うようになったのも家族が父親に対して冷たく「お母さんが」と言えば頼みごとを聞いてくれると思ったのだろうか
ここまでくるとこんな状態に追い込んだ家族の態度が悪いのかとも思うが、苛立ちが先だって優しくはなれない
旦那に「気持ちは分かるけど、お父さん可哀そうに思うことある。もう少し、優しくしてあげたらって思う」と言われたことがある。「俺も自分の親には冷たいから、偉そうな事言えないけどね」とも言った。
私の代わりに優しくしてあげてください
母親が亡くなって、父親はもう「お母さんが」ということを言えなくなった。
今はちゃんと自分の言いたいこと、頼みたいことを言ってくる。
たまに、「○○さんがお前の家に来たいって言ってた」とか言ってきて「絶対、言ってないな」とか思うことあるが、聞き流している。
父親は優しい人ではある、ことは分かってる。気が小さいことも。
優しくできない私は悪人か
度々かかってくる父親からの電話で長女が電話で父親に優しく話をきいてあげているのを見ると感心してしまう。
家族がこうあるべきだという理想みたいなものがあるから現実とのギャップにツラくなってしまうのかもしれないけれど、私も私で私なりに頑張っているのだ
いつか父親に「もっとこうしてあげれば良かった」と思うことはあるのだろうけど、今、自分にできる、自分がストレスを感じないベストを出して父親と付き合っていこうと思う