マーラーが、交響曲作曲家として世に問うた作品で交響曲作曲家として空高く一躍羽ばたいた作品です。
詳しいことは、ネットや書籍で確認して下さい。


今回聴いたのは、イタリアの指揮者ジュゼッペ・シノーポリが指揮する当時の手兵だったフィルハーモニア管弦楽団との演奏で1989年に録音されたものです。因みに、この組合せでマーラーの交響曲全集を完成させ録音しています。


マーラーにとっては、若書きにはなりますが既にオーケストラの技能を全て熟知しておりオーケストラを思う通りに使いこなしています。更に、マーラーの若々しい青春の息吹と濃厚なロマンティシズムが発散している交響曲第1番を、シノーポリは鋭い感性と深い洞察力、そして作曲家としてのシノーポリ自身の完璧な分析による解釈が演奏により高い完成度をもたらしてます(分析と言う点に関しては、同じイタリアの指揮者アバドより上かも知れません)。

また、マーラーの美しい素晴らしいメロディーを歌わせる指揮は(アバド同様)、見事そのものです。


シノーポリの指揮は、同じ作曲家だったバーンスタイン以上の先鋭な解釈と徹底した分析によって現代的なマーラーを聴くことが出来ます。


そして、相対するフィルハーモニア管弦楽団の演奏が、また凄い。

シノーポリの指揮に完璧に、尚且つ万全な演奏によって立体感(3Dの世界にいるかのよう)溢れる音響が、マーラー・サウンドをこれでもかこれでもかと波のように押し寄せて来るようなダイナミックでスリリングな演奏をしています。


今までにも、ワルター始め数多くの偉大なマーラー指揮者がこの交響曲を演奏し、録音しています。

シノーポリとフィルハーモニア管弦楽団の演奏は

、その中にあって決して引け目を感じさせることのない堂々と名演と誇って良い価値ある演奏をしています。

そして、聴いておいて損のない聴くことをお薦めする演奏です。絶対とは、言いませんが聴いておくべき演奏です。