姉さんの通夜は、同窓会状態でした。
長男の同級生たちは今年が二十歳。
久しぶりの子は誰かわからないぐらい。
保護者も子どもたちもあまりに突然の事で言葉も出ない状態でした。
遺影の姉さんは本当に姉さんらしい、とても素敵な笑顔でした。
思わず『ずるいよ、姉さん。可愛い写真じゃん』なんていつもの調子で話しかけそうになるぐらい、
目の前に元気いっぱいの姉さんがいるようでした。
長男Kくんと次女ちゃんが私を見つけてきてくれて
「ありがとう!ミイちゃん。色々連絡してくれて本当助かった!」と笑顔。
次女ちゃんは高校生になって一度も会っていませんでした。
初めて見る制服姿。ボーイッシュで男子といつもサッカーをしていた彼女。
相変わらずボーイッシュだけど、可愛い女子高生になっていてとっても嬉しかったです。
次女ちゃん、「私が受け継ぐことにしたけ~」と指さすので見たら
制服の胸ポケットから青い鳥が顔を出してました。
「棺に入れる…と言う案も出たけど、ダメ!って私が受け継ぐ!」
お姉ちゃんが「いつも持ってました。」と教えてくれて、小鳥ちゃんが姉さんの話し相手になってくれたかな…と思いました。
渡せなかった黄色いインコちゃんも次女ちゃんの胸ポケットに入れてあげました。
「やった!もう一羽増えた!」と喜ぶ声、表情が姉さんそっくり。
そして、娘さんの挨拶でわかったことがありました。
1か月前に治療を止めたこと…
姉さん、あの連絡してきたとき、治療をやめた時だったんだね。
暖かくなったら、遊びに行こうって。
Kくんの寮を見に行ったとき、「まあ二度とあの寮に行くことないけどね!」って笑ってた姉さん。
子どもたちが結婚したらって話題では「私らばばになるンか?」って。
ばあちゃんになったらまたあの公園で遊ぶかって。
「うちの次女ちゃんとこの中の誰か結婚してくれないかな~」って、
みんなで勝手に妄想して大笑いして。
本当は姉さん、私らにいっぱいいっぱい子どもたちの事、頼みたかったのかな。
通夜が終わって、子どもたちは集まって久しぶりに色々おしゃべりをしていました。
涙を見せない3人の子どもたち。きっといっぱいいっぱい今まで泣いて
笑顔で見送ろうと決めてるんだろうな…
さすが姉さんの子どもだ。強いな。
次女ちゃんが私と娘のところにきて、「今日は三男は?久しぶりに会いたかったのに!」って。
三男と仲良くてうちでよく一緒に遊んだ次女ちゃん。
そのままうちに泊めたこともあったな…
次女ちゃんに「遺影の写真、姉さんらしい良い写真だね」と言うと
「ありがとう。あれね、去年の夏に撮ったの。姉ちゃんがどこに行くときも
『母さん最後だからいっぱい撮ろう!』って撮ってね。母さんが自分で選んだんよ。」
姉さん、かなわないよ。
あんたのその強さ、いつも尊敬していたけど。
『ずるいの!だからこんな可愛い写真なんだ!』ってまた思わず言ってしまう私。
いつも嬉しそうに「ヒヒヒ。ざまあみろ~」ってニカニカ笑ってた姉さん。
最期までその笑顔しか思い浮かばないよ…
翌日の葬儀は私は仕事でした。
でも後悔しそうで仕事を休むことにしました。
もう一晩、姉さんにしてあげられることを考えました。