子供の頃。
親にたくさん名前を書いてもらいました。
ハサミやおはじき、クレヨンにカスタネット。
今度は私が書く番です。
母の時もたくさん書きました。
タオルや下着、靴下やコップ等々。
親子の確執がいつしか
愛情に変わって行きました。
コロナの影響で面会出来ないものの、
受付から父の病室が少し見えた。
足の指をゆっくり動かしている。
今度は手が伸びてきて、
コップを掴んだ。
お茶を飲んでいるんだ。
生きている。
父は生きている。
それだけで
胸がいっぱいになった。
持参した着替えを
看護師さんが父に渡してくれた。
「はーーい。
有難うございまーす!」
管や線がいっぱい付いた状態で、
元気よくこたえる父。安定している。
あーよかった。
本当に良かった。
ホッとして涙が溢れた。
すっかり暗くなった帰り道。
ボロボロ泣きながら歩いた。
マスクがあって良かった。
私の体から溢れでる
親子愛。
家族愛。
母の時より、
さらに深い気付き。
自分の体を犠牲にして
私に教えてくれたのであれば、
もう分かったから大丈夫だよ。
早く元気になってね。
お父さん。
待ってるから。
もうすぐまん丸になる
綺麗なお月様を見上げて言った。
「私は今、幸せです」と。
それにしても…。
こんな可愛い鏡、
どこで手に入れたんだろう?笑
