仕事中、父から電話があった。
安定していた持病が悪化したのか、
紹介状を持って明日大きな病院に行くと言う。
付いて来てくれるかな?
行く行く!
もちろん行くよ!
私は即答した。
病状を聞きながら
胸が苦しくなった。
今年初め。
白内障の手術を受けた父。
簡単な手術なので
付き添う必要はないのだが、
耳が遠いため付き添う事にした。
私の仕事をしきりに心配して
「もう来なくていいから」
と言っていたのに、
退院する頃には、
「居てくれて良かった」と呟いた父。
今回は自分から私に声をかけて来た。
相当心細いのだろう。
それを思うと涙が出そうになった。
昔の父は厳しく怖い存在だった。
そんな父に私は心を開く事もなく、
近寄りもしなかった。
顔を合わせれば喧嘩ばかり。
そんな父が今
私を頼ってくれている。
母の介護をきっかけに
私と父の関係は大きく変わった。
年老いた父は
穏和で良く笑う人になった。
小さくなった身体や
気が弱い一面を見ると、
こんな人だったんだなぁと思った。
帰り道や電車の中で
何度も何度も涙がこぼれそうになる。
心配してもしょうがないのに、
不安が胸いっぱいに広がった。
その不安は病気の事だけでなく、
お金の事にも及んだ。
こんな時もっと沢山貯金があれば、
不自由なく父に安心して貰えたのに。
不甲斐ない自分が情けなくなった。
そして、
天国の母や祖父母に祈った。
帰宅して思いっきり泣いたら
腹が座った。
絶対大丈夫!
母や祖父母が父を守ってくれる。
伊勢神宮の健康御守りも渡してるし、
何より私が付いているから。
何でもする。
実家に戻って一緒に住もう。
父が望んでくれるなら、
大好きな今の住まいを出て、
実家に戻ろう。
何でも出来る。
だって私は娘だから。
お父さんを守ると決めたから。
家族の喜びが私の喜びだから。
心細い夜を迎えた親子。
明日はきっと、
良かったね。安心したね。
と笑っているに違いない。
私はこれから
幸せなお金持ちになって
父や息子と沢山旅行に行き、
沢山喜ばせるって決めてるんだから。
家族で沢山笑うって決めてるんだから。
絶対大丈夫!