能登半島地震が起きて、心が震えている。

 

 まずは安否の確認が出来ていない方々の救助と、被災された方々の避難先での安全確保を願うばかり。

 

 東日本大震災の時、発災の四日後に僕は被災地に向かった。なので色んな人たちから訪ねられる。

 

「被災地に向かいますか」

 

 僕は今回は向かわない。少なくとも今時点(1月3日、発災より48時間)では向かうべきでないと思っている。

 

 今回の地震被害はとても甚大だけれども、自衛隊も警察も消防も行政も機能している。全ての救助は済んでいないとはいえ、最大限の動きは出来ている。民間の一般ボランティアはこの初動の活動を、絶対に阻害してはいけないと思う。

 陸路、空路、海路の全てを使って、公的な大きな支援の動脈が流れている。今はこれらの努力が最大限に効果を発揮できるように、小さな個々の善意の動きは、現地の後ろに控えて時期を待つべきだと思う。

 

 細やかな人的支援はもう少し後から出来るから、先走る思いに駆られて見境なく動くことは慎んでほしい。

 

 熊本の地震の時、ある程度局地的な災害であったため、周辺各県域の商業施設や交通は機能していた。現地に向かうボランティア車両が国道に渋滞を作り出して、その渋滞に自衛隊の補給車両がはまって動けないという状況に陥ったことがあった。

 また、被災地域での物資不足で、被災者に自分の車両がある場合、周辺地域で買い物をするなどの移動の必要があり、これも外部からの車両渋滞によって妨げられる結果となった。そうした教訓を生かしてほしい。

 

 善意はわかる。助けたい気持ちもわかる。でも冷静に状況を見て判断して欲しい。

「やれることをやる」は大事だが、「待つ判断をする」ことはもっと大事だ。