凪良ゆうさん、天才ですか。
なにこの素晴らしすぎて完璧な小説は。

ページをめくる手が止まらない。
苦しくて、切なくて、読むのに心が痛いシーン多々。
登場人物全員にどうしようもなく共感できて、愛おしい。

『汝』って、二人を表す一人称らしい。
『汝、星の如く』
こんなタイトルを思い付くのも凄い。

前に『流浪の月』を読んだ時から、凪良ゆうやばっ!とはなっていたけど、これもこれで良すぎた。
すらすら読むんじゃなくて、一文一文を自分の中にしっかりと刻みながら、噛み締めながら、ゆっくりと読みたい本だった。

すれ違い続ける、二人の人生。
そこに乗りかかる予想外の重み。と同時に、優しさ。
とっても痛くて、とてつもなく愛おしかった。
何度も胸をぶっ刺された。

人は自分決める権利がある。自由がある。
そのためにも、経済力は大事だなと思った。
一人で生きていくにしても、誰かと生きていくにしても、金銭的な余裕さえあれば全然違う。

不倫、ヤングケアラー、貧困、LGBT問題、メディアの残酷さ、この世にある様々な最悪がたくさん詰まっていて、でもそれは紛れもなくこの現代におけるリアルだった。
だからこそ、読む人の心に刺さるのだろうし、痛いくらい共感できてしまう。

どこの書店に行っても推されていたからずっと気になっていたけど、読んで本当によかった。
これを機に、凪良ゆうさんの小説を読み漁ろうか。