数年ぶりに再読してみた。

以前はまだ幼かったからか全然内容が頭に入ってこなくて、読むのに時間がかかり、ただ難しかったという感想しかなかった。
しかし今回はある程度大人になったからかすらすらと入ってきて、その内容の濃いさ、物語の進み方、登場人物それぞれの感情などがあまりにも秀悦すぎて、どんだけ素晴らしい小説なのだとびっくりした。

これは若い人ほど、とりあえず全員読んでほしい。
戦争時代に生きていた方が少なくなってきたこの時代に、あらためて戦争を絶対に忘れてはいけないと思わされた。
電車の中で読むには涙を堪えるのに必死だった。

特攻隊というのは、ただ戦争に行くのでも、自ら敵の母艦にぶつかって死にに行くのだ。
なんと命を軽視していた時代なのだろう。
「志願」を自ら選んだといっても、それはほとんど司令だったらしい。
あまりに酷すぎるし、そんなことが本当にこの日本でやっていたということが信じられない。

それと同時にわたしは零戦ファンになりつつある。
空を飛んだ敵と戦い、潔く散って行った男達に興味が湧いて仕方がない。
いずれもわたしと歳が変わらなかったり、もっと若い十代とかの子たちが。
本当に信じられないし、こんな平和な時代になった日本に生まれてきたことに感謝をしなければならない。

かつては戦争があった。
絶対に忘れてはいけないから、本当に一回は全員読んでほしい。

この小説を書くにあたってどれだけの資料集めをしたのだろうと百田尚樹という小説家にはリスペクトが止まらない。