芥川賞受賞作。
さくさく読めて、コント的な面白さがある。
何かがおかしい主人公。いつ治るの?と家族に心配されつつも、自分は何不自由なく過ごしている。
そんな彼女がやっと見つけた居場所は「コンビニ店員」だった。
コンビニ店員としてマニュアル通りに働いているときだけ、人間らしくいられる。
マニュアルや指示がないと、なにもわからない。
結婚や就職もそうだ。
いい歳してしていないと、何かおかしいと探られる。
人間は人間というマニュアルに沿って生きているのかもしれないと、考えさせられる小説でもあった。
縄文時代から人間は変わっていないというのも一理あるだろう。
他人はとにかくあれやこれやとなんでも言いたがる。それをつまみにするように。
言いたい奴には言わせておけ、と思うのだけど、どうしても世間にちゃんと染まる自分になろうとしてしまう。
面倒臭ぇなぁ人間、と思うと同時に、主人公の異常さは清々しくもあった。
ドラマ化希望!