母と息子がいろんな各地を巡りながら
逃げ続ける。

本当にその地に行きたくなるような、
行った気分になるような
美しい描写の仕方がとても良かった。

小学生の息子と母親という関係性が
細やかに表現されていて
胸が痛くなると同時に感動する。

お互いを気遣ったり、むかっとしたりしながら
それでもお互いを守り合っている。

逃げることは、投げ出したり
負けることじゃない。
逃げることも、一つの戦い方なのだ。

悪役さえも愛おしく思えてしまう、
愛溢れる小説だった。

辻村深月さんの小説を初めて読んだけど
静かで綺麗な、映像が頭にすっと浮かんでくる
とても良い小説だと思った。