【堀江貴文×佐藤航陽×光本勇介】2018年は「お金の価値」の年 | 仮想通貨に関するニュースを毎日お届け

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仮想通貨、ビットコイン、VALU、TimeBank、シェアリングエコノミー、C2Cサービスなど従来のお金の捉え方では対応できない「新しい経済」がまさに今、誕生している。この「新しい経済=お金2.0」の時代をどう生きればいいのか。
実業家の堀江貴文氏、『お金2.0』の著者であるメタップス代表の佐藤航陽氏、DMMに買収されたCASHの生みの親・光本勇介氏が語り合った。
※本記事はNewsPicksアカデミアと堀江貴文イノベーション大学校(HIU)との共催イベント・堀江貴文×佐藤航陽×光本勇介「お金2.0時代の生存戦略」を再構成したものです。

ライブドアでは10年前にやっていた
佐藤 2014年に「ホリエモンドットコム」が始まったとき、ちょうど仮想通貨の話をしていました。「イーサリアム」が登場し、「これは面白い」という話が出てきたばかりの頃でしたね。
堀江 そうですね。僕は、VALUで調達した「ビットコイン」をそのままにして置いておいたら、VALUだけで「億り人」になっていたんです。
最近面白いと思ったのは、Twitterで「モナコイン」を投げ銭として相手に送ることができる「チップモナ」というサービスです。
要は、小切手と同様に振出人の署名があれば、モナコインがもらえるという仕組み。特定の相手先への送金が確保でき、さまざまな機会をとらえて気軽に送金できるので、「モナコイン」を購入する人が増えています。
仮想通貨は、使えば使うほど価値が出るものであり、「ビットコインには裏付けがない」とか、ごちゃごちゃしたことを言う人が多いですが、つまるところ、通貨は人気や流動性が大切なのです。
流動性が大事なのは株式も同じです。
僕はライブドアの頃から思っていたのですが、結局、自社のことを良いと思ってくれる人が多いことと、どれだけ流動性があるかに尽きます。とにかく、たくさんの人たちに株式を持っていただくほど強くなるのですよ。
「VALU」もそうですが、おそらく「タイムバンク」の課題は参加者がまだ少ないということなんだと思いますね。
佐藤 今、仮想通貨について議論されていることの多くは、ライブドアでは10年以上前から手がけていたことですよね。

堀江 そうです。ただ、みんなが試行錯誤をしているから、結局、国家権力が潰しにかかるのです。通貨の発行権は、国家主権の非常に大きな部分を占めるものなので、国民国家が規制をかけて全力で守るのです。
その点、サトシ・ナカモト氏が考案したビットコインの中核技術である「ブロックチェーン」が素晴らしかったのは、いかに規制の壁を破ってP2P(ピア・ツー・ピア)のシステムを活用し、流動性を高めていったらいいのかを試行錯誤してきた人たちの死屍(しし)が累々と積み上がったあとに、ついにできあがった画期的なものであったということです。
かつてはNapstar(ナップスター)やWinny(ウィニー)、Gnutella(グヌーテラ)にしろ、P2Pのキラーアプリケーションには違法コピーのようなものしかありませんでした。
ところが、P2Pに仮想通貨を乗せるのは非常に有効で、大きなバイイング・インセンティブが生まれます。

そこに、人気が高まるほど世間に広まり価値が上がるという、通貨が本質的に持っているメカニズムが合わさった形で、実質的に政府が規制できないシステムが作り上げられた以上、それを利用すればアルトコイン(「ビットコイン」以外の仮想通貨の総称)からトークンまで、なんでも流通させることができます。
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今年は「お金の価値」の年
堀江 僕自身、非常に想定外だったのは「イーサリアム」です。あそこまで値上がりするとは思いませんでした。
結局、大きく値を上げた「イーサリアム」がドライバーになり、ICO(イニシャル・コイン・オファリング/仮想通貨の発行による資金調達)に大量のゲームマネーが流れ始めたのです。
そうした中で、「イーサリアム」の価格は何百倍にも上昇したのですが、そこにたまたま100万円といった資金を入れていた人たちが、実際にいるわけですよ。
「イーサリアム」の場合、仮想通貨を作った人が見えていることが1つの大きなリスクではありますが、ここまで規模が大きくなると、システムを潰しにくい存在になるのではないかと思いますよ。
光本 僕は、今年はお金の価値の年だと思っています。
これまでは現金が圧倒的な力を持つ価値の指標でしたが、半年ぐらい前から、人の時間や人自身といったさまざまなものに価値がつき始めたと個人的に考えています。
目に見えないものに対して、これだけの価値がついたという意味では、仮想通貨にも似た部分があるのかもしれません。そして2018年度は、今まで価値がついていなかったさまざまなものに価値がつき、どんどん流動していく年になると思います。
ブランドの時代がくる
光本 今後は、お金以外のものにもどんどん価値がつき、価値が上がっていきますよね。
佐藤 その意味で、おそらく今、一番価値が上がっているのはブランドです。ブランドはコピーできませんから。お金でブランドを作ることが、おそらく投資効率としては一番いいのかなという気がします。
堀江 僕はブランドは買うのが一番いいと思います。中国の家電メーカー・美的集団が東芝の白物家電事業を買いましたが、あれは非常に効率がいいですよね。
しかも、ブランドは潰れても大丈夫。また復活するから。ブランドにはものすごく弾力性があるんです。だから僕は強いブランドを買いたい。
実際、「ライブドア」のブランドはプレパッケージ型の民事再生スキームを使って1億2000万円で買いました。かつて70億円もかけて築き上げたブランドですから、IT業界の人たちはそれなりに知っていたし、「これは使える」とみんなが思っていたわけです。
今は老舗の出版社を買いたいですね。
実際、頭のいい人たちは出版社を買っていますよ。ライザップを運営する健康コーポレーションが日本文芸社を子会社化しましたし、フィスコは実業之日本社と業務提携しています。なかでもマンガが儲かるんですよ。
たとえば実業之日本社なら、かつて「週刊漫画サンデー」に連載された『静かなるドン』が、読み放題のマンガアプリのコンテンツとして売れています。『静かなるドン』は100巻以上続きましたが、それは面白いからです。
その意味で、マンガは古くてもわりと色あせないので、読者に2、3巻でも読ませたらかなりの人が100巻以上読んでしまいます。読み始めたら止まらなくなってしまうので、非常にお得なビジネスです。だから出版社の事業では、昔のコミックスが一番儲かると思います。
「CHASH」のこれから
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堀江 最近、光本さんが手がける「CASH」サービスが盛り上がってきていますね。これまで価値がないと思われたものに価値がつき、その価値をキャッシュに変換し、実際に使えるところが大切です。
「VALU」のビットコイン(BTC)はもちろん、「タイムバンク」で得られるお金も非常に使いやすいのですが、そこで重要なのは、現代の「PayPal」に代表される決済手段です。「PayPal」がなぜ伸びたかというと、「eBay」に買収されたことが一番大きかった。ところが「eBay」は日本で失敗したので、日本で「PayPal」はあまりはやりませんでした。

その意味で、日本におけるオンライン決済は「Yahoo! JAPAN」でやるべきだったのかもしれません。
結局、こうしたオンライン決済が成功するための源泉になるものは何かというと、手離れがいいお金が自分のアカウントに勝手に入ってくることでしょう。

光本 僕たちは、そういう部分については非常に興味津々です。今までモノに対して価値を見いだしていなかった人たちに向けて、身近なところにある幅広いカテゴリのアイテムの価値を算定し、キャッシュを提供しています。
結局、「CASH」のユーザーが現金を受け取ったあとは消費をするのです。毎日、何千万円や何億円に上るキャッシュを、多数のユーザーのウォレットにチャージすることで、新たな消費の機会を数多く作ることができるようになりました。

堀江 ということは、おそらく消費と投資の差がなくなっていくのですね。リセールマーケットが急速な勢いで大きくなりつつありますから。

結局、なぜ「メルカリ」が使われるようになったかというと「インスタ映え」が原因です。
ファッションにおける「インスタ映え」という意味でいえば、友達に会うときにおしゃれな服を着て、自分のファッションセンスをアピールすることで自己承認欲求を満たしていたのですが、1回で会える友達の数には限界があり、非常に効率が悪かったのです。

そのため、長く着られる服を何回も着ていたのですが、今や、自分がその服を着ている写真を、「Instagram」のフォロワーが見ていたら終わりです。だから、お金がある人は「ZOZOTOWN」や「BUYMA.com」で新品の良い服を買い、写メを撮ったあとに「メルカリ」に売る。

そして、お金のない人は、「メルカリ」で買った服を着て写メを撮り、それをまた「メルカリ」に売っているのです。結果的に、みんなが使った服をシェアしているということですね。

光本 これまではモノの流動性があまりにも少なかったので、新品、すなわち一次流通市場に対して、二次流通市場が小さ過ぎました。
なぜかというと、モノを売る手段が限られていて、モノを売ることが面倒だったからです。だから僕たちは、モノの流動性を圧倒的に高めていきたいと思っています。

堀江 たとえば本の二次流通を考える場合、デジタルのアセットなら、トークンを二次流通させればいいのでとても簡単です。トークンを持っていれば本を買えるので。

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