高熱の思い出 | 幸せとは何ぞや

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日頃のことを呟く雑記ブログです。

 

ご無沙汰しておりました。

いつの間にか8月も半ばですね~!

 

暑い日が続いていますが体調などは崩されてないですか?

私は時折、酷く高熱が出たりしてダウンすることがあるのですが、今年の夏は今のところないですね。

寝不足で頭痛がしたりしてるので健康ではないかもしれませんが💧

 

 

そんな体調を崩した中でも強烈に印象に残っているエピソードがひとつあります。

例にもれず、精神科の病棟に勤めていた時の話なのですが、その日は介助入浴の日で私は浴室の中で患者様を洗ったり、見守りをしておりました。

 

真夏の介助入浴は地獄です。

とにかく暑い。着ているTシャツは勿論、下着までびしょ濡れです。

 

更にそれに加えて、その日は運悪く朝から体調があまり良くなかったのです。

自分のことなので「これ熱あるな」と予感はしていましたが、測ってしまうとより意識してしまうのでそのまま誰にも言わず、2時間以上にも及ぶ入浴介助をこなしておりました。

 

やっと最後の患者様を更衣室へと見送った後、同じく入浴介助として入っていたスタッフに実は体調があまり良くないことを伝えて、これから師長に言って早退するかもしれないことも併せて告げました。

入浴介助中は気力で何とかなりましたが、その頃には「やっと終わった」という解放感からかもう足取りも覚束なくなってなっており、申し訳なく思いながら後片付けなどは任せてそのまま師長に伝えに行きました。

 

私の話を黙って聞いていた師長から返ってきた言葉は「あなたが6連勤働くって言ったんでしょ?」でした。それはそれは苦々しい顔で。

 

その日は6連勤中の5日目だったのですが、確かに私は6連勤になることを了承はしていましたが、そもそもは師長のミスが原因でこうなったのです。

 

 

 

大体どこの病院もそうだと思いますが、毎月の勤務表は病棟の最高責任者である師長が作成するのですが、毎月決まった期間で勤務希望(この日は休みにしてほしいなど)をスタッフから募り、それを基に師長が作ります。

たまに私も予定がある日などは休みの希望を出すのですが、その介助入浴があった月も休みの希望を出しておりました。

しかし師長が見落としたのかはたまたわざとなのか、完成した勤務表を確認すると休み希望を出した日が日勤になっていたのです。

 

師長にそのことを指摘するのは正直、気が引けましたが「その日は予定があるし、師長のミスだし」と自分を奮い立たせ言いに行きました。

 

「あら、本当ね。ごめんなさいね、じゃあ代わりにこの日に出てもらって、ここは休みに直しておくから」

 

なんて言葉は返ってきませんでした。

現実は「ここ休みにしたら、代わりの日勤はここにしか入れられないから6連勤になるけど、それでいいの?絶対休んだりしないでね」でした。

 

「はあ?あんたのミスやろがい。謝罪くらいしろや」と思いはしましたが、どうしてもその日の休みが必要だったので渋々「分かりました」と

返す他ありませんでした。

 

 

そんな経緯があったので、朝体調不良に気付いても休むなんて選択肢はなかったですし、何とか入浴介助まではこなしました。

正直、休みはしなかったわけですし、その日に割り振られていた入浴介助という役目は果たしましたし、すんなり帰してもらえると思ったのが間違いだったんでしょうね。私の認識が甘かったのです。

 

苦虫を嚙み潰したような顔をしたままの師長は「取り敢えず外来に連絡するから熱とか測ってきて」と言いました。

素直にそれに従い「ありがとうございます」なんて礼まで行って外来に行くと体温は39度以上あり、「こんな熱で介助入浴したの!?頑張ったね」と言って下さった外来の看護師さんの言葉には涙ぐみそうになりながら、師長に再び伝える為、病棟に戻りました。

 

師長の姿を探すと、他病棟の師長と何やら話してたので「話が終わるまで待っていよう」と少し遠巻きに様子を窺いながら待ちました。

師長は私が病棟に戻ってきたことにも気が付いていました。視線も合いましたし。

 

しかし、師長2人は休憩室の中に入っていき、扉が閉じられました。

確実にわざとでしょう。ノックしてまで追いかけてくることはない、と踏んでいるのです。今思い出しても腹立ちますし、あの時の情けない気持ちも蘇ってくるようです。

 

師長が出てくるまで手持ち無沙汰で待つしかなくなった私に事情を知った他のスタッフがすれ違いざまに「大丈夫?」「早退するんじゃないの?」と声を掛けてくることがその時の私にとってどれ程惨めなことだったか。

 

やっと15分~20分程経って出てきた師長に声を掛けると「じゃあ今日はもう帰っていいけど、明日は休まないでね」なんて返答でした。

 

勿論、次の日も出勤しました。

這ってでも何でも、意地でも行ってやる!と思ったからでしたが、私の姿を見た師長から何か言葉があるわけでもなく。

 

その時私は悟りました。

「私がどう思っていようと、頑張ろうとこういう人間が心を痛めることも響くわけでもないんだな。私もそういうものだと割り切って、仕事だけしよう」と。

当たり前と言えば当たり前ですが、自分を変えようと努力は出来ても、他人を変えることは出来ないと、改めて感じた出来事でもありました。

 

 

まあ、そんな過去のことを忌々しくも思い返したりして、今の幸福を噛み締めます!