オリガ・モリソヴナの反語法 | 旅行、美術館、書評

オリガ・モリソヴナの反語法


オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)/米原 万里

はじめ、本のタイトルを
 「オリガ、モリゾウ(蔵)の反復法」 だと
勝手に思っていたので、
どうもうタイトルと内容が..........と思ったら、
モリゾウ(蔵)
でなくて、モリソヴナ
でした。それと、反語法。


にひひ
この学校に編入してくる非ロシア語圏からの子供たちが最初に発するロシア語は何だと思います?
・・・
ロシア語で『ありがとう』も『こんにちわ』も言えない子が、
『腐れキXタマ』ですよ、
『他人の掌中にあるチXポコは太く見える』ですよ。
『てめえはやり摩の息子か!』ですよ、
ああ汚らわしい、恥ずかしい。生まれて初めてですが、こんな言葉を口にしたの。
にひひ
志摩は自分は八ヵ月前にこの学校に編入してきた日本人だと名乗ると、
突然カーチャは腰掛けていた席から飛び上がって、はしゃぎだした。
「わーっ、わーっ、ウソみたいだあ。
今ちょうど夏目漱石の『吾輩は猫である』を読んだばかりなのよ。
日本のことにとても興味がわいてきたところに、
生きた日本人に会うなんて・・・・・・」

 パン屋再襲撃 (文春文庫)/村上 春樹 などを思い出させるおもしろさ、
 そして ホワイトナイツ 白夜
ミハイル・バリシニコフのダンスシーンをまた見るために
 レーザーディスクのプレヤーをひっぱりださないと、
 などと思っていたら、
 やはり、あの罵詈はシベリアの流刑地で生きぬくためのものだった
 というお話でした。

巻末の参考文献のリストにスターリン だとかフルシチョフ の名前が
 みえる。この辺りのことをよく調べ、作品にしていった
 作者の気持ちもわかりますが、少し謎解きがくどかったかなと。

 国家の恥ということで公にされない惨状も多いようなことは、この
 作品の中でも語られていましたが、北国では「沈黙は金」でしょうか。

フルシチョフは
スターリン批判 により国際共産主義への混乱を招いたという理由で批判を浴び」
毛沢東 率いる中華人民共和国 とは、社会主義の路線をめぐって論争となり、やがて中ソ対立
などにより、失脚。 




以下、Wikipedia ニキータ・セルゲーエヴィチ・フルシチョフ より
日本との関係については、日ソ交渉をしたときの最高指導者である(詳細は日ソ共同宣言 にあり)。晩年に記した回想記の中で、フルシチョフは日本の戦後の発展を羨み、「ソ連がサンフランシスコ講和条約 に調印しなかったことは大きな失策だった」「たとえ北方領土問題 で譲歩してでも日本との関係改善に努めるべきであった」と述べていた。このくだりは結局フルシチョフ本人の政治的配慮によって回想記からは削除されたが、ゴルバチョフ 政権下のグラスノスチ によって1989年になってはじめてその内容が公開された。
                       ニキータ・フルシチョフ「封印されていた証言」(草思社 )1991年刊