術後14日目。
3回目の外来リハビリの場で、ニーブレースを卒業した。

診察はなし。
リハビリ開始直後、

「今日から外しても大丈夫です。心配であれば、外出時や夜間なんかはつけるといいですよ。」

と告げられる。

これまでの頑張りをねぎらうかのような、若い女性理学療法士の笑顔がこそばゆい。

たった2週間だけれど、短くはなかった。
トイレ、入浴、着替えの度につけ外ししなきゃだし、寝返りひとつ打つのも一苦労で、夜中眠気を振り払って何度も外してはマッサージした。
煩わしい存在には違いなかったけれど、勝手のきかない左足を守ってくれたお守りのような存在でもあったな。
そんな相棒とも、今日でお別れかと思うと、うれしい反面、名残惜しさもあり、不思議な気分。

でも、これで一区切り。
この一歩は大きな前進。

リハビリしながら、担当の先生に「登山で言うと、いま何合目くらいですか?」とそれとなく聞いてみる。

「うーん…難しいですねぇ。個人差があるから、なんとも言えないです。だけど、順調ですよ!」

焦れったいほど、ぼんやりとした回答すら得られず。
何でもいいから見通しが欲しくなって、
「子どもを抱っこしてお散歩できるまで、だいたいどれくらいかかりそうですか?」などと、あの手この手でいくつか質問して引き出した回答をまとめると、

・子ども(10㎏)を立って抱っこできるのは、全荷重になってから、さらにリハビリが必要。すべては筋力次第。

・子どもを抱っこして散歩することは、術後3か月後に目標設定せよ。(リハビリ頑張ってそこを目指すべし。)

え・・・そんなにかかるんだ。
がっかりが顔に出てしまう。

気を取り直して、ついでにリハビリのゴールを聞いてみると、

「何を卒業の目標にするかで違いますが、年度内には卒業できるよう頑張りましょう。
5針縫うって結構重症だったんですから。」

と言われてようやく、気持ちを切り替えるしかないと踏ん切りがついた。

来春の育休明け復職までにリハビリ卒業する。ひとつ明確な目標ができた。