帰宅後も試練のオンパレード。

布団に腰を下ろす、布団から立ち上がる、トイレまで移動する、便座に座る、便座から立ち上がる
そのすべてが決死の覚悟。

最初の三日は、たぶんこれだけの動作しかしていなかった気がする。
退院日当日は、トイレに行って用を足すまでなんと15分もかかった。
しかもニーブレースを外してやるという考えが浮かばず、便座に座る動作がハード過ぎて、洗面器に足していた。

痛みのせいでその日は洗面はおろか、みだりに上体を起こす気にもなれず、夕食は布団に横たわったまま、夫が作ってくれたおにぎりを泣き顔で食べた。

夜、カロナールでは緩和できないあまりの痛さに我慢できず、産院でもらった残りのロキソニンを飲んだ。
痛みが和らぎ、今度はうれしくて泣けた。
痛みは精神を蝕むことを身をもって感じた。