9月21日(水)にアルゼンチン映画「エル・クラン」をシネマカリテ新宿で見てきました。実際に80年代におきた、本国ではよく知られているという犯罪を描いたこの映画。未だに思い出すと、胸がザワザワしていきます。これが、本当に「実話」なの?
できれば「実話」であってほしくなかった。という気すらします。
(予告のリンクを貼っておきます)
www.youtube.com/watch?v=JnYvKixqnI
この映画は主人公アレキメデスを通して、独裁軍事政権の恐ろしさを民主政権に移行してる最中を舞台に描くことで、今に通じるものとして描きます。
アレキメデスにとって「誘拐」も「殺人」も特別なことではない。あくまで「仕事」です。政府の任務だったのが身代金目当てに変わっただけ。だから、それらを行うのに躊躇も快楽もありません。映画は、ややコミカルに淡々と「誘拐」「殺人」が日常と地続きのものとして描きます。それは、家族の前では良き父であるアレキメデスにとって犯罪と日常が「表」「裏」ではなく、一体であったことを示します。
そして「家族」「親子」の物語でもあります。長男アレハンドロにとって、父親はいうなればファムファタールであり、逃れたくても逃れることの出来ない存在。劇中で流れるkinksの「Sunny Afternoon」が彼の心情を皮肉に映し出します。
観客は、ドキュメンタリーを見ているように一家の行く末を見続けさせられます。
そして、ある事件をきっかけに物語が大きく動き、驚愕のラストへ・・・。
多層的に、様々な「恐ろしさ」恐ろしさががれる傑作。オススメです。