棚田の話題が続きます。
喜多方市高郷町、ほんそんの棚田です。
棚田で米作りができる地域のため質の高い米を生産することができ、その米を「ほんそんのこめ 米(まい)フレンド」というブランドにし、集落全体で販売を行っています。
しかし、人口は約48人、高齢化率は55%(R6年2月現在)と、農業だけではなく集落そのものを維持するには非常に危機的な状況にあるというのも現実です。
棚田の良さはなんといっても、綺麗な水でお米を作れることです。生活雑排水が一切入り込んでいない山からの清水を利用してお米を育てています。
高郷町全体に多くみられる農業用ため池は、山からの清水を一旦溜めることができ、そこで日光で温められた水を田んぼに流し入れています。
冷えた自然のままの清水よりも温められた水の方が稲の成長には良く、それも美味しいお米を作ることができる大事な要素の一つとなっています。
本村(ほんそん)集落は標高300m、高郷総合支所から北東に8km進んだところに位置し、県道「上郷・下野尻線」が集落内を東西に通り西会津町へと通じています。
危機的な状態の集落を盛り上げようと、ほんそんでは様々な取り組みが行われているそうです。
「フットパス」、「農業体験」田んぼに多く生息している「蛍のイベント」など他にも多くのイベントが行われています。
また、ほんそんを通る県道「上郷・下野尻線」は、かつて越後街道の裏街道として、藩政時代から明治時代にかけて廻米の輸送、塩を始めとする物資の輸送で大いに繁盛した道という歴史もあります。
自然はもとより歴史的な観点でも大変貴重な宝が眠る「本村(ほんそん)地区」です。
梅雨入り前の、静かな昼下がり、田んぼで働く人の姿は見えませんでしたが、見ているだけで心落ち着くのどかな風景が広がっていました。