磐梯吾妻スカイラインの中間地点の標高1,600メートルに位置している浄土平。
 高山植物群落や亜高山帯の針葉樹林湿原なども点在し、ビジターセンター、休憩所、自然探勝路が設置・整備されていますので、手軽に亜高山の自然を楽しむことができます。

 

 湿原のワタスゲが見ごろになっているらしいということで、早速訪れてみました。

 

 湿原の中でも、水辺に近いところに、群落がみられます。木道の間をキョロキョロしながら進みます。

 

 一切経山をバックにワタスゲのビューポイント、もう少し空が青ければいうことなしですね。

 

 

 時々吹き渡る風がワタスゲの果穂を揺らしていきます。

 

 反対側には、東小富士の山肌が迫っています。浄土平から見る吾妻小富士は、いわゆる「富士」を思わせる円錐形には見えません。どちらかというとエアーズロックのような台形に見えます。

 

 吾妻山は古くから信仰の山として栄え、山伏修行のため、ふもとからの登山道が通じていました。登山道には、修験に関連した地名も残されています。
 「浄土平」は、吾妻小富士や一切経山に囲まれた鮮やかな花々に満ちた平坦地が、厳しい山道を歩んできた登拝者にとって極楽浄土のように思えたことから名付けられたと考えられています。

 湿地帯は、貴重な植物を傷めないように木道が整備され、快適な散策と観察が楽しめます。

 

 

 

 

 ワタスゲの向こうに名残のミネザクラも見られました。

 

 

 ワタスゲは高層の湿原に生息する高山植物で、花を咲かせた後に白くてふわふわの綿毛をつけます。花自体は小さく地味なのであまり注目は浴びません。花が終わったあとの姿が可憐で、湿原を彩る白い妖精としてハイカーの中では人気の植物です。

 

 浄土平では、イワカガミも見ごろになっていました。初夏とはいえ、まだまだ彩の少ない湿原の中でイワカガミの鮮やかな明るい色は目を惹きました。

 

 イワカガミはの葉は根元に群生し、円形で縁がギザギザしています。葉の様子に光沢があることから「カガミ」の名がつけられているようです。