この時期になると、金山町の沼沢湖近く太郎布高原のなだらかな丘陵地一面には薄紫色の絨毯を敷いたように花畑が広がります。

 

 一面の薄紫色が広がる光景は、爽やかな気持ちにさせてくれます。見頃は5月中旬から6月上旬で、奥会津の山里に初夏の訪れを告げる花となっています。

 

 

 アザキ大根はこの太郎布高原をはじめとする奥会津の一部地域の原野に自生している珍しい品種の大根です。中でも一面に広大な花畑になっているのは、ここ太郎布高原だけで、10ヘクタールの広さに及びます。

 

 大根はアブラナ科の植物で、白から薄紫色の小さな花を咲かせます。普通の大根は花が咲く前に収穫して、食べてしまうので花を見ることはほとんどありません。

 アザキ大根は非常に辛みの強い大根で、しかも硬いので昔の人は「大根のようだが食べられない。人をあざむく大根だ」と言い、それが「アザキ大根」の由来とも言われているそうです。

 

後方の丘のようなところは古墳です。糠塚古墳、7世紀に造営されたと見られます。この地にも古墳をつくらせるような豪族(支配者)が「いたようです。

 

 「道の駅奥会津かねやま」では、高遠そばの薬味として、このアザキ大根を食べることができます。

 花の絶景を味わい、さらに高遠そばを食べて、アザキ大根の辛みを味わってきました。