藤子不二雄A「夢トンネル」 | 行雲流水的くっぞこ

藤子不二雄A「夢トンネル」

 令和4年。色々ありました。

 個人的には同居していた父親が亡くなった事ですが。

 

 それ以外でいうと、漫画家の藤子不二雄A先生こと安孫子素雄先生が4月6日にお亡くなりになられた事ですね。享年88歳。

 

 安孫子素雄先生のご冥福をお祈り申し上げます。

 

 昭和53年テレビ朝日で「ドラえもん」のアニメが始まったのが、私が3歳の時。昭和55年ドラえもんの映画が始まったのが5歳の時。

 私は、テレビを付ければ週に何作も藤子アニメが放送されていた「藤子不二雄ブーム」とも言える1980年代に少年時代を過ごして、モロに影響を受けてきた藤子不二雄ファン。

 

 実は父親が亡くなった翌日が安孫子先生のご命日なんですよね。父の葬式が終わり、色々な手続きをしに銀行へ向うカーラジオで安孫子先生の訃報を聴いたんです。車内でダブルショックですよ。

 

 今まで安孫子先生の色々な作品を読んできましたが、どれか1作上げるならば…「まんが道」「黒ベエ」「プロゴルファー猿」色々ありますが…

 「夢トンネル」を。

 昭和58-59年「サンケイ新聞」に連載されたタイムトリップもののSF少年漫画。

 

 主人公は寝るのが好きな小学生・夢見ユメオくん。夜、屋根に上って夜空を見ていると、家の庭に植えたユーカリの木にしがみついている、コアラに似た不思議な生き物「ウィーキー」と出会う。ウィーキーはタイムトンネルを作る超能力をもっていて、ユメオくんと一緒に、現在と過去を旅していきます。

 

 安孫子先生の漫画は色々なジャンルを描かれていますが、「夢トンネル」は生粋の少年漫画。ブラックユーモア色が一切ない少年漫画です。

 藤子先生の漫画にときどき登場する太平洋戦争の体験がら、戦後の手塚漫画まで、色々な藤子漫画の要素が出て来て楽しい漫画です。そしてタイムトラベルもの特有の切なくもある漫画です。

 時間を超えた何かを望むんですけど、そうはならない現実。その感覚が安孫子先生なのかなと思います。いやぁ~切ない(哀)

 

 

 良いお年を。