母は昔からパンを焼くことが趣味で。
近所の人が美味しいと言っては、喜んでいた。
一番のファンである私は美味しいけど、と前置きをしつつ講評もよくした。
知り合いの人から教えてほしいと言われ一時パン教室まで開いていた。
母はいい人なのか。欲がないのか。
その教室の受講料?みたいなのは安価で、
母は生徒さんのために朝早く起き持ち帰り用のパンやランチのおかずを一生懸命作っていた。
「だから、美味しいって言うんじゃない?」と、その当時の私は言っていた。
生徒さんに一度「お母さんのパンは本当に美味しいよ」と言われたことまである。
気前のいい母は、自分の焼いたパンを美味しいと言われると、焼いては近所にもっていっていた。
「もらうものをまずいって言わないよね?」と。その当時の私は言っていた。
先日パンを焼き、友人に渡したらとても喜んでくれ、美味しかったと連絡をもらった。
そんな話をしたら「もらうんだからそう言うでしょ?」と母。
そのあとに。
「ぷくちゃんも、いつも言ってたでしょ?」と笑っていた。
母は、私の焼いたパンでも、焼き加減や風味をきちんと評価してくれる師匠でもる。
最後に「美味しかったよ」と言ってくれた。
母のかわいい仕返しと。師匠としての誉め言葉。
嬉しいなんて、やっぱりマザコンなのである。