ゴールディング「蠅の王」
積読本の消化で連休中に堪能。
(内容紹介コピー:未来における大戦のさなか、イギリスから疎開する少年たちの乗っていた飛行機が攻撃をうけ、南太平洋の孤島に不時着した。大人のいない世界で、彼らは隊長を選び、平和な秩序だった生活を送るが、しだいに、心に巣食う獣性にめざめ、激しい内部対立から殺伐で陰惨な闘争へと駆りたてられてゆく……。少年漂流物語の形式をとりながら、人間のあり方を鋭く追究した問題作。)
とにかく島の描写が丁寧で 風景が浮かぶので、その場にいるような気持ちに。
集団心理としてはジャック寄せな感じなので漠然としているけど、
子どもから抜け切れていない年齢のラーフが
自分の考えを上手くまとめられなかったり 言うべきことを忘れたり、奮闘しまた挫折する辺りは 個の思考として共感できる。
人間が・・・というよりは、そもそも子どもという生き物が残酷なものやもん。
フィクションとしての、当たり前の正義や、当たり前の悪ではなく、その場その場で変化する感情から行動に移す様は
くっついたり離れたり
悩んだり開き直ったり
理性の定義もあやふやに思えてくる、人間社会でのリアルさがある。
先が読めない救助にしがみつくのか。
今を生きるために豚を狩るのか。
何故に協力して双方共に出来なかったのか。
リーダーとは何でどうあるべきなのか。
これまでの経験値が必ずしも将来への良い貯金になるのだろうか。
読んでるうちは淡々としてたけど、読了後に一気に疲労感が・・・