一心に尽くせ | Inspiration on My Life

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徒然なるままに

6月30日
大学病院に勤めている先生2人が、外の関連病院に巣立つとのことで、わが師匠が彼らと飲みに行くとのこと。
お前も来いとのことで、仕事を終えてから合流。
いつもの「万両」(南森町)へ。
私と他3人は初対面である。

医師の世界は封建的である。
本来、後輩たちが、師匠を楽しませるべきところかもしれない。
しかし、師匠の場合、自身が楽しんでいるかのように見えて、むしろ後輩らの方を楽しませている。
昔からである。
話の内容も、その辺の芸人よりもずっとキレがあって、面白い。
しかも、相手への心配りも実にきめ細やかである。
その姿勢に、改めて感心する。

後輩らのうち2人は、今後3年間、関連病院を回る。
私は、彼らにこれから何をしたいのか、尋ねた。
私は、相手を知るためにこの質問をよく使うが、的確に答えられる人は少ない。
彼らに「なければ(できなければ)、自分の存在価値がないとさえ思えるものを早く見つけるべきだ」とアドバイスした。

一方、師匠は、後輩3人をきっちり笑わせまくった後、真顔で言った。
「一心に患者に尽くせ。たった3年間や。ひたすら一生懸命患者に尽くせ。」

いまなら、この言葉がいかに重いかが分る。
一心に患者に尽くすこと。
外科医の宿命である。
しかし、私生活を投げ打ってまで、“尽くし切る”というのは、よほどの覚悟がなければ難しい。

私の見るところによれば、師匠の忙しさは、半端ではない。
“おれの理想は、一人でバラエティ番組を見ることや”と言うほど、彼に空いた時間はない。
それでも、彼は、患者に尽くしている。
今まで、多くの人たちと知り合ったが、私にとって彼は、相変わらず、最上の師のままでいる。
きっと、後輩らにとっても、外科医として生きていく上で、多いに刺激を受けたことだろう。

店を後にし、定番のマルビルのスターバックスへ。
その後、遠回りであるにもかかわらず、後輩3人を大学まで送りとどける。
最後、師匠が3人それぞれと握手し、別れた。