AFCアジアカップサッカー、イラクがサウジアラビアを1-0で降し初優勝 | 利根川清流川のり「桑屋」オフィシャルブログ

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 【ジャカルタ安間徹】サッカーのアジアカップは最終日の29日、当地のブンカルノ競
技場で決勝を行い、イラクがサウジアラビアを1―0で降し、6回目の出場で初優勝を果
たした。サウジアラビアは3大会ぶり4回目の優勝を目指したが、及ばなかった。
(中略)

 ○イラク1―0サウジアラビア●

 中東勢同士となった決勝は、堅守からの速攻で前半から押し気味に試合を進めたイラク
が競り勝った。後半26分、右CKを逆サイドに走り込んだユーニスが頭で押し込んで先
制。リードを守り切った。ユーニスは今大会通算4得点で、得点ランキングトップの日本
・高原、サウジアラビアのY・カハタニと並んだ。サウジアラビアは持ち味の得点力が影
を潜め、最後まで主導権を握れなかった。

 ◇

 後半26分、イラクがついに均衡を破った。右CKからふわりと浮かせたボールを、逆
サイドで待ち構えたエースFWユーニスが頭で押し込んだ。前半だけで5枚の警告が乱れ
飛ぶ激しい戦いになったが、序盤からゲームを支配していたのは、まぎれもなくイラクだ
った。

 今、イラクの治安は悪化の一途をたどっている。代表も混乱とは無縁ではない。大会前、
ユーニスや、GKノールは相次いで縁者を失った。協会スタッフの一人も開幕直前に、テ
ロに巻き込まれて亡くなったという。

 そんな中、04年のアテネ五輪で4強入り、昨年のドーハ・アジア大会で準優勝と、国
際舞台で活躍を続けるサッカーは国民の希望の光だった。そして両大会で活躍した選手が
中心となり、アジアのタイトルを初めて手にした。準決勝前は一時、アジア連盟の不手際
で31人の選手とスタッフに8部屋しか与えられなかったこともあったが、逆境に屈しな
い選手たちは精神的な動揺を押さえるだけのタフさがあった。

 25日に韓国を降し、初の決勝進出を決めた選手たちは、ピッチの上でイラク国旗を広
げて喜びを爆発させた。だが、その直後、バグダッドでは、通りに出て勝利を祝う多くの
若者が車爆弾による自爆テロの標的となり、50人以上が死亡するという悲しい事件も起
きていた。

 憎悪が連鎖する中でも、今春から指揮をとるブラジル人のビエイラ監督は「我々が国民
に幸せをもたらそう」と選手を励ましてきた。その思いは、伝わっただろうか。