我の力を侮ったものは己の魯鈍を呪い、失望の後、地獄で我の糧となるであろう。
そう、我こそは地獄より生み出され、世界の終焉を背負いし者。
暗黒邪神『砂時計』である。
第六天の王(魔王波旬は下僕)として君臨する我の元に、先刻、思わぬ強敵が現れた。
我の力を凌駕するほどの強敵だ。
だが、心配せずともよい。対するのが強者と言えども我の国語辞典(大辞林)に負けの文字はない。
何故なら、我は、未だ真の力を隠しているからだ!
我は地獄から生み出されて今日までの二千光年。一度も右目を開いたことがない。
そうなのだ……ないのだ。
我が右目は地獄の罪人の眼球を魔愚昧で四万年煮込み、殺された者たちの数多の怨念を練り込んで作った漆黒の透鏡により封印されている。
一度封印を解いて、我が魔怨邪黒眼(まえんじゃこくがん)を開放した時、世界は真の恐怖を知り、黒穴より深く、金剛より硬い後悔の念に取り憑かれるであろう。
だが、時はきた。
邪黒眼により、我の力はこれまでの10那由多倍となるのだ!!
さあ、ひれ伏すがよい!
邪眼!!!解放!!!
ターーーーッ!!!!
さあ、強敵(友)よ!覚悟するがよい!
邪眼に込められし愚かなる人間の狩魔(カルマ)を源とした、黒光速(ブラックライトスピード)を超越する攻撃を受けてみよ!
はっはっはっ!
我の勝利をしかと眼に焼き付けたか!フルパワーの我に敵などおらぬ。
数珠「それ冷凍コオロギやから、強敵(友)どころか最初から死んどるで!」
…………。
わ、我の名は暗黒邪神『砂時計』
せ、世界の、世界の終焉を背負いしもにょ…者。