イオンモールの駐車場で、三ヶ月に渡って開催されたさくらサーカスも今週で終わりです。孫娘Lちゃんと一回、美しい妻と一回、毎回その華やかさに魅了されました。一流の技もさることながら、会場の雰囲気に呑まれたのです。
広い駐車場にでんと張られた大きな桜色のテントは、それだけで期待感が膨らんできます。中に入ると色とりどりの煌びやかなライトが、会場全体を照らしています。まるで、別世界に迷い込んだ気分を醸し出します。
高い天井を見上げると、空中ブランコの足場や綱渡りのロープが、ライトの当たるたびにふわっと浮かび上がります。これから繰り広げられるサーカスが、非日常の夢の世界であることを実感します。
日常の暮らしで、こんな華々しい場面に出くわすことはありません。やはり、非日常を演出することが、サーカスの醍醐味であることは間違いありません。その光景に僕らは酔いしれるのです。
そうかと思うと、小学生くらいの子が「ポップコーンいかがですか」と、客席を回って売り歩いています。サーカス団の子供でしょうか。その子にとっては、このまばゆい光の世界が日常なのでしょう。
以前、ハワイで現地の人に「ハワイはいかがですか」と聞かれました。「地上の楽園です。楽園に住んで幸せですか」と聞き返したら、「住んでみると、そうとばかりはねえ」と答えました。非日常が日常になるということです。
同級生のRちゃんは、歌舞伎の義太夫をやってます。まだ若い頃、「華やかな歌舞伎の世界で生きるのは楽しい?」と聞いたら、「今はこなすことに精一杯かな」と語っていました。Rちゃんには舞台が日常というわけです。
僕らは日常の辛さを紛らわすため、非日常の楽しさを求めます。旅行しかり、スポーツしかり。観劇もライブもそうです。それでは、非日常の中で生きる人が、気を紛らす非日常の楽しみとは。屁理屈は楽しい。

