もうすぐ、孫娘Lちゃんがやって来ます。冬休みを利用しておじいちゃんに会いに来るのです。いいえ、お目当てはグランマのようです。LINEでビデオ通話をするたびに、「一緒にお菓子作ろうね」「うん!」と楽しそうです。
おじいちゃんが「一緒に煮物作ろうね」と促しても、「いいわ」とけんもほろろ。「いいわ」は、「良いわ」ではなく、「やりたくない」という意味です。グランマとお菓子は作りたい。おじいちゃんと煮物は作りたくない。
この差はどこから来るのか。おじいちゃんとしては、お菓子と煮物の違いだと思いたいです。お菓子は彩りも鮮やかです。なにより、甘いものを食べると、幸せホルモンのセロトニンが分泌されるとか。
でもおかしいな。セロトニンを分泌するにはアミノ酸が必要だから、大豆製品などを食べても幸せ物質は増えるはずです。つまり、煮物だってお菓子に負けないくらい幸せになれると思うんですが、何が違う。
幸せ物質の分泌を促すのは、食べ物が消化され吸収された時だけではありません。おいしいものを口に入れただけでも分泌します。煮物を頬張った時の出汁の旨みは、幸せいっぱいの味覚です。決して、甘みに引けを取りません。
孫娘Lちゃんから、クリスマスケーキの画像が送られて来ました。こぼれんばかりのクリームとイチゴの取り合わせが見事。添えられたクッキーは、可愛らしいサンタや雪だるま。みんなとても素敵です。
画像を見ているだけで、ほんわか幸せ気分が伝わって来ます。鮮やかな彩りを目で見ることからも、幸せ物質は分泌されるようです。茶色っぽさが目立つ煮物では、なかなかこうはいきません。ちょっと負けたかなぁ。
でも、本当は分かっています。お菓子と煮物の違いではありません。グランマとおじいちゃんの違いなのです。Lちゃん曰く「グランマ大好き、おじいちゃんうるさい!」明らかにミトコンドリアのせいだ。
