FUJITA'S BAR
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2009-09-30

9月の反省

テーマ:エッセイ

【今月行かなかった映画とその理由】


「TAJOMARU」

芥川龍之介の「藪の中」って、何年に一度は必ず映画化されますねえ。天海祐希の「MISTY」もヒドかったしなあ。黒澤明監督の「羅生門」も、結構トンデモ映画ですから。あれって、レイプした男が延々と言い訳する映画でしょ?小栗旬がズラをかぶると、オグリキャップですなあ、なんてダジャレを書くためだけに見に行くのも何だしなあ。


「キラー・ヴァージンロード」

これは見に行きたかったんですが、あっという間に終わってしまいました。…おいおい、そんなに慌てて嫁に行かんでもいいぜ、ねえちゃん。


「ココ・ヴァン・シャネル」

オドレイ・トトゥは好きな女優だけど、ブランド物に興味がないし、金もない。ビンボーな男には縁のない映画かなあと思って。


「女の子ものがたり」

男の子なもんで。


「火天の城」

建築バラエティ映画ってのも面白いかなって思ったんですが、南極料理と南極2号の方が魅力的だったもんで。


「精神」

見に行こうかと思ったんですが、ただ延々と撮るだけのドキュメント映画というのも、味気ないかなと。


「マーシャル博士の恐竜ランド」

ブログのサイドバーに広告が出てるけど、行くつもりはありません。つまんなそうだし。


「BALLAD」

原作者の追悼で行こうかとも思いましたが、やっぱりやめました。あの2人が主演じゃねえ…。しんちゃんがCGで立体映像で出てくれば面白いかもしれんが。


「ノーボーイズ・ノークライ」

新潟でロケしたそうなので、行かねばならんかと思ったけど、他に見たいのが色々あって。南極とか、南極とか、南極とか…。


「湾岸ミッドナイト」

会社の後輩が見に行って、すごく面白かったと言っていたので、つまんないんでしょう、きっと。





今月見に行った劇場映画は、全部で9本。累計は、63本になりました。


体調がよくないって言ってる割には、よく見てるなあって思います。まあ、生命の源なので。職場のストレスが高じて、現在は不眠に悩んでいます。内科で眠り薬を処方してもらって飲んでやっと眠れる状態なので、あまり芳しくありません。おかげでDVDを見る本数と、家で飲む酒の量が増えましたが(笑)。


もともと体力のある方ではないので、無理はいかんと思いながらも、ついがんばってしまう悪いくせがあるので、たぶん寿命は短いでしょう。視力も落ちてきたし、あちこちおかしくなってきたみたい。でも、字幕を読む力と、音声を聞く力と、映画館の階段を登る力があれば、何とか生きていける。楽しみがないと、男は生きていけんのだ。


シネウインドのH支配人がご病気だそうで、治療に専念するとのことで引退されたそうです。長い間、大変おつかれさまでした。最近行かなくなったけど、見たい映画を上映してくれたらまた行きますので、その時はよろしくお願いします。まあ、俺のことなんてもう誰も覚えていないだろうけど。これからは、I さんがリーダーですね。どうかがんばって下さい。影ながら応援しています。


それから、「ゴースト」に出演していたパトリック・スエイズが亡くなったそうです。ああ、ホントにゴーストになってしまったんですねえ。コインがひとりでに動いたら、きっと彼の仕業です…ううむ、新しいコックリさんが流行ったりして。ご冥福をお祈りします。




今年もあと3々月になりました。ブログは、おかげさまで何とか続いています。年のせいもあるので時々休んだりしてますが、一応まだ元気です。できるだけたくさんの映画を見て、自分のスタイルで記録に残していけたらと思っています。


生きている以上、いいことも悪いこともある。10月も、マイペースでがんばりたいと思います。どうぞよろしく。






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2009-09-29

空気人形

テーマ:アニメ・特撮

夢もロマンも、オッパイも膨らんでいく。 …空気とともに、熱い情熱を注入せよ!


「南極料理人」の公開に合わせたのかどうかはわかりませんが、南極といえば、ダッチワイフは必需品でしょう。この2本が同時期に公開されるのは、きっと何か深い意味がある!これは、映画熱としては見逃せない組み合わせと言えるでしょう。R15なので、中学生以下はガマンせよ。


原作は、業田良家の同名短編マンガ。監督・脚本は、是枝裕和。出演は、ペ・ドゥナ、ARATA、板尾創路、オダギリジョー、高橋昌也、富司純子、岩松了、星野真理、余貴美子、柄本佑、寺島進。


さて、映画ですが、シュールでエロい作品に仕上がりました。露骨な場面もありますが、全体的にソフトタッチ。これなら、女性のみなさんにも共感を得られるのではないかと思います。ただ、カップルで見に行く際には、くれぐれもご注意。デートの後で、怪しげなプレイを要求されるかもしれないから。


主人公は、一人暮らしのおっさん。彼の唯一の楽しみは、愛用のダッチワイフとともに恍惚の時間を過ごすことであった。ところがある日、“彼女”に異変が起きた。人形であるはずの体が、何と人間の肉体へと変身してしまう。自分の意志に目覚めた彼女は、次々に行動を起こしていく…。




主演は、韓国女優のペ・ドゥナ。おお、「ほえる犬は噛まない」の黄色いパーカーのお姉ちゃんですね。「子猫をお願い」「リンダリンダリンダ」「グエムル」といった作品では、清純派としてのイメージが強いかもしれませんが、「リング」(韓国版)で貞子役としてデビューした時にはすでに入浴シーンもあったし、「復讐者に憐れみを」ではSEXシーンも堂々と演じて、脱ぎっぷりのいい女優さんです。そして本作では、愛玩具を瑞々しく演じています。美人ではないけど、ポッチャリ系の人形スマイルと、スレンダーなボディをじっくりと堪能しましょう。


おっさん役は、板尾創路。あ~ええでんなあ。こういうオヤジを演じたら最強かもしれんなあ。社会人としては普通で温厚で大人しいおっちゃん。プライベートな時間は、自分のひそやかな幸せに浸る男…いい人じゃないですか。こういうおっさんは、一緒に飲むときっと楽しいぞ。それなのに、ああそれなのに…。


“彼女”が恋をする青年を演じるのは、ARATA。「ワンダフルライフ」でも好演していたので、きっと是枝監督が気に入った俳優なんでしょう。たしか「ピンポン」のメガネ男子も彼でしたよね。独特の雰囲気を持った、物静かな男。頭よさそうで、心優しい男。でも、どこか淋しい感じのする男…う~、こういうタイプってモテるんだろうなあ。本人の意志とは関係なしに。


青年が働いているレンタルビデオショップの店長を演じるのは、若松了。うっわ~、絶妙なキャスティングですこと。このおっちゃんもいいねえ。いい人何だか悪い人なんだかよくわからんところが面白い。お客に質問されてオススメしたDVDのタイトルが、俺が思ったのとカブったのには爆笑でした。


意表をついた出演者としては、オダギリジョーも味わい深かった。どんな役柄なのかは、劇場で見てのお楽しみ。中盤で登場しますので、女性ファンはご注目。彼の、つかみどころのない飄々とした演技は、本作にピッタリだと思います。やっぱり、監督のセンスかな。


サブキャラも、楽しい人たちがいっぱい。本編と関係ないような人でも、どこかで深いところでつながっているような感じがするのも、それはそれで感慨深いもの。みんな、是枝ワールドの住人として、1つの有機体を構成しているかのようです。その息づかいを、肌で感じてみて下さい。




ダッチワイフという存在を知ったのは、確か中学生の頃だったかと思います。エロ漫画雑誌の広告によくあるアレですね。人造人間とか、ラブリードールとか、色んな名前がありましたなあ。“南極探検隊も愛用”なんていうキャッチコピーがありましたな。これ読んで、おお、南極に行くと支給されるのかと思ったものです(笑)。


高校生の頃に、通信販売で3500円くらいのものを買ったのが最初でした。どんなにデカい荷物が届くのかとドキドキしたもんですが、少年ジャンプくらいの薄っぺらい封筒に入っていたのを見て仰天。開けてみると、中に入っていたのは浮き輪のようなシロモノ。え~、これかよって感じ。


でもせっかく買ったので、空気穴から息をぷうぷう吹き込むと、あらら、次第に女体が膨らんでいく!今の感覚で言うと、夜店で売っている仮面ライダーみたいな風船人形みたいなもんかな。一応、胸らしきものもついているし、然るべきところに穴もあいている(爆笑)。多感な桑畑少年は、そのあり余るイマジネーションで、その人形を抱きしめた!


するとどうでしょう、実に不思議な感覚を覚えたものです。女の子とロクに口もきけないような男が、初めて味わう、妙な安心感…ううむ、我ながらヘンタイだなあって思う。書いていて恥ずかしくなりますが、本当のことだからしょうがない。 …だから、板尾のおっちゃんが他人に思えない。


その後、20代になって一人暮らしをした時には、もっと高いやつを買いました。今度は、ソフトスポンジ製。でも、色がだんだん変色していくんですね。寿命は短かった。その時点で、ダッチは卒業しました。で、25歳でようやく本物の女体を抱きしめることができました。 …初めてだけど、3人目の彼女(爆笑)!




告白はさておき、世の中には、女性に縁がない淋しい男性がいっぱいいます。彼らにとっての“彼女”は、特別な存在。まあ、誰にも迷惑かけていないし、それで性欲処理ができるならいいじゃんって思います。少なくとも、性犯罪に走るよりはずっといい。デカいフィギュアだと思えば問題なし。


しかし、これを人形側から見たらどうか?ううむ、それは盲点だなあ。この映画を見ていると、何だかダッチ供養をしなくちゃならんような気分になってしまうような…ってそれは考えすぎか。


でも、存在理由から考えれば、それはそれで仕方がないことなのかもしれない。人形が人間として生きるには、人形である自分を捨てねばならない。ピノキオにはピノキオの悩みがあるし、人魚姫には人魚姫の悩みがあるのだ。ある一線を越えるのには、覚悟というものが必要なのだ。




本作の“彼女”は、冒険の旅に出ます。自分とは何なのか。本当の居場所は何処なのか。着地点を目指して、心の旅をします。その姿は、我々人間の姿とおんなじ。誰もが、自分の心と向き合いながらも、懸命に生きている。だから、何とか彼女に幸せをつかんでもらいたくなる。応援したくなる。 …ああ、変な映画。


人形には魂が宿ると言います。毎日かわいがっていれば、何かしらのパワーが蓄積されていくもの。空気とともに、愛情も吹き込まれた人形は、いつしか命を持つのかもしれない。その時、主人の愛に応えようとするかもしれないし、他の男に走るかもしれない。だから、ダッチ愛好家のみなさんは、心をこめて大切に扱いましょう。…っていうか、それくらいの人格があれば、充分に生身の女を愛せますよ。だから、その時のための練習ってことで。


あ、でも、劇場にダッチを連れて行くのだけはご遠慮下さい。そういう人限定の試写会を劇場が主催すればいいけど、それはないか。やったらスゴイと思うけどなあ、どうでしょう?


男には、ロマンが必要である。好きなことに夢中になるのはいいことだ。自分の趣味に誇りと生きがいを持つべし。人間だったら友達だけど、ロボットだから、ロボダッチ。人形メーカーの皆様、日本の最高技術を駆使した究極のダッチワイフを開発して下さいね。よろしくお願いします。


…さあ、男たちよ、期待と下半身を膨らませて、劇場に直行だ!





【鑑賞メモ】

鑑賞日:9月27日 劇場:ユナイテッドシネマ新潟 11:15の回 観客:約40人

「南極料理人」の翌日に見に行きました(笑)。 …うわっはっは、どうだ、まいったか!


【上映時間とワンポイント】

1時間56分。画面をよく見ると、人形なのに胸が呼吸して動いているのがよくわかります。必死に人形になろうとしている“彼女”がエロカワイイ。パンフの表紙もかなりエロいですなあ。29歳の美しい肢体よ、永遠なれ。


【オススメ類似作品】


「ワンダフルライフ」 (1998年東宝)

監督・脚本:是枝裕和、出演:ARATA。死者たちが旅立つ時に見せる、最後の映画を製作する仕事をする人たちの物語。不思議な作品ですが、とてもいい映画です。本作でARATA君に興味を持った人は、ぜひご覧下さい。


「ラブ&ポップ」 (1998年)

監督:庵野秀明、原作:村上龍、出演:三輪明日美。援助交際をテーマにした、女子高生たちの物語。『…私は、金で時間を買われた女。』 という感じのセリフがとても印象的でした。手塚とおるの怪演が爆笑。


「ほえる犬は噛まない」 (2000年韓国)

監督・脚本:ポン・ジュノ、出演:ペ・ドゥナ。やっぱり、彼女の最高傑作はコレだと思います。女の子は、がんばる時は黄色いパーカーを着用するのだ。わんこの命を守るために、勇気を振り絞れ!ドアにぶつかって倒れる場面の美しさは、映画史上に残る名シーンでした。 …粋なねえちゃん、鼻血ブー!





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2009-09-28

南極料理人

テーマ:邦画

冷え切った心を温めるのは、おいしい料理に込められた、情熱の炎。


原作は、実際に南極観測隊で料理を担当していた西村淳の著書「面白南極料理人」。監督・脚本は、沖田修一。フードスタイリストは、飯島奈美。主題歌を歌うのは、ユニコーン。


出演は、堺雅人、生瀬勝久、きたろう、豊原功輔、高良健吾、古舘寛治、黒田大輔、小浜正寛、西田尚美、小野花梨、小出早織、宇梶剛士、嶋田久作。


さて、映画ですが、シンプルでありながらダイナミックな作品に仕上がりました。これは、深い映画です。苦悩した人ほど、感じる世界があるんじゃないでしょうか。俺は見ていて、何だかホロリとしちゃいました。おっさんたちの真剣な戦いぶりを、よく見ておこう!


1997年、海上保安庁から南極観測隊の料理人として単身赴任することになり、1人の男がドームふじ基地にやって来た。そこは、標高3810m、平均気温-54℃の世界。ペンギンやアザラシはおろか、ウイルスさえも存在しない不毛の大地。閉鎖された空間で、8人の男たちの精神が次第に暴走していく…。




主演は、絶好調の堺雅人。本人の意志とは関係なく、無理矢理ここに連れてこられた役柄というだけあって、いっぱいいっぱいな感じが笑えました。細かい微妙な表情を、よくご覧下さい。「ジェネラル・ルージュの凱旋」よりは、「ジャージの二人」のキャラに近いかも。さあ、彼と一緒に未知の世界へ行きましょう。


ベテランの雪氷学者を演じるのは、生瀬勝久。堺君と「やさぐれぱんだ」シリーズでずっと共演してるから、信頼関係は抜群でしょう。真面目でシブいおっさん役が、ピタリとハマってカッコいい。8人の中では、一番しっかりした男。こういうハードボイルドなオヤジって、味わい深い。憧れるなあ。


気象学者を演じるのは、きたろう。温厚で地味な役柄なので、中盤までずーっと存在感がなかったんだけど、ある瞬間だけ突然主役になります。いいセリフだったなあ。俺、何だかジーンときちゃった(笑)。オヤジの“溜め”のパワーを甘く見たらアカンで。


ドクターを演じるのは、豊原功輔。いっつも酒ばっかり飲んでいるので、「宇宙戦艦ヤマト」の佐渡先生みたいです。やっぱり、飲まなきゃやってらんないんだろうなあ。彼が一番、この状況を楽しんでいるように思えました。こういうくだけた男が1人くらいいた方が、チームがうまくいくもんなんですよね。


今回注目したいのは、高良健吾。彼は、「M」や「ハゲタカ」ではパッとしませんでしたが、俺的には本作でブレイク。この兄ちゃん、今回はなかなかよかった。大学院生ということらしいので、8人の中では最年少。ああ、何てカワイイ兄ちゃんなんだろう。コイツは、観客のオネエサマ方の心を、しっかりと掴んだと思う。「蛇にピアス」のぶっ飛んだ兄ちゃんよりも、こっちの方がイケてる。職場にこんな男の子がいたら、俺、かわいがっちゃうな。


この映画は、固定観念を排除して見るといいと思います。俺は、ほとんど予備知識なしで見たので、とても刺激的でした。これは、友達と行くのもよし、恋人と行くもよし、親子でも、上司と部下でもよし。ケンカ中のお二人も、この映画で仲直りできるかも。そして、じっくり見たい人は、ぜひ1人で行きましょう。映画館に単身赴任ってことで。




自分の心をコントロールするのって、簡単じゃない。普段の生活圏内であれば、たまったストレスを発散する手段もあるでしょうが、閉ざされた空間であったらどうなるのか。限られた条件の中で、正気を保つのがいかに大変なことかが、本作を見るとよくわかります。


人は、閉鎖された空間に長時間いると、イライラしてくるものです。何気ない小さなことが火種となり、ある瞬間に憎悪の力に変換され、凶暴なパワーになっていく。そうなると、コントロールできなくなっていくからコワい。自分が暴走していくのがわかっているに、止めることのできない恐怖…わかる人にはわかりますよね。


本作は、前編ユルいギャグで構成されているように見えますが、俺は、ワンシーンごとに深いテーマを感じました。それは、作り手が意識していない部分なのかもしれない。だけど、人間に共通する素材であるからこそ、観客の心とシンクロするんでしょう、たぶん。それもまた、映画の魅力の1つですから。


人間の心は、いつも同じ状態じゃない。さっきまで機嫌がよかった人も、次の瞬間にはブチ切れる。鈍感な人にはわからない。だけど、敏感な人であっても、どうすることもできないんです。気がついているのに、何もしてあげられない。ホントは、そっちの方がもっとつらい。


大人であっても、子供であっても、心の根幹はみんなおんなじ。つまんないことで怒る時があれば、小さなことがきっかけで立ち直る時もある。コドモは大泣きして発散できても、大人はなかなかそういうわけにはいかない。だから、我慢しすぎて病気になってしまうんですね。




いい大人なんだから、とよく言われるけど、それは建前。実際の大人は、みんな苦悩しているんです。コドモがコドモであることを悩むのと同様、オトナもオトナであることを悩んでいるんです。


だから、大人のみなさんは、自分の心の中にいるコドモの部分と真摯に向き合いましょう。映画は、そういう部分で気づかせてくれます。そこから、生きることを楽しむヒントが見つかるでしょう。


おいしいものを食べると、元気が出る。心に染みるような温かさの秘密は何か。心を込めて作る人と、感謝して味わってくれる人。仕事をしている、ということは、誰かの役に立っているということなんです。


自分の人生は、自分で楽しくしていくべきもの。人からしてもらえることには限りがある。毎日が面白くなかったら、面白くする工夫や努力をしてみよう。悪い方向に考えてばかりいても、つまんない時間が流れていくだけ。そんなの、もったいないもんね。


誰もが、色んな問題を抱えて戦っている。それでも、生きていくために働く。泣いて笑って、今日も仕事する。働くおじさんはエライのだ。 …遠い地の果てで奮闘する、8人のサムライたちに栄光あれ!





【鑑賞メモ】

鑑賞日:9月26日 劇場:ワーナーマイカル新潟 19:15の回 観客:約30人

またしても1番スクリーンでした。カムイよりは多かったかな。


【上映時間とワンポイント】

2時間5分。エンドロールでは、オマケ映像が出ます。ぜひ最後の最後までご覧下さい。


【オススメ類似作品】


「刑務所の中」 (2002年ビーワイルド)

監督:崔洋一、原作:花輪和一、出演:山崎務。貴重な服役体験をもとに描いたマンガをもとに映画化。本作を見て、真っ先に思い出したのはコレです。ムショって結構快適なんですねえ、外に出られないという点を除けば。料理が細かく描写されているのがスゴい。『…願いま~す!』っていうセリフが印象的でした。


「ジャージの二人」 (2008年ザナドゥー)

監督:中村義洋、原作:長嶋有、出演:堺雅人。いい歳をした父親と息子が、別荘である山荘で夏を過ごす物語。ユニフォームであるジャージを着る時の効果音とBGMが爆笑です。寡黙で繊細な青年を演じる堺君のキャラが、本作に通じていると思います。イライラしながらも、つい笑顔をつくってしまうのって、何だか泣けてくるよなあ。


「しあわせのかおり」 (2008年東映)

監督・脚本:三原光尋、出演:中谷美紀。おいしい料理には、ちゃんと理由がある。キメ細かく丁寧に料理された、おいしい映画です。匂いが漂ってくるかのような、ぬくもりとやさしさを味わって下さい。




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2009-09-23

カムイ外伝

テーマ:アニメ・特撮

掟に忠実になりすぎるのも、考えもんだなあと思いました。 …逃げるが勝ちだ、ぶっ壊せ!


原作は、白土三平の名作マンガ。映画の内容は、アニメ版の第21~26話にあたります。これは、アニメ放映時、原作の本数が足りなかったために、原作者が特別に書き下ろしたオリジナルストーリーだそうな。マンガではこの13年後に、単行本4~5巻にあたる「スガルの島」編として発表されています。


監督は、崔洋一、脚本は、宮藤官九郎、殺陣指導は、高瀬将嗣、撮影は、江崎朋生、音楽は、岩代太郎、主題歌を歌うのは、倖田來未。


出演は、松山ケンイチ、小雪、小林薫、大後寿々花、佐藤浩市、伊藤英明、イーキン・チェン、土屋アンナ、芦名星、金井勇太、PANTA、隆大介、団時朗。ナレーションは、山崎務。


さて、映画ですが、基本的に原作にかなり忠実に作られています。だからといっては何ですが、映画的に変な部分も多い。熱狂的な原作ファンの人であればあるほど、怒り狂う人もいるかも。これはまた、色んな意味で手強い映画の登場です。これから見に行く人は、覚悟して臨むべし。


今から約350年前の徳川時代初期。非人ゆえに忍びとなったカムイは、その忍びの社会から抜忍(ぬけにん)としてあくなき追求を受ける身であった。逃れることが、生きるということなのか。次々と襲い掛かる追忍を撃退しながら必死で生き抜くカムイは、ある日、半兵衛という男に出会う。彼の奇妙な行動の理由は何か。そして彼の妻の正体は…?


この映画はどんな映画ですかと聞かれたら、変な映画です、と応えましょう。原作やアニメを知らない人にとっては、トンデモな場面の連続だから。だって、もともと白土先生の画風自体、ぶっ飛んだ展開が多いんだもん(笑)。それをそのまんまやったら、若い世代は理解不可能でしょう。だからこの映画は、色んな意味でハードルが高いのだ。安易なデートで利用しようと思うなかれ、ヤケドするぜ。




主演は、松山ケンイチ。「デスノート」「デトロイト・メタルシティ」「銭ゲバ」など、マンガ原作の主人公を次々と演じて絶好調の彼が今回挑んだのが、忍者カムイ。細身で色白で孤独感が漂う彼の容姿は、期待させるに充分。ただねえ、俺的にはちょっと弱そうかな…と。最下層の身分から命がけで這い上がってきた男というのは、もっとギラギラしていてもよさそうなもんだと思うんですが。見ていて何だか、部活の練習でくたびれた男子って感じに見えました。カラダもキレイで、いいもん食ってそうですねえ(笑)。


彼がクラウザーを演じた時の殺気は凄かった。エルを演じた時のクールさもよかった。銭を恨んだ時の憎しみの表情もよかった。でも今回は、そうとう悩んで演じたみたい。そのオーラが、いい意味で発揮できればいいんだけどね。


スガルを演じるのは、小雪。彼女は、アニメ版のスガルに似ているような気がする。睨みつける表情もなかなか。もともとモデルだから、着物は似合うし、立ち姿も美しい。でも、アクションがちょっとなあ。大柄なせいなのか、身のこなしがどうも重そうで鈍く、俊敏さに欠ける気がする。無理にバック宙返りしろとは言わんけど、もう少し忍者らしくならんもんか。どちらかといえば、ナギナタを持って戦うお姫様の役柄の方が似合うと思う。


当初キャスティングされていて、ケガで降板した菊池凛子は、どちらかというと、マンガ版のスガルのイメージでイケるように思う。アニメはともかく、実写映画だから、あんまり美人だとかえって嘘くさくなっちゃうような気がするんですね。ちなみにマンガでは、いきなりレイプシーンから始まるので、凛ちゃんなら問題なし。何ていったって、「バベル」では股間ヘアまで露出した女優さんだから、もう隠すところはない!女忍者の抜忍が生き抜くことの過酷さを、カラダを張って演じてくれたことでしょう。それはそれで見たいもんです。


スガルの娘、サヤカを演じるのは、大後寿々花。彼女はまだ16歳の女優さんなので、さすがに脱ぐわけにはいかないでしょうが、カムイを介抱する場面で、胸元だけチラリと見せてくれます。キミは小雪よりエラい!寿々花ファンはお見逃しなく。彼女のいたいけな視線と仕草は、男の魂を刺激する。彼女は、子役出身の女優の中でも、ひときわ色気を感じさせる役者だと思う。(ちなみに、アニメ版のサヤカはしっかり脱いでます)


一方、小雪は絶対に肌を見せないと決めて撮影に臨んでいるかのようです。猟師の妻なのに、着衣水泳ばっかりというのも不自然なものですが、アニメ版がそうなので、これはしょうがない。マンガ版で映画化しちゃうと、R指定になっちゃうもんね。それはそれで見たいけど。


もしかしたらスガルは、全身に入れ墨をしていて、ヤクザな身分がバレるのを恐れているのかもしれない。高倉健の「夜叉」みたいに。うん、そういうことにしよう。濡れたままの服を着ているとカゼをひくから、海から上がったらすぐに着替えて下さいね。


出演者の中で一番面白かったのは、半兵衛を演じた小林薫です。役柄は、素朴でありながら謎めいた男。哀しみを胸に秘めているようでありながら、物事を明るく笑い飛ばす表情に、深みというものを感じました。味のあるいい役者さんですね。殺気立って高揚しているカムイの心を、フッとやわらげてくれる不思議な男。やさしくもあり、厳しくもある。そしてイタズラっぽい笑顔…なかなかいいオヤジキャラです。


悪役では、松山藩藩主を演じた佐藤浩市が楽しそうでした。彼はやっぱり、ダークな役柄の方が映えますね。出番があまりないのでちょっと惜しかったですが、彼だったら、もっと暴走したワルも充分演じられたと思います。側近の隆大介が、まさに絶妙なポジション。い~い組み合わせです。ただし、土屋アンナはいなくてもよかったかな。「天と地と」の浅野温子くらい目障りだったように思う。


謎の忍者、不動を演じるのは、伊藤英明。長身で細身でありながらガッシリしている彼は、忍びの姿がよく似合う。この雰囲気は、「スキヤキウエスタン・ジャンゴ」を思い出しますね。彼の青くさいさわやかな笑顔は、見れば見るほど怪しくて笑えました。貫禄は今ひとつですが、松山カムイとのバランスはいいかも。




崔洋一監督は、ワイヤーやVFXを極力嫌ったそうです。『…カムイがスパイダーマン並みの動きをしてしまってはダメなんです。』(パンフ記事より) それで映画では、生身の実践的なアクションに力を入れることになったそうな。だから、CGを使った夙流変移抜刀霞斬りのシーンは、あんまりカッコよくなかったんですね。どうせなら、一切CGを使わないというくらい徹底的にやった方がよかったかも。中途半端にアナログだと、観客も忙しいもんね。


パンフには、原作者の白土三平氏のコメントも掲載されていました。『…崔監督には、本当にご苦労様と言いたい。「スガルの島」という1つの物語をベースに、「カムイ伝」の世界全体を描こうという試みが、いかに大変なことかがよくわかる。』 …まあ、そのくらいしか言えないか(笑)。


本作を見た後で、改めてアニメ版のスガル編を見て、マンガ版も読み直しました。アニメにはアニメの、マンガにはマンガのよさがある。では、映画版のよさは何か。それは、“生身のカムイ”を表現しようとした姿勢にあると思う。実写映画でしか表現できない部分が、絶対にあるのだ。だから俺は、この映画を否定しない。カムイというキャラクターを劇場のスクリーンに登場させた、崔監督の功績を素直に讃えたい。鮫アクションも、なかなか爆笑でしたよ。




前半部分では、カムイの少年時代の場面も登場するので、崔監督は、カムイが戦う理由を説明したかったのかもしれない。でも個人的には、無理な感じがしました。物語の根幹にあたる部分は、数分で説明できるほど軽いものじゃないから。むしろ、出し惜しみをして、フラッシュバック的に処理した方が効果的かもしれない。


何故彼は忍びになったのか。何故抜忍になったのか。恵まれた人生を生きている人ほど、彼の行動が理解できないかもしれない。人の心の闇は、一言で説明できるほど薄っぺらなシロモノじゃないから。


崔監督が、この映画に込めたメッセージは何か。生き抜くために、自分と向き合い、現実と向き合うことが必要な世の中において、“逃げる”ということが何を意味するのか。掟に縛られすぎて、掟の中に逃げているのは、一体誰なのか。




原作の5巻74ページに、こんな言葉があります。(カムイが、鋼の網に捕らえられて海に沈んだ場面にて)


『…忍びにとってまず大切なのは、持って生まれた才能や技よりも、いついかなる時にも冷静でいられる心の修練である。己の命の絶たれるその瞬間まで、あらゆる努力を放棄せず、どのような機会をも逃さぬ意志の力を持ち続けることが出来なければ、忍びとして生きながらえることは出来ない。』




生きている以上、予期せぬことがある。信じていたことに裏切られることがある。立場が逆転することもある。昨日の敵が、今日の味方になることだってある。世の中、きれいごとばかりじゃない。杓子定規にものを構えても、割り切れないことはいっぱいある。


人は、他者の存在なしには生きていけない。カムイは、どんなにひどい目に遭っても、人の心を失いたくないと思って戦っているのだ。『…恐るべきは、何者も信じられぬ己の心の中にこそあるのかもしれない。』 (4巻12ページより)


つまらん掟なら、思い切って破ってしまった方がいい時もある。死んだつもりで行動したら、生きる道が開けることもある。逃げるが勝ちって言葉もある。古い殻を破壊したら、今度は自分のルールで戦えばいい。懸命に生きた人でなければ、懸命に生きている人の気持ちはわからないし、自分が乗り越えた分だけしか、人は優しくなれないのだから。


カムイに学べ。カムイと共に悩み、カムイと走れ。自分の弱い心に背を向けるな。本能の命じるままに、自分の進むべき道を駆け抜けろ!




今日もまた太陽は昇り、川は流れる。


忍びの世界には、何人もおかすことのできない掟がある。その掟を破る者には、ただ、死あるのみ。


だが、ここに一人の男があった。


太陽のきらめきも、月光の透明も一瞬、死の伴奏と変わるその宿命を、自ら選び貫いていく者。


…カムイ、忍者、カムイ! (映画を見た翌日に、カラオケで熱唱しました!)





【鑑賞メモ】

鑑賞日:9月19日 劇場:ワーナーマイカル新潟 21:20の回 観客:約20人

580人も収容できるデカい劇場なのに、エラい少なかったです。初日なのに…。


【上映時間とワンポイント】

2時間。エンディングテーマは、ヘンデルの歌劇「リナルド」の「アリア」を、岩代太郎が編曲した歌が使用されています。できれば、「忍びのテーマ」が聞きたかったけどね。白土三平公認のカムイ外伝サイフが、限定2000点で販売されているそうな。値段はなんと、34000円!うっはー、やっぱりビンボー人には買えんわ。


【オススメ類似作品】


「忍風カムイ外伝」 TVアニメシリーズ 第21話「女左衛門」 第22話「一白」 第23話「双忍」 第24話「鮫殺し」 第25話「月日貝」 第26話(最終回)「十文字霞くずし」 (1969年フジテレビ)

監修:小林利雄、脚本:田代淳二、声の出演:中田浩二。

アニメ版のスガルは、胸元が少し見えます。サヤカは、月日貝をとる場面で、しっかり脱いでくれます(くどいなあ)。最終回は、驚愕のラストが。映画版とくらべてみて下さい。


「カムイ外伝 月日貝の巻」 (1969年東宝)

監修:松本美樹、演出:近藤啓祐、声の出演:中田浩二。

上記のエピソードを、1時間28分に編集した劇場版。スガルの声を担当した二階堂有希子は、旧ルパンの不二子ちゃんの人ですね。


「カムイ外伝」 原作コミック第4巻「スガルの島①」 第5巻「スガルの島②」 (小学館)

俺的には、マンガ版が一番好きです。健全なエロがあるからこそ、くの一の凄さがわかるというもの。スガルとサヤカが、添い寝してカムイの体を暖める場面は最高ッス!





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2009-09-22

ウルヴァリン X-MEN ZERO

テーマ:洋画

能ある鷹は、爪を隠すのだ。 …オオ神よ、彼を救い給え、ジャッキーン!


「X-MEN」 シリーズの主役、ウルヴァリンに焦点を当てたスピンオフ映画が登場。監督は、ギャヴィン・フッド、脚本は、デヴィッド・ベニオフ&スキップ・ウッズ、撮影は、ドナルド・M・マカルパイン、音楽は、ハリー・グレッグソン・ウィリアムズ。


出演は、ヒュー・ジャックマン、リーヴ・シュレイバー、ダニー・ヒューストン、リン・コリンズ、テイラー・キッチュ、ライアン・レイノルズ、ティム・ポコック、ターニャ・トッティ。


さて、映画ですが、ハリウッド怪人まつりとして充分楽しめる作品に仕上がりました。やっぱりアメリカの特撮技術はカッコいい!刃物フェチと、胸毛ファンの人たちにオススメします。狼たちよ、群れで劇場へ向かえ!


幼い頃から病弱だったローガン少年は、父親を殺されたショックが引き金となり、初めて自分の異常な能力を体験する。兄ビクターと共に失踪し、青年に成長したローガンは、軍隊に入隊、数々の戦場において功績を立てていく。しかし彼らの能力は、ある組織に目をつけられてしまい…。


主演はもちろん、ヒュー・ジャックマン。「X-MEN」 1作目の時は青くさい兄ちゃんでしたが、今ではグッとシブい中年になりました。今回は、ウルヴァリンの誕生秘話。若かりし頃の方が老けてますが、それは気にしちゃいけません。特殊能力を持った男なんだから、ベンジャミン・バトン現象とかいろいろあるんだろ。テキトーに理由つけちゃえ!


兄であり、敵であるビクターを演じるのは、リーヴ・シュレイバー。彼は、いいカオしてまんなあ。動物系の骨格がこの役柄にピッタシ。狼というよりはゴリラ系だと思いますが、腹黒いワルのオーラを放っている。お人よしのウルヴァリンを、これでもかこれでもかとイジメ抜く姿は、観客の憎悪を惹きつけるポジションとして充分な働きをしています。 …いよっ、兄さん、粋だねえ。屋台でヒヤ酒でも一杯どうだ?


ヒロインのケイラを演じるのは、リン・コリンズ。傷心のウル君を癒す、行きずりの女をユル演しています。さほど美人でもない地味な女なので、ある意味どうなってもいいキャラに見えますが、さて彼女の運命は?


“悪役”ストライカーは、ズル賢い中間管理職のおっさんといった感じで、なかなかよろしい。転んでもタダで起きないようなしたたかさには、学ぶものがある。うーむ、今の世の中、これくらいのしぶとさが必要なのかなあ。


囚われの怪人少年の中には、サイクロップス君もいました。演じるのは、ティム・ポコック。やっぱりこの役は、ほっそりした面長の男の子がいいみたいですね。ヒュー・ジャックマンと同じく、オーストラリア出身らしい。




映画は、怪人軍団を率いる謎の組織と、改造手術を受けている途中で逃げ出す“裏切り者”との戦いを描く。これって、仮面ライダーとショッカーの関係とおんなじですね。『…せっかく特別待遇してやったのに、恩を仇で返しやがって、お前の生きる場所はここしかねえんだよ!』 『…うるせえ、オレは自由に生きるんだ!テメエらまとめてぶっ殺してやるから覚悟しやがれ!』 (註:そんなセリフはありません)


改造する方もする方で、あからさまなウソを並べて騙して、手際が悪いわ、マヌケなミスなするわでヒヤヒヤ。改造される方もされる方で、テキトーな説得で素直にしたがってしまうこの純粋さ。ウル君、それじゃあインチキクリニックのセンセイに、チンコをデカくしてあげるよって言われてダマされたのと変わんないよ。双方とも、ツメが甘かったね…なんてウマいこと言ってる場合じゃないぞ。


というわけで、読者のみなさんは、変てこな改造手術に誘われても、安易に従わないように気をつけましょう。光輝くスーパーチンコとか、オッパイマシンガンとか。(誰もやらねーよ)




“変身願望”というのは、誰にでもあるもの。こんな能力があったらいいなって。だけど、実際にその能力が備わったらどうする?今までとおんなじ生活はできなくなるし、友達とも同じ付き合いはできなくなる。X-MENたちがカッコいいのは、優れた身体能力だけでなく、重い孤独を背負っているその心なのだ。ヒーローは、覚悟がなくちゃなれんのだ。


仮面ライダーの変身ベルトをオモチャ屋で買ってきて装着して変身ポーズをとっても、なかなか変身できないでしょ。それは、キミの心がまだヒーローになりきれていないからなんだよ。正義のために命を捧げる覚悟のある者だけが、変身ヒーローになれるのだ。弱い者イジメなんかしてる奴らは、一生ヒーローにはなれねえ。弱い者を守り、強い者に立ち向かえ。それが男だ!


つらい目に遭った者、苦労して傷ついた者の心には、知らず知らずのうちにパワーが蓄えられていく。それは、自分でも気づかぬうちにどんどん大きくなるのだ。その強大な力を、つまらんことに使っちゃいかんのだ。自分と同じように苦しんでいる者を救うために、その力がある。


ウルヴァリンは、孤独を愛する男ではなく、孤独にならざるを得なかった男。人を信じたいのに、信じ切れない理由のある男。その境遇にあってこそ、開化する能力もあるのだ。不幸な出来事を、意味のあることとして昇華させることで、新たに生まれる力だってある。俺は、そう信じたい。


能ある鷹は、爪を隠すと言う。本当の強さは、心の中に宿る。男たちよ、牙を失うなかれ。戦うべき時が来たら、キミの力で多くの人を救ってくれ。その日のために、今日の屈辱に耐えよ。流した涙は、明日の勝利という名の源流へと向かうのだ。


自分が人と違うと思っても、その個性を安易に捨てるなかれ。自分にしかできない、大きな仕事をする時が来るまで、輝きを見失うな。弱い者の気持ちがわかる者こそが、真のヒーローになれる。迷うことなく、自分の道を突き進め。


一匹狼は強い。それだけに、群れたら最強なのだ。 …ウルヴァリンと共に、戦う勇者よ来たれ!





【鑑賞メモ】

鑑賞日:9月17日 劇場:ワーナーマイカル県央 21:30の回 観客:約10人

ポイントカードがたまったので、無料鑑賞できました。


【上映時間とワンポイント】

1時間49分。ウルヴァリンという名の由来は、ヒロインとの出会いに関係あり。2人のシーンにご注目。


【オススメ類似作品】


「X-MEN」 シリーズ

とりあえず、未見の人は押さえておきましょう。本作を見てからシリーズを見ると、若返ったウルヴァリンが笑えるかもしれんが、驚異的な再生能力を備えた男なので、老化現象も克服したんでしょう、きっと。ローガン(老眼)という名前ともオサラバです、はい。


「若き勇者たち」 (1984年アメリカ)

監督:ジョン・ミリアス、原作:ケビン・レイノルズ、出演:パトリック・スウェイズ。

本作と全く関係ない映画ですが、ウルヴァリンというチーム名で戦うので、一応ご紹介。最近亡くなったパトリックの追悼の意味もこめて。彼のファンは、「ゴースト」を見よう!


「デッド・ゾーン」 (1983年アメリカ・カナダ合作)

監督:デヴィッド・クローネンバーグ、原作:スティーヴン・キング、出演:クリストファー・ウォーケン。

超能力者たちの哀しみと苦悩を描いた傑作。クールな結末も忘れがたい。


「フューリー」 (1978年アメリカ)

監督:ブライアン・デ・パルマ、原作:ジョン・ファリス、出演:カーク・ダグラス。

こっちは、エネルギーをためにためて、最後に爆発します。ホントに“爆発”しちゃうので爆笑でした。ラストシーンを見逃すな!




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2009-09-22

サブウェイ 123

テーマ:洋画

テーマは “駆け引き” です。 …どっちがワルか、よく考えてみよう!


“subway” とは、“地下鉄” という意味。1974年に公開された「サブウェイ・パニック」を、35年ぶりにリメイク。監督は、トニー・スコット。出演は、デンゼル・ワシントン、ジョン・トラボルタ、ジョン・タトゥーロ。


さて、映画ですが、地下鉄という閉鎖的な空間を扱っているわりには、陸上のアクションもあって、それなりに楽しめる作品に仕上がりました。犯罪映画ですが、双方にマヌケな失敗が続出するので、違った意味でドキドキ。ポップコーンでも食いながら、ノリノリで鑑賞しましょう。


ニューヨークの地下鉄123号車が、何者かにジャックされて謎の緊急停止。先頭の1車両のみを残して切り離される。19人の人質を盾に、身代金を要求する犯人グループ。彼らが交渉役に指定したのは、運行司令室で働く男、ガーバーであった。タイムリミットは1時間。 …さあ、人質と犯人たちの運命は?


主演は、デンゼル・ワシントン。ガーバーという男は、前作では警察官だったそうですが、本作では役柄的には普通の男。TVで聞いた話では、彼の意向で脚本を描き替えさせちゃったとから。大物俳優の力ってすごいんだなあ。だけど、彼が登場した瞬間、ものすごいオーラが(爆笑)!このおっさんは、カタギじゃねえぞ。気をつけろ、犯人!


犯人グループのリーダーを演じるのは、われらがジョン・トラボルタ。俺的には、彼の方がお目当て。どんな悪役を演じても、どこか憎めない、愛嬌のあるセクシーな男・トラボルタ。彼が犯人役だというだけで、俺が見に行く理由として充分です。いや~、今回もいっぱい笑かしてもらいました。


警察官を演じるのは、ジョン・タトゥーロ。おおっ、なかなかシブいキャスティング。彼は「バートン・フィンク」でブレイクした俳優ですが、絶対脇役の方が光る。「ミラーズ・クロッシング」「グッド・シェパード」など、目立たない地味なポジションで、じっと睨んでいるような役柄が一番カッコいいと思う。だから、「トランスフォーマー」とか出てる場合じゃないぞ、オヤジ!


映画は、濃ゆい2人が火花を散らして駆け引きしている間に、乗客は叫ぶわ、人は死ぬわ、車はぶつかるわ、子供はションベンしたくなるわで大騒ぎ。その混乱ぶりを、1歩下がった位置で睨みつけるクールなジョン・タトゥーロ…うっふっふ、これはなかなかの構図。



監督は、いぶし銀のトニー・スコット。兄のリドリーは巨匠ですが、弟は弟で撮り方がカッコいいのだ。俺的には、黒人のブレイクダンスとかヒップホップとかで、アナログレコードをシャキシャキってやるアレみたいなイメージだと思う。画面が動くスピードや方向が、縦横無尽に変化するのが面白い。オープニングの凝った映像からすでにラリってますので覚悟して下さい。


トニー・スコット作品で一番有名どころは、やはり「トップガン」「ビバリーヒルズコップ2」あたりになるんでしょう。俺のお気に入りは「トゥルー・ロマンス」。パトリシア嬢の反撃シーンはスゴかったなあ。「エネミー・オブ・アメリカ」ではジーン・ハックマンを、「スパイ・ゲーム」ではロバート・レッドフォードをワルに仕立て上げた男。「マイ・ボディガード」では、本作と同じくデンゼルを狂気の世界にいざなった男。その名は、トニー・スコット!いよっ、いぶし銀腹黒職人監督!おやっさん、これからも熱い映画を頼むぜ!


そんなわけでこの映画、どんな人が見に行ってもそれなりに楽しめると思うので、友達や彼女を誘って見に行きましょう。…あなたなら、デンゼルとトラボルタのどっちに付く?




“駆け引き”というものを、人はいつから覚えるんだろう?大人の世界ではもちろん、子供の世界でも、駆け引きのうまい奴は得をする。賢い者は、駆け引きがうまいということなのだ。勉強やスポーツ、遊びの世界でも、それはついてまわるもの。悪い言い方をすれば、ズルくて要領のいい奴はオイシイ思いをし、お人よしで正直な奴は損をしていく…ということになる。


でもね、俺はそう思わないんですよ。たしかに、頭は悪いよりいい方がいい。ケンカも、弱いより強い方がいい。金や力もないよりはあった方がいい。だけど、ありすぎるとまた厄介なもんだと思う。


赤ん坊が泣く。それを聞いた母親がミルクを与える。そうか、泣くとミルクがもらえるのかと学習する。今度はオムツが濡れた。また泣く。ミルクが来る。違う、今度はこっちだよ。しょうがねえ、泣き方を変えてみるか。よしよしそれでいいんだ。今度は遊んで欲しいなあ、どうやって泣こうか…。


まあ、これは極端な話ですが、相手の出方によって、アプローチの仕方は様々に変化するもんです。そのためには、相手の気持ちを理解しなければなりませんし、こちらの意志を正しく伝える技術も必要になってくるもの。だからやっぱり、人間同士の総合的なコミュニケーション能力が大切なんですね。




人は、初対面の相手に緊張を覚える。相手がどんな人かわからないからである。自分を理解してくれるだろうか、相手を理解できるだろうか、自分に危害を加えたりしないだろうか。でもそれは、相手も同じなんです。


トラボルタがデンゼルと無線で話した時、何を考えただろう?相手がちゃんと話を聞いてくれるだろうか、こちらの言う通りに動いてくれるだろうか…なんてことを少しは考えたかもしれない。しかし、こちらには人質がいる。彼らの命を盾に、要求を通せばいいのだ。


何度も言っていることですが、人を動かす一番簡単な方法は、脅迫です。このままだと大変なことになりますよ、家族が危険ですよ、財産がなくなりますよ、放っておくと病気になりますよ、これを買わないと時代に取り残されますよ…ね、身近にいっぱいあるでしょ、こんな話。


“違和感”という言葉がある。これって、日本語らしい絶妙な表現だと思うんです。何だかスッキリしない、という意味ですよね。表向きは問題ないように見えるのに、何か変。こういう感覚、大切なんですよ。そこで考えて欲しいんです。これで本当にいいのか、自分の力で考えてみる。そこからが、本当の駆け引きが始まるのです。




人に言わせると俺は、人の話を聞いているようで聞いてない時と、聞いていないようで聞いている時があるそうです。あ、そういうところあるかもな。でも、一番大切な話はちゃんと聞いてるから大丈夫だよ。


駆け引きはケンカではない。大人の処世術なのだ。これをしてあげるから、これ頼む。ええ~イヤだなあ、しょうがない、やるから代わりにこれよろしく。そういう駆け引きは楽しいし、面白い。相手の以外な魅力もわかるし、こちらの技術も向上していく。そしていつの間にか、仲間が増えていく。


トラボルタには、天性の無邪気さがある。どんな憎たらしい役を演じても、その遊び心がにじみ出る。それが、彼の魅力。どんなつまんない役でも、トラボルタは楽しそうに演じる。そして、自分らしさを必ず表現する。素晴らしい才能を持った俳優です。デンゼルには、彼の柔軟さを学んで欲しいと思う。


トラボルタは、カッコいい。どんなカッコ悪い役を演じてもカッコいい。だから思うんです。トラボルタは、駆け引きの天才じゃないかって。画面に映る彼の無邪気な瞳を見ながら考えましょう。 …ダマされないようにね、ウッヒッヒ。





【鑑賞メモ】

鑑賞日:9月17日 劇場:ワーナーマイカル県央 18:50の回 観客:1人

うわ、またしても俺1人!すまんなあ、デンゼル、トラボルタ。俺だけのためにがんばってくれて…。観客よりも人質の方が圧倒的に多かったなあ。


【上映時間とワンポイント】

1時間45分。彼女とデートするにはちょうどいい長さでしょう。都会に住んでいる方は、帰りはぜひ地下鉄で帰ってイチャつきましょう!


【オススメ類似作品】


「サブウェイ・パニック」 (1974年アメリカ)

監督:ジョゼフ・サージェント、原作:ジョン・ゴーディ、出演:ウォルター・マッソー。本作のオリジナル作品。ブルー、グリーン、グレイ、ブラウンという名前の4人組が、地下鉄ジャックして100万ドルを要求。本作では1000万ドルだったので、25経って物価は10倍になりました。


「マイ・ボディガード」 (2004年アメリカ)

監督:トニー・スコット、原作:A・J・クイネル、出演:デンゼル・ワシントン。本作と同じ監督・主演コンビの秀作。デンゼルがオスカーを受賞した「トレーニング・デイ」はヒドかったけど、3年後に演じたこの映画は、俺的にメガヒット。デンゼル、やればできるじゃん!この時の、トニーおやじの功績は大きいと思う。


「マイケル」 (1996年アメリカ)

監督・脚本:ノーラ・エフロン、出演:ジョン・トラボルタ。トラボルタの無邪気さと深い演技力を確認する意味で、今回はあえてこれをチョイス。役柄は、何と天使!白い羽根と黒い胸毛のアンバランスさが爆笑です。本作でトラボルタの魅力に気づいた貴女にオススメします。「めぐり逢えたら」のエフロン監督、渾身の一作です。







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2009-09-21

しんぼる

テーマ:邦画

無数のチンコが夢に出て来そうな、ホラーサスペンス・コント映画。 …これは壮大なチン魂歌だ!


「大日本人」で日本映画に新風を巻き起こしたプロ芸人・松本人志の最新作が公開。タイトルの意味は、色んな意味が含まれているようにも思われますが、ダイレクトに言えば、“男性のシンボル”。いわゆる、チンコ映画でございます。お上品な階級の方々は、くれぐれも覚悟してご覧下さい。


監督・脚本は、松本人志。出演は、松本人志、デヴィッド・キンテーロ、ルイス・アッチェネリ、リリアン・タビア、アドリアーナ・フリック、カルロズ・トレーズ。


さて、映画ですが、何ともヒドい作品に仕上がりました。たぶん、ほとんど一般受けはしないでしょう。言わんとしてることはわかるような気がしますが、映像センスが最悪。ビジュアルとメッセージのバランスが悪くて、見ていてキモチワルイ。まあ、それも狙いなのかもしれませんが。


映画は、2つのパートが同時進行していくスタイル。メキシコのプロレスラー、ルチャ・リブレの闘士、エスカルゴマンの戦いと、白い部屋に閉じ込められた男の物語。


ネタバレは極力避けたいので、最小限の情報のみ書いておこうと思います。予告編でもわかるように、白い部屋の壁から天使がウジャウジャ現れると、そのまんま壁に戻っていく。その時、チンコだけが壁に残る。無数のチンコが生えている壁を見つめ、男は考える。実は、このチンコには、特別な機能があった。さて、男は部屋を無事脱出できるのか?エスカルゴマンの運命は?




監督・脚本・主演の松ちゃんは、まさにやりたい放題。基本はコントですが、不条理な笑いが、時に切なく感じてしまうこともしばしばなので、あんまり気持ちいい方向に行かないのも事実。本人は楽しそうに演じていますが、観客がどこまでついて来れるか、ちょっと心配になってしまう。これは、見る人のレベルうんぬんよりも、作り手の距離感の問題じゃないかって思います。


冒頭で観客の心をつかんでこそ、中盤以降の突き放しが効果的になるんじゃないかって俺は思うのですが、本作は、最初から最後まで松ちゃんの独走体制。だから、後半のクライマックスはあんまり興奮しませんでした。


俺はてっきり、不条理な路線で残酷な方向に行くのかと思いましたが、中途半端なロマンチシズムが出てきて、あららって感じ。やっぱりお笑い芸人だから、お客を楽しませようというサービス精神が裏目に出ちゃったかなあ。題材は抜群に面白いのに、何だかもったいないような気がします。映画ファンとしては、ちと淋しい。


たぶん、俺程度の頭では、理解不可能な領域なのかもしれません。何しろ、天才のやることですから。凡人にはできない創造力を発揮するんだから、一般的には変でも、それはそれでしょうがない。


ただ、個人的な印象としては、安っぽい。そこまで引っ張っておいて、それだけ?って感じ。いやいや、これも計算なんだろうって考えても、作品自体の面白さの方向がよくわからん。今笑わせようとしているのか、ここは笑うところじゃないのか、迷う人がいっぱいいるんじゃないかな。


観客が混乱するであろうところも計算しての映像だとしたら、本筋はどこにあるのかの糸口くらいは、わかるように見せて欲しいなって思います。勝手に考えろでは、やっぱりお客さんに失礼でしょ。だから、この映画、笑えないんです。正直言わせてもらえれば、ムダな場面が多すぎる。プロレスの場面なんかそっくりいらないような気もするし、間延びしたコントもシラケっぱなしだった。これ、ホントに松ちゃんの映画なの?


もしかして、松ちゃんが誰かに脅迫されて、無理矢理この映画を押し付けられて、自分の作品として公開するように仕向けられたとか。「大日本人」がスバラシかったので、何だか同じ監督とは思えなくて…。




だから、唯一面白い方向に考えたいから、チンコ映画という位置づけにしたい。男には、シンボルとして1人1本ずつのチンコが神から与えられている。優れた機能を備えたスーパーチンコもあれば、しなびたオンボロチンコもある。しかし、それぞれに合った、もう1つの存在価値があったとしたら…?そういう発想で、俺はこの映画を消化したいと考えています。


人間って、どういう存在なのかよくわからない。だから、人間を創造した神もまた、よくわからん奴なんじゃないかって思う。その神だって、よくわからん奴の創造物なのかもしれないしね。だけど、個人的には、そういう身もフタもない発想はしたくない。俺なら、こういう風に考える。


神は、面白いものを生み出したくて、人間を創造した。だからこそ人間は、面白い方向に思考し、行動しようとする。その究極の姿が、幸福になるということなんじゃないかと。だけど、幸せになろうとしても、なかなか幸せになれない。面白く生きようとするのに、つまらない人生になってしまう。それは何故?


大胆な考えですが、神もまた、本当に面白いもの、本当の幸せの到達点が明確わからないんじゃないか?だからこそ、人間を通して追求しているんじゃないかって思うんです。人間と一緒に、常に考えている存在。創造主の個性は、被造物に特徴として表れるもの。その不完全さが、存在感としての魅力を発揮する根源なのだ。




少し難しい話になってしまいましたが、天才監督の映画を批評するには、こちらも思考を総動員して立ち向かわねば。それが観客としての礼儀であり、お金を払って見たからこそ言える権利であると俺は考えます。


松ちゃん、この映画は変てこだけど、奥が深いです。でも、面白味がうすい。きっと、映画撮ってる時もいろいろ悩んだんじゃないのかな。それが作品に表れているとか…まあ、それは俺の勝手な想像ですが。次から次へと新しい笑いを生み出すのも、大変な職業だと思う。でも、好きでやってるんだからね。


映画館自体も、ある意味閉ざされた空間。静寂と寒い空気の中で、観客はどう思考するのか。 …さあ、勇気ある読者のみなさん、この強敵に挑んでみませんか?





【鑑賞メモ】

鑑賞日:9月15日 劇場:ワーナーマイカル県央 20:45の回 観客:3人

俺と、若いカップル1組だけでした。 …デート、盛り上がったかなあ?(ザ・余計なお世話)


【上映時間とワンポイント】

1時間33分。上映後は、トイレに行って、自分のチンコをしみじみと眺めましょう。できれば、何か言葉をかけてあげて下さい。いつもがんばってくれてありがとう、これからもよろしくなって。


【オススメ類似作品】


「大日本人」 (2008年吉本興業)

監督・脚本・主演:松本人志。

本作で初めて松っちゃんの映画を見た人は、一応こっちの方も見て下さい。これは傑作だと思います。色んな意味で。


「時計じかけのオレンジ」 (1971年イギリス)

監督・脚本:スタンリー・キューブリック、出演:マルコム・マクドウェル。

チンコの形をした飴が登場します。


「リバティーン」 (2005年イギリス)

監督:ローレンス・ダンモア、出演:ジョニー・デップ。

チンコのオブジェが登場します。


「フレッシュ・ゴードン」 (1974年アメリカ)

監督・脚本:ベン・ベスト、出演:ジェイソン・ウィリアムズ。

チンコ型ロケットが登場します。




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2009-09-21

3時10分、決断の時

テーマ:洋画

損得ではなく、男として決断すべき時がある。 …後悔したくないから。


ラッセル・クロウとクリスチャン・ベイルの共演とあって、期待は大。よしよし、これは土日になったらゆっくり見に行こうと、会社の休憩時間にケータイで時間を調べたら…えっ、今日で終わり?うひゃあ、これはすぐに行かねば!まさに、3時10分決断の時!てなワケで、慌てて見に行くことになりきました。


原題は、「3:10 TO YUMA」。これは、“3:10発のユマ行きの汽車”という意味。原作は、エルモア・レナードの同名小説で、1957年に一度映画化されています。本作は2007年製作なので、50年ぶりのリメイク。


監督は、ジェームズ・マンゴールド。出演は、ラッセル・クロウ、クリスチャン・ベイル、ピーター・フォンダ、グレッチェン・モル、ベン・フォスター、ダラス・ロバーツ、アラン・テュディック、ローガン・ラーマン。


さて、映画ですが、男気あふれる作品に仕上がりました。あらゆる世代の男性に見て頂きたい秀作です。理屈ではなく、感性で味わって下さい。見終わった後の余韻は、人によって違うでしょう。きっとそれは、人生観の違いでもあると思います。1人でじっくり見るもよし。信頼できる友達と行くもよし。デートで見るなら、大人の女性を誘いましょう。


借金だらけの生活苦に悩む牧場主のダンは、ある日、強奪事件の現場を目撃してしまう。犯人は、お尋ね者ウエイドの一味であった。全く素性の異なる2人は、瞳の奥でお互いに何かを感じ取っていた。やがてウエイドは捕われの身となり、護送チームが編成される。南北戦争の名狙撃手だったダンも、200ドルの報酬で加わることになった。3時10分ユマ行きの汽車に乗せるために、スリリングな旅が始まるのであった…。


犯罪者ウェイドを演じるのは、名優ラッセル・クロウ。むっさいヒゲは、まさに西部劇にピッタリ。根っからの悪人顔でないので、影のある謎の男として申し分ないでしょう。犯罪集団のボスとしての貫禄も抜群。下品な荒くれではなく、物静かな詩人といった感じがなかなかよいです。“仕事”の合い間に絵を描いたりしているのもクール。


貧しい牧場主を演じるのは、クリスチャン・ベイル。「バットマン」といい、「ターミネーター4」といい、彼は俳優としてますます磨きがかかっていくようです。本作の役柄は、真面目で正義感のある男。鋭い眼光が、純粋なオーラを放っていますが、それだけに融通のきかない一面も感じさせて面白い。ラッセル・クロウ45歳、クリスチャン・ベイル35歳。なかなか絶妙な組み合わせですね。


牧場主の妻を演じるのは、グレッチェン・モル。一応、彼女がヒロインになるのかもしれませんが、ほとんど脇役なので、存在感はあまりない。だけど、亭主を見つめる静かな視線が、微妙で面白かった。彼女は、「ベティ・ペイジ」の主演女優だったっけなあ…っておい、あんた、イザとなったらカラダで稼げるじゃん!


ウェイドの一番の子分を演じたベン・フォスターが、青くさくてよかった。「X-MEN」シリーズで羽根男を演じた兄ちゃんのようです。何も考えてなさそうで、実はちゃんと考えてますって感じが面白い。でも引き金を引くのは早い。思考も判断も早い。言い訳も悪知恵も抜群。…この舎弟の射程に入ったら、命はねえぞ!


特筆すべきは、賞金稼ぎのバイロンを演じたピーター・フォンダでしょう。今年で69歳になった彼は、すごい貫禄。登場シーンでは馬車を駆っていましたが、俺の目には「イージー・ライダー」のアメリカン・チョッパーに見えました。ここはひとつ、BGMにステッペン・ウルフの「ボーン・トゥ・ビーワイルド」を流してみたい。彼はとにかく、何かに乗っていて欲しい俳優。「エスケープ・フロム・L.A.」では、サーフボードに乗って追跡してたっけなあ。こういうカッコいいジイさんって、何だか憧れちゃいますね。いぶし銀のくたばり損ないジジイが、映画をさらにヒートアップさせるぜ!


ジェームズ・マンゴールド監督は、男の内面を表現するのがうまいと思う。「コップランド」「17歳のカルテ」「アイデンティティー」「ウォーク・ザ・ライン」といった作品群から考えてもわかる。なるほど、「ウォーク・ザ・ライン」を見て感じたことが、本作でより鮮明になりました。彼は、17歳の時に本作のオリジナルと出会って強い印象を受け、リメイクを熱望していたそうです。前作の魅力を熟知しているだけに、オールドファンも注目して欲しいところ。 (パンフレット記事にも、前作との比較ポイントが色々掲載されています)




西部劇って、時代劇と同じくらい魅力的なジャンルであると思うんです。無法地帯においては、自分の身は自分で守らなくてはならない。いつの世にも、力のある者が君臨し、弱い者から搾取する構図は存在する。人の命が次の瞬間にあっさり殺されてしまう状況において、きれい事は言っていられないのだ。


本作は、そういう意味でリアルである。金のためなら何でもやる男はいっぱいいるし、自分の身を危険にさらしてまで正しいことを貫く度胸のない男もいっぱいいる。それは、仕方のないことなのだ。だから、それを乗り越えて行動することができる男と、そういう男を理解できる男はスゴい。損得や利害関係ではなく、男の瞳の奥に確かに存在する、極めて重要な感覚がモノを言う世界なのだ。


「荒野の7人」で、チャールズ・ブロンソンが現地の子供に語るセリフがある。自分の父親は腰抜けだけど、おじさんはカッコいいと言われて、ブロンソンはすかさずこう言います。『…お前の父親は、家族を守るために必死に生きている、誇り高い男なんだ。二度とそんなこと言うな!』 シビレたなあ。無法者や、流れ者だからこそ、家族のありがたみが余計にわかるのかもしれない。


立派な人が言うことだから、正しいに違いない。TVで有名な人が言ってたから、正しいに違いない。みんながそう言うから、正しいに違いない。何度も言うようですが、その思考は危うい。誰かが何かを言うのには、それぞれ理由があるのだ。安易な信頼というのは、いとも簡単に覆ってしまうもの。


だから、心に響いた言葉ほど、よく噛み締める必要がある。体にいいからといって、何でも大量に鵜呑みにするのは非常に危険。自分に本当に必要なものは、自分の心と体に聞くべし。何故アイツのことが気になるのか、自分の力で考えるべきなのだ。


この映画は、大げさで雄大なテーマを語っているわけじゃない。メッセージは、いたってシンプルな内容。今どきの世の中は、考えることが多すぎて、思考の洪水になりかねない。生きるためにホントに必要なものは、そんなに多くないもの。秋の夜長に、こういうテーマをじっくりと考えるのも悪くないかと。




人の出会いは、面白い。相手から学ぶことはもちろん、自分の中に眠っていたものも呼び覚ますことがある。気に食わん奴だと思っていたら、いつの間にか仲良くなってしまった友達とかっているでしょ。“親友”とか“悪友”という存在は、付き合いが長いからお互いを知り尽くしている、という風に感じます。だけど、本作の2人は、出会ってすぐに、共通の匂いを感じ取った。これはまさに、運命的な出会いと言えるでしょう。


出会わなければ、彼らの人生はそのまま進むはずだった。出会ってしまったがために、お互いにとんでもない目に遭ってしまうことになる。じゃあ、出会わなければよかったのか?違うでしょう。出会ったからこそ、自分の心の中に眠っているものに気がついたのです。それはきっと、周囲の人には理解できない世界。




このままじゃ気がすまない、このまま終われない、やらなかったら一生後悔する、という瞬間が誰にでもあるでしょう。それは、論理的思考力ではなく、直感力の世界。魂の叫びが、情熱の炎がそうさせるのだ。男には、そういう導火線が秘められているのだ。映画の2人の視線の火花が、それに火をつけたのだ。


本作は、“男が泣ける映画”という宣伝コピーでは安すぎる。男の心の導火線は、人によって違うのだ。この映画で何も感じない人もいるだろうから、無理に泣かなくてもよろしい。泣くかどうかなんて、その人の勝手。だから、泣いて下さいなんて強制しちゃいけません。予告編作る人は、もうちょっとアタマ使って下さいね。


自分の生き方を、自分の力で切り開くのは容易じゃない。本当にやりたい事をやるのには、リスクがともなうのだ。男として生きる以上、そういう場面はたくさんある。だから、映画の2人に学ぶべし。自分にしかできない生き方と、それを理解してくれる男を見失うな。


男は、決断すべき時がある。無理だとわかっていても、そうせずにはいられない時がある。理由はうまく説明できないが、どうしてもそうしたい。そうしないと、前に進めないのだ。そうすることによって、多くのものを失うかもしれない。でも、そこに何かがある。その世界こそが男のロマンであると、俺は思うんです。この映画を見に行った日は、コンディションがよくなかったんですが、決断してよかった。俺の本能が見ろと言ったから。




楽な人生なんて、どこにもない。何もかも人のせいにして嘆くヒマがあったら、自分の意志で決断して行動せよ。己の心が行きたがっている方向へ、自分を導いてやるのだ。男たちよ、カッコよく生き抜こうではありませんか。最後に残るのは、己を信じて行動したことで磨かれた魂のみ。それこそが、男の勲章なのだ!


俺の心の中には、多くの男たちの魂の行動が刻まれている。俺が生きている限り、彼らの勇姿は決して忘れない。俺がいつか人に誉められることがあったら、彼らのおかげですと胸を張って言いたい。男は、周りの男たちの力によって、真の男になっていくものなのかもしれない。


男たるもの、男としての行動に誇りを持て。誰にも理解されなくていい。自分を裏切らずに、本心に従って決断すべし。 …どこかで悔いを残したら、誰かにいつか語る自分の人生が、恥ずかしいから。




【鑑賞メモ】

鑑賞日:9月11日 劇場:ワーナーマイカル新潟 19:20の回 観客:約10人

1人客が多かったなあ。きっとみんな、じっくりと見たかったんですね。中には、女性の1人客もいました。シブいですね、お姉さん。


【上映時間とワンポイント】

2時間2分。ハイテクな銃撃戦に食傷気味だったので、アナログな銃撃戦はかえって新鮮でした。


【オススメ類似作品】


「ワイルドバンチ」 (1969年アメリカ)

監督・脚本:サム・ペキンパー、出演:ウィリアム・ホールデン。

わかりやすい正義ではなく、ワケありの男たちの闘いという構図がシブい。公開当時は、俺はまだ2歳。一度でいいから、劇場で見たいなあ。ド迫力のガン・アクションも魅力です。オヤジ世代になればなるほど、この映画の魅力がわかってくるような気がします。


「マスター・アンド・コマンダー」 (2003年アメリカ)

監督・脚本:ピーター・ウィアー、出演:ラッセル・クロウ。

リーダーとしての彼の魅力を堪能したい人には、これがオススメ。19世紀の大西洋を舞台に、無敵のフランス武装船に立ち向かう、イギリス海軍の物語。テキトーなようでいて、いざという時に抜群のリーダーシップを発揮するオヤジ艦長を、ラッセル・クロウが楽しそうに演じています。


「L.A.コンフィデンシャル」 (1997年アメリカ)

監督・脚本:カーティス・ハンソン、原作:ジェームズ・エルロイ、出演:ケビン・スペイシー。

真面目な男を演じるガイ・ピアースが、後半に追い詰められてワイルドになっていく過程が、本作に通じています。ラッセル・クロウはこの映画で、敏腕刑事役を好演して高い評価を得ました。


「決断の3時10分」 (1957年アメリカ)

監督:デルマー・デイヴス、原作:エルモア・レナード、出演:グレン・フォード。

本来なら筆頭でオススメすべきですが、残念ながら未見なので、自分の言葉で説明することができません。公開は俺が生まれる10年前だし、レンタルショップにも置いてないので内容は不明。だから一応紹介だけしておきます。



映画「せんせい」主題歌 「望郷」 (歌:上田正樹)

故・山城新伍が監督した映画のエンディング・テーマ。本作を見た後で、無性に聞きたくなりました。今回の記事の最後の一行は、この歌の2番の歌詞を引用しています。




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2009-09-21

最近読んだ本

テーマ:

どうも、ご無沙汰しておりました。パソコンが壊れていたのと、しばらく体調を崩してしまっていたこともあって、だいぶ時間が過ぎてしまいました。そろそろ記事を再開したいと思いますので、とりあえずは本の話題からいきましょう。


秋は、読書の季節。本を読むことは、思考能力を高めるとともに、精神世界を広げていく効果があります。ここ最近は、不眠が続いたこともあって、いろいろ読みました。6冊ほど紹介します。




「蟹工船」 (新潮文庫 小林多喜二著)


映画を見て、原作を読んでみたくなって購入しました。なるほど、この小説の空気はスゴい。時代を感じさせないリアルな描写が、ぐいぐいと心に食いついていく。俺自身も、それなりに過酷な職場を経験したことがありますが、いつ死ぬかわからない状況というところまではいかなかったので。


閉鎖空間における強者と弱者の関係は、イジメや虐待の温床になりやすい。貧しいゆえに、力がないゆえに虐げられるのは、とても悲しいことである。助けたくても助けられない状況は、なおつらい。こういう現場は、今どきの世の中にもたくさんあるに違いない。


プロレタリア文学というものは、出るべくして出てきたジャンルなんだなって思いました。共産主義は好きじゃないけど、革命という発想自体は素晴らしいと思う。何事も、勇気ある最初の一歩が重要なのだ。


今の状態に不満がある人は多い。でも、それを打開するために真の努力をしている人は、やっぱり少数なのかもしれない。俺自身も偉そうなことは言えないけど、現場の小さな努力はしっかり続けていきたい。


著者の小林氏は、30歳で投獄され、拷問により死去。その太く短い生涯は、日本中に大きな影響を与えた。強い信念と行動力で自分の生き方を貫くって、とてもカッコいいじゃありませんか。


人は、考える生き物である。思考力こそは、人間が誇る最強の能力であると、俺は思います。




「心の休ませ方」 (PHP文庫 加藤諦三著)


加藤先生の文章は、たまに読みたくなる時があります。いつも大体同じようなことが書いてあるんですが(笑)。20代の頃に10冊以上連続で読破して、色々学ばせてもらった恩があるので、ずっと心の師だと勝手に思っています。


丁寧でわかりやすい、絶妙な表現力は今も健在。最近の鬱病はバラエティに富んだ症状になりましたが、基本にある根っこはきっとおんなじだと思う。普通の人たちから見たら、ただの甘えとか怠け者に見えるのかもしれないけど、実は全く正反対の世界なのだ。これは、経験した人でないとわからない。


がんばり過ぎてしまったがために、行動する力を失ってしまった人の気持ちは、なかなか理解してもらえないもの。鬱のつらさというのは、想像を絶する深さがある。決して他人事ではないのだ。


本書は、鬱になって苦しんでいる人の視点で、時には優しく、時には厳しく、毅然とした態度で語られていきます。いつもながらご自身の体験談も交えて紹介しています。やっぱり、自分の弱さを克服した人の言葉ってすごい。何というか、リアルな重みがある。


人間は、ある程度図太くならなきゃ生きていけない。だけど、優しさを失ってしまったら生きていても楽しくない。心優しい人たちに幸いあれ。それは、他の人にはない、自分だけの美しい個性なのだから。




「性同一性障害 性転換の朝」 (集英社新書 吉永みち子著)


以前から興味のある題材だったので、この機会に読んでみました。内容は、日本国内で初めて、医療行為として公に認められた性転換手術を中心に、性同一性障害の人や、関わった医師たちの話で構成されています。この本が出版されたのが2000年だから、今ではもっと世の中が進んでいるんでしょうね。


この本を読んで思うのは、人はみんな違う個性を持っているということ。わがままとか自己中心というのとは明らかに違う。彼らはみな、社会に必死に適応しようとしてがんばってきたのだ。だけど、自分の中にどうしても、他の人と異なる部分がある。それに気づいた時に、人はどうするのか。


一生、無理な我慢を重ねて暗い人生を生きるか。どこかで方向転換してエネルギッシュに生きるか。それは、損得とかじゃなく、自分が自分らしく生きるための、本気の戦いなのだ。


迷って、悩んで、挫折する。人生は、そのくり返し。その節目節目に対峙した時に、人は何を学び取るのか。人に対して恥ずかしいと思うよりも、自分の本心に対して恥ずかしいと思う方が余計にマイナスであると思う。たとえ人からバカにされようとも、自分の納得する生き方をすればいい。


本気で生きている人の表情には、凛とした美しさがあるもの。困難があっても、スッキリした顔で生きたいものですね。本気モードの人生、応援します!




「私は若者が嫌いだ!」 (ベスト新書 香山リカ著)


精神科医のお姉様が、何というスゴいタイトルの本を書いたんでしょう。これは、本屋で見つけてすぐにレジに直行しました。内容はもちろん、医学書ではなくエッセイといったところ。


若者という存在は、実に面白い。俺はすでに若者ではないので、“今どきの若いもん”というグループには属していません。まあ、“元若者”というポジションってことで。


これだけ複雑な世の中になったら、色んな若者が存在するんでしょう。でも、俺が思うに、昔も今も若者の本質ってそんなに変わってないような気がするんですが、どうでしょう?


香山センセイは、医学的な立場で若造の言い分を解析しなきゃならないので、それがきっとしんどいんだと思う。ひと昔前だったら、お前バカじゃねえのって言って叩いて終わり、みたいなレベルの話がいっぱい。


“私が嫌いな若者十か条”の内容というのが出てくるんですが、なるほどなあって思います。若者や子供たちは、時代を映す鏡。彼らの中にある問題は、我々大人たちの問題でもあるんでしょうね。普段偉そうなこと言ってる割りには、いざとなると頼りない大人もいっぱいいますよ。


だから、香山センセイはエラい。こんなバカヤロウどもを相手に、ちゃんと仕事してるんだから。こういう立派な大人がいるから、若者諸君は生きていけるんだぞ。その恩恵を決して忘れるな。




「マンガでわかる心理学」 (サイエンス・アイ新書 ポーポー・ポロダクション)


これは、わかりやすくて面白い。洋書みたいに、横書き構成になっています。このいスタイルって、「マーフィーの法則」を思い出しますね。


左側に文章、右側に六コママンガというスタイルは、なかなかいいと思います。難しい内容を、取っ付きやすくした形は、最近の流行りなんでしょうかね。「プチ哲学」とか「シッタカブッダ」みたいなスタイル。


簡単なようであって、考えると深い世界。人間って、やっぱり面白い。せっかく人間に生まれたんだから、人間のい面白さを追求して、人生を楽しいものにしたいですね。




「幽霊名画集」 (ちくま学芸文庫 辻惟雄監修)


最後は、蒸し暑い夜を涼しくする一冊。カラーページも豊富で、文庫本なのに値段は何と1500円!丸山応挙をはじめ、数々の名作幽霊画がたくさん収録されています。デカい画集よりも、コンパクトに保存できる手軽さがいいですね。これは、貴重な資料として手元に置いておきたい。


ひときわ美しいのは、「蚊帳の前の幽霊」。これはエロいでんなあ。ぜひとも俺の枕元に出てきて欲しいタイプです。それから、渡辺省亭の「幽女図」は、顔を隠して泣いているところが何ともいじらしい。いいですねえ、スバラシイ芸術の世界。


幽霊も、生きている人間も、想いが表情や仕草に表れるもの。人柄や性格、佇まいの美しさなど、微妙な感覚を研ぎ澄まして、人の心を見つめましょう。美しい心には、美しい魂が集まってくるものだから。





うー、久しぶりに文章を書きました。まだ体調は万全じゃないけど、何か書いて吐き出さないと、俺の心に毒が回ってグルグルしそうだから、じっくりと進めていくことにしましょう。


次回より、劇場映画の記事を5本、連続で出す予定です。今から執筆して、順次更新していきますので、くれぐれも、期待しないでお待ち下さい。




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2009-09-06

蟹工船

テーマ:邦画

これは、精神のアクション映画である。 …追い詰められた羊は、やがて狼となって牙をむく!


カニ怪獣が出現して、怪光線を出しながら東京の街を火の海にする映画…ではありませんので、特撮ファンは間違えないようにご注意。(誰も間違えねーよ)


原作は、小林多喜二の同名小説。1929に「戦旗」で発表、1953年に山村聰によって映画化された名作を、現代になってリメイク。原作が生まれてから80年。いやはや、すごい作品ですね。実は昨年、シネウインド新潟でオリジナルが上映されたんですが、残念ながら見に行けませんでした。今思うと、もったいない話です。


監督・脚本は、SABU。撮影は、小松高志。音楽は、森敬。主題歌を歌うのは、NIKO Touches the Walls。(2008年2月にメジャーデビューした新鋭アーティスト)


出演は、松田龍平、西島秀俊、高良健吾、新井浩文、柄本時生、木下隆行、手塚とおる、皆川猿時、谷村美月、大杉漣、でんでん、奥貫薫、滝沢涼子、森本レオ。


さて、映画ですが、エネルギッシュな作品に仕上がりました。ブルーワーカーの鎮魂歌として胸に染みる1本。働くことは、戦うことでもある。今の世の中だからこそ、こういう映画が必要なんだと思います。とても勉強になりました。


蟹工船とは、北洋で蟹漁をして、船中で直ちに缶詰その他の加工品にする設備を持つ加工母船。(広辞苑より) 使い捨ての労働者たちは、過酷な弾圧を受けながらも、次第に覚醒していくのであった…。


主演は、松田龍平。若手俳優の中でも、抜群の存在感を持つ男。役柄は、労働者たちを扇動するリーダー。彼の独特の言い回しは、次第にみんなの心をつかんでいく。暗い絶望の中で生きる男たちにとって、彼の話は面白く、また魅力的に聞こえる。感じ取ったものを、自分で考え、素直に行動に移していく姿は、とてもカッコよかった。身分や年齢を超えて、人を動かす力というものを感じました。素晴らしい演技です。間違いなく彼の代表作の1本になるでしょう。いい仕事、おつかれ様でした。


悪役である鬼監督を演じるのは、西島秀俊。おお、何という絶妙なキャスティングでしょう。脂ぎったオヤジ俳優ではなく、クールなイメージの彼を起用するところが、何ともSABU監督らしいじゃありませんか。彼の、演技力があるんだかないんだかよくわからない、変な存在感が、映画の雰囲気作りに一役買っていたように思えます。俳優業界において、面白いポジションを獲得したんじゃないかって思います。


しかし、本作の真の主役は、現場で働く人たち全員である。パンフ記事によると、原作には松田キャラは登場しないらしい。もともと主人公が設定されていないし、登場人物の名前もほとんど出てこない。だから、全員が主人公なのだ。観客は、自分自身も労働者の1人として映画に参加し、彼らと一緒に考えるのだ。


そして本作は、時代設定も明確にしていない。それは、ある意味余計なことかもしれない。昔であっても現代であっても、苦悩する男たちにとっては、現在進行形なのだ。プロレタリア文学という呼び名も、個人的にはあんまり好きじゃない。苦悩そのものは、金持ちであっても貧乏人であっても共通に存在するものだと思うから。


だから本作は、建前上は、生きることに希望を見出せない人に見て欲しいと思うけど、どんな人が見ても大丈夫。若者には若者の、オヤジにはオヤジの感じる世界があるはずだから。肩の力を抜いて、映画の中に自分の居場所を探してみて下さい。




“考える”ということは、人間が生きていく上でとても重要であると思う。考えない人には悩みがないかと言えば、そんなことはない。悩みを解決するためにこそ、考える力が必要なのだ。考えることを人に任せて生きるのは楽かもしれないけど、大事なことは自分で決めたい。


不平不満を言う割りには、解決するための行動をしない者がいる。政治に文句を言う割りには、投票に行かない者がいる。人に厳しい意見を言う割りには、自分の過失に甘い者がいる。まあ、人間なんてそんなもんですよ。この人は絶対いい人、なんて思われている人は、影でかなりの無理をしているもんだから。


俺だって、人からどう見られているかなんてよくわからない。このブログ読みながら、こいつバカだなあって思われたっていいんです。それもまた、存在意義の1つでもあるから。大切なのは、自分の考えを正直に堂々と主張することだと思うんです。正しくなくてもいい。そういう考えを持っている人間だってことがわかってもらえたらいいのだ。


人は、みんな違う生き物である。考え方も、感じ方も違う。しかしながら、人間である以上、共通点はいっぱいある。違いを主張しながらも、同じ部分を探しているのだ。人同士がぶつかり合って学ぶことは、そういうものなんじゃないかって思うんです。




本作はある意味、“イジメ映画”でもあります。自分の立場を利用して、一方的に弱者を追い詰める。イジメられる側は、報復を恐れて無抵抗になっていく。こいつらはどうせバカだから、絶対逆らわないと思っている。俺も子供の頃は、たくさんの嫌がらせを受けた。弱虫だったから、ケンカも弱かったから、ナメられていたから、どうやって抵抗していいのかわからなかったから。


俺がものを深く考えるようになったのは、社会人になって初めての挫折をした時から。みんなに言われるままに行動してしまう自分、期待に応えられるようにがんばる自分の生き方が間違っていたことに気づいた時には、ひどい鬱状態になっていた。その時、必死になって自分に謝ったもんです。このままでは、取り返しのつかない人生になってしまう。


それから18年くらい経った今では笑い話ですが、考えることを拒否した人生の恐ろしさは、今でも身に染みています。だから、したり顔でえらそうに説教をする宗教女に怒りを覚えるんです。人の心は、深くて暗くて恐ろしいものだということが全くわかっていない、お上品な人たちとの付き合いはもうたくさん!


話がそれましたが、考えることは、自分と向き合う第一歩。自分が何者なのかわかるようになるまでは、まだ時間がかかると思いますが、俺はこのスタイルの生き方を、可能な限り貫きたいと思っています。どんなにバカにされても、自分が選んだ生き方だから、悔いはないのだ。


自信という言葉は、自らを信じると書きます。信じられるからこそ、力が出る。自分を信じられるようになるには、自分と向き合って考え抜いた時間の長さがものを言う。自分から逃げないで、しっかり向き合うべし。うまくいってもいかなくても、自分で決めて行動することが尊いのだ。結果は出なくても、自分で何とかしようとがんばった自分を称えて欲しい。それがまた、新しい強さになっていく。


大勢の中の1人、というありきたりの人生はパスしたい。俺の人生は、考えることによって燃焼していく。だから、命ある限り考え続けるのだ。 …自分が主役だからこそ、自分の人生が輝くのだから。





【鑑賞メモ】

鑑賞日:9月1日 劇場:ワーナーマイカル新潟 21:40の回 観客:約10人

トランスポーターと続けて見ました。夕飯抜きで見たから、カニがおいしそうだったなあ。


【上映時間とワンポイント】

1時間49分。パンフにスギヨのカニカマの広告が載っていたのは爆笑でした。さっそく翌日に買って、酒のツマミにしました。さすがに蟹缶は高くて、プロレタリア階級は買えないもんね、わかってらっしゃる。


【オススメ類似作品】


「かにゴールキーパー」 (2006年かにゴールキーパー製作委員会)

監督・原作・脚本:河崎実、出演:春山幹介。カニといえば、やっぱりコレでしょう。スゴ腕のゴールキーパーが登場。主人公がカニである以外は、フツーにいい話。色恋ざたもあって、結構笑えます。カニ味噌を補給してパワーアップする場面は爆笑でした。


「金星人地球を征服」 (1956年アメリカ)

監督:ロジャー・コーマン、出演:ピーター・グレーブス。通称“金星ガニ”と呼ばれる金星人が、たった一匹で田舎の海岸に出現。これで地球を征服したそうなので、ずいぶん地球って小さいんだなあって思ったものです。終盤、科学者のおっちゃんが、ハンドタイプのガストーチで一騎打ちする場面は、涙なくして見られない!


「THXー1138」 (1971年アメリカ)

監督・原作・脚本:ジョージ・ルーカス、出演:ロバート・デュバル。25世紀の未来では、人間が番号化されてコンピューターに支配されていた。管理社会に抵抗する映画としては、本作に通じていると思います。ちなみにタイトルは、主人公の名前です。さすがに25世紀では、バーコードも廃止ですか…なんてね。




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