安倍首相の上下両院合同会議演説 | KUUTV(くーてぃーびー)

KUUTV(くーてぃーびー)

くうのにゅーすどうがのかきおこしをよういしたわよ。
ほぼまいにちとどけてあげるわ。

安倍首相は、現地時間29日午前、米議会の上下両院合同会議で演説に臨みました。

上下両院の合同会議で、日本の首相が演説をするのは初めてのことです。


30日の朝刊は、各紙とも、
「痛切な反省」
という文字が踊りました。
先の大戦への、反省です。


4月24日のこのコラムで、「バンドン会議 閉幕」を扱いました。

安倍首相はこのバンドン会議でも演説をしており、この時は、先の大戦に対しては、「深い反省」を表明していました。

このバンドン会議での演説は、日本語で行われました。


今回の上下両院合同会議での演説は、英語で行われました。

そこで首相が表明したのは、「痛切な反省」。

しかし、ここに問題があります。


首相が上下両院合同会議で演説したのは、「痛切な」反省だと各紙は報じていますが、実は、「痛切な」反省も、「深い」反省も、英語では同じ表現なのです。


首相は、このように演説しました。

Post war, we started out on our path bearing in mind feelings of deep remorse over the war.

Our actions brought suffering to the peoples in Asian countries.
We must not avert our eyes from that.


この訳は、このように、各紙に掲載されています。

「戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に、歩みを刻みました。
自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない。」


ここで問題なのは、「deep remorse 」です。

これは、「深い反省」とも、「痛切な反省」とも訳せる表現です。

「痛切な」と訳しているのは日本の報道だけで、果たして、米国の人々が、「痛切な」の意味にとってくれたかどうかがわかりません。


バンドン会議で表明した「深い」反省よりも、日本語のニュアンスとしては、「痛切な」反省の方が深い気がします。

まだ、このコラムを書いている時点では、中国や韓国の反応は入ってきていません。

「お詫び」ということばも、「侵略」ということばも使わなかった安倍首相。

この「痛切な反省」のニュアンスがどう伝わっているか、これから焦点になりそうです。