夜は消灯も早いしやっぱりあんまり眠れなかった。

入院三日目を迎えた。

 

朝ご飯、回診、診察と同じ流れ。

診察は前日の時間より少し遅れて呼ばれた。

 

診察台に上がる。昨日ここであんなに泣いたのか〜と思い出す。

「Aちゃんの身体がさらに出てきてるね、一旦張り止め止めてLDR(分娩室)に移動しよっか」

さらっと言われ、診察後にそのまま車椅子でLDRへ移動する。

一見大きめの個室だが分娩台があり、テレビのない殺風景な部屋だという印象だった。

 

11時ごろに入室し、12時ごろに夫到着。元々荷物を頼んでいた義母も来てくれていた。

特になにもないまんま12時に昼食配膳され摂取する。

12時40分ごろに「一回診察しとこっか」と先生が現れ、はーいと分娩台に上がる。

「ちょっと一回軽くいきんでみて」と言われ、いきんでみる。

「もう出そうだよ、もう一回いきんでみて」と言われ、2回ぐらいいきむ。

「空気さん、Aちゃん生まれたよ。綺麗に出てきたよ。」と言われる。

 

え?全然痛くなかった。痛いと思っていたのは内診している先生の手だった。

なにかが出た感覚も痛みも全くなかった。

 

「がんばったね」助産師さんに声をかけられるも、何もがんばってないけどな・・・と思う。

「Aちゃんに会える?会いたい?」一瞬迷ったけど、「会います」と返事をする。

ガーゼと防水シーツに包まれたAちゃんが運ばれてきた。

17cmの小さな女の子。夫によく似て、切長の目に高い鼻の女の子。手足もすごい長かった。

見た瞬間、涙が止まらなくなった。狭いところに閉じ込めててごめんね、でも会えたね。という思いだった。

 

その後夫の入室が許され、助産師さんのお気遣いにより3人で過ごす時間を設けてくれた。

夫もAちゃんに会えて抱っこした瞬間に泣き出した。滅多に泣かない夫の涙を見て、また私も泣けてきた。

こんな悲しい顔を見るはずじゃなかったのになぁ。

写真をいっぱい撮った。名前どうしようか、私が考えていた名前を少しもじった名前にした。

13:01に生まれた、お昼に生まれたから、まひるちゃんにした。

 

流産後の手続きについて説明を受け、夫は帰っていった。

この日から火葬の日の昼ごろまでは母子同室で過ごせた。