またまたすごく間が開いてしまったが、令和二年初めての記事。今年もあきれずにおつきあいいただけるとうれしい。
 
外付けのSSDディスクで容量が大きい物はそもそもだいぶ高価だが、これはひときわ高価なSSD。
その名も「モバイルSSD GLYPH Atom RAID SSD」
この存在を知ったのはプロケーブル。価格は容量1Tbyteで6万円超、2Tbyteで12万円超。ううむ。
 
高価な理由はそもそもアクセススピードがえらく速いから。最大で800MB/s と謳っている。
しかし、オーディオにとってスピードが速いだけではそれほど意味はない。
プロケーブルが扱っている理由はこのSSDに音源データを置くと音が良なるから。
 
外付けドライブの違いが音に大きく影響するのはまだあまり世の中で認識されていない気がする。
でも実際その影響は無視できない。そして私は度々言ってるけど、現状ではそもそも音源ファイルはUSB3.0以上の外付けドライブに置くのが一番だと考えている。
 
それは結果的にアクセスの速い所に置くことが良いという基本原則になっている。
それを実行した具体的な話はすでにこのブログに書いている。
 
しかし同じUSB3.0のディスクの中でも音に違いがある。
この二番目の記事の時は外付けのUSB3.0のHDDに音源ファイルを置いていた。
当然、はるかに速度の速いこのSSDには興味をそそられていたが、このSSDのことは横見で見てスルーしていた。
何故ならいくらなんでも高すぎるから(笑)。
 
私の場合悪いことに(?)、手持ちの音源ファイルは全てwavフォーマットで保存していて合計1Tbyteを少し越えている。
だから1Tbyteのディスクでは足りなくて、買うなら2Tbyteになってしまう。
2TbyteのこのSSDに投資する分でだいぶ他に色々なことができてしまうわけ。
 
なお、合計サイズを小さくしようと思えば音源をすべて可逆圧縮フォーマットにするという話もあるだろう。
が、音源ファイルは非圧縮でCPUには余計な仕事をさせないポリシーできているので圧縮するのは気持ち的には簡単にはできない。
じゃあ、あまり聴かない音源を別の所に追い出せば?というのも後々の管理が面倒になるので気が進まない。
 
ということで、出費を考えて一旦断念していたのだが、ひとつ悩ましい事情があった。
 
というのは、使っているPCはオーディオ用途を目的としていて、完全無音のPCである。
内蔵ディスクはSSD。ファンレスで自然空冷のみ。BDドライブはあるが、使用していないときは回らないので音はしない。
無音なので、オーディオセットの中に心おきなく置いておける。
 
しかしせっかくPCは無音にこだわっていたのに、外付けHDDをつけた時点で台無しである。
HDDはファンレスを選んだが、HDDの記憶媒体の円盤が回っているので音はしてしまう。
 
HDDの回転音は大きな音ではないので気にしなければいいのだが、夜遅い静かな時間では曲間部分で聞こえてやはり気になる。
とりあえず、もっと安価なSSDにすれば無音には戻るのだが、…。
 
かなりしばらく悩んだ末、遂にとうとうGLYPH Atom RAID SSD 2Tbyteの導入にとうとう踏み切った。
ここまでが長~い前置きで(笑)、ここからが本題。
 
写真のようにとても大きさはとてもコンパクトで持ち歩きも気軽だろう(何度もいうが値段を考えると気楽に持ち歩けないが)。
一緒に移っているのが別で買ったunibrain製のUSBコード。
 
実物を手にして、まずはどのくらいスピードがでるのか、定番のCrystalDiskMarkで速度測定をしてみる。
なんと、途中で止まってしまう! 何度やってもダメ。初期不良かと青くなるが、ファイルの読み書きは普通にできる。
どうも、CrystalDiskMarkとは相性が悪いということのようだ。
 
アルバムをいくつかSSDに落として音を聴く。このSSDは3.1gen2に対応しているが、PCの方がUSB3.0しかないのが残念だ。ちょっと持ち腐れの気持。

USB3.0のHDDとの違いははっきり分かる。音の濁りが取れて音が浮かび上がる感じ。
音源の音を今まで以上に絞り出せていると感じる。
だがまだこれは、SSDと同梱のケーブルを使った場合。

プロケーブルで音がいいというUSB Type-CからType-A 3.0 へのunibrain製変換ケーブル(上の写真)に交換すると、さらに音が良くなったのはすごい。SSDのポテンシャルはまだあったようだ。
 
さらに外付けHDDの時に使っていた。iDefender3.0とiSilencer3.0を試す。
 
残念ながらiDefender3.0を使うとこのSSDが認識すらされなくなる。
 
iDefender3.0は名前の通りUSB3.0まで対応しているので認識されないのはおかしいのだが。
CrystalDiskMarkのことといい、このSSDはスピードのために何か繊細な処理をしているのかもしれない。
 
iSilencer3.0は問題なく使えた。しかし、その効果は微妙。わずかに音がよくなったかなぁ、というぐらい。
もともとこのSSDの性能が高いとも言えるのかもしれない。
 
ということで私としてはSSD導入で期待通りの効果があって満足。
まあ、値段も値段なので、このSSDを導入するよりもほかの機材を買った方がいいという判断はもちろんありだろう。
ただ、オーディオセットの中で一番上流の部分に関わる物だから、
音に関してここで一度失ったものはそれより後段では完全に取り戻すことはできないはずなので、
オーディオのグレードアップのどこかの段階で、導入を検討する価値は十分あると推薦して終わりとしたい。