Windows10のDAC対応もだいぶ進んで手持ちの現役DACはだいたい使えるようになったので、無料アップグレード終了目前に音楽用PCのWindows10へのアップグレードを実行した。これ以外にもネット接続用のPC、ノートPCを含めすべてWindows10になって操作も統一されて迷わなくなった。
 
さて、プロケーブルのいち推しアンプS-75mk2は、少なくとも価格を考えると信じられないほど高性能だが(あれ、S-75mk2のことこれまでに書いてたっけ?)、パワーアンプなのでプリアンプをどうするかという問題が出てくる。
 
レコード時代だったら、フォノイコライザが必須なのでパワーアンプの前段にプリアンプを置くのが当然だった。それがディジタル音源になり、CDプレーヤにしろDACにしろ出力にイコライザは必要ない。
そうすると、残るプリアンプ機能として外から見てはっきり分かるのはボリュームコントロールと入力の切り替えだけになる。それすら不要なら直接パワーアンプに繋いでも十分まともな音が出る。
直結ではなくパワーアンプの前に何か置きたいとすると、今では候補はたくさんある。まずボリュームコントロールと入力切り替えだけなら電源不要で実現できる。そういう機器がプリアンプに分類されていることもある。ボリュームに直接ケーブルが生えているlevel pilotのような特殊なものもある。電源を持たない機器を「パッシブ何々」と言うことがあるが、パッシブの方が音を変えないので望ましいというこを言う人もいる。(もちろんボリュームや切り替えスイッチ等に高品質な部品を使っていることが前提。)
 
フォノイコライザ機能は無駄になるが普通のプリアンプを使うことももちろんできる。ただし名の通ったメーカのものはほぼ一声30万円からという値段になる。
 
プロ用機材を勧める人も居る。値段的にはより安い価格からでも評判の良いのがあるのが魅力だ。プロ用という言葉は曖昧なのでより正確に言えば「音楽を作ったり加工して提供するプロが使う機材」ということになるだろう。
 
そういうものとしてはまずミキサー。名前の通り複数の音源を自在に音量レベルを変えながらミックスする機材。プロケーブルではAllen&HeathのXONEシリーズをいち推ししている。ただオーディオ用途では音源を切り替えるだけでミックスすることはないので主要機能を全く使わないところが個人的にはもったいない気がしてしまう。(そう言えばDJミキサーならフォノイコライザをたいてい二系統以上備えている。)
 
他にオーディオインタフェースというのもある。RME BabyfaceをUSB DACとして使うことはよく行われている。しかしオーディオインタフェースはむしろPCのサウンドボードをUSB接続の形でPCの外に出したものである。複数のアナログ入力(さらにSPDI/F入力)を持ち、PC内のディジタル音源データを再生することができ、それらを重ね合わせて出力する(アナログで。またディジタル音源として保存することもできる)。PC内のディジタル音源を再生する部分を別の見方で見るとUSB DACに見えるわけだ。
 
オーディオインターフェース機材にはアナログ入力もすべて一旦ディジタルに変換してから処理する機種もあるが、アナログはアナログのまま扱い、さらにボリュームコントロールPCを使わずにできればプリアンプとして使うこともできる。しかしすべての機能を使うにはPCが起動している必要があるのでUSB DACとしても常用する以外ではプリアンプとして使いやすいとは言えない。
 
さらに(スタジオ)モニタコントローラというのがある。正直、スタジオでの使い方は私はだいたいしかわかっていない。でも基本機能は複数のアナログとディジタル(SPDI/F)入力を適切な音量で重ね合わせて複数のアナログ出力へ出力するもの。(ミキサとの違いは刻々ミックスの音量レベルを変えていくものではない点)
ほぼプリアンプの機能に近い。実際の製品ではスタジオ用の機能がいろいろ付いているにしろ、基本機能はほぼ使うし、PCと一緒に使うことを前提としない点で、プロ用機材の中では一番無理なく無駄なくプリアンプの代わりに使えるのではないかと思う。
 
モニタコントローラはいろいろ機種が出始めた所なので、いずれオーディオ用途として品質と価格のバランスの良い製品が現れるのではないかと期待している。
 
ということでモニタコントローラに注目していたところ、ミキサーAllen&Heath XONE:02の中古の出物を見つけてしまった。状態が良さそうな割に値段もまあまあ。数時間迷って、つい買ってしまった。(あれ?)

やっぱりモニタコントローラは未来の話になるので、今、Allen&Heathを試す機会は逃せなかったのだ(オイ)。
ということで、XONE:02導入の話に続く。