受け止めて気持ちの整理をするのに時間がかかりました。
私と同じように、ご主人の闘病を書かれている奥様のブログです。
私はまだブログを始めて日が浅いですが、周囲に同じ状況の人がおらず、毎日孤独の中で苦しみもがいていた時に「お気持ちわかりますよ。私も同じです」と声をかけてくださった方です。
夫にとって、とても助けになる情報もくださいました。
この出逢いがなければ、今後につながらなかっただろうと思います。
本当にこの出逢いに心から感謝しています。
闘病している夫を支える妻であり、そしてまだ養育が必要な子供の母であり。
同じ立場で、初めて苦しみを分かち合えました。
どれだけその存在に救われたか、言葉になりません。
毎日を大切に生きる、とは、どういうことなのか、ずっと考えてきましたが、私は今まで答えが掴めませんでした。
しかし、私なりですが、理解しました。
限りある時間だからこそ、明日にせず、今日やる、今やる、今伝える。
毎日恐怖にとらわれて過ごす、そんな暇は私たち夫婦にはない。
今日、今、大切な子供たちに、パパの生きた証を伝えていかなくてはいけない。
少しでも二人の子供たちが、将来大人になった時に生きる糧となるものを授けていかなくてはいけない。
昨夜娘に、ポート注入の薬を見せながら、お腹の傷も見せながら、パパが膵臓がんで治療を頑張っているんだよ、という話をしました。
病気があって治療しているとは話していましたが、ずっと病名を告げることを先延ばしにしていました。
勇気がありませんでした。私も夫も、「膵臓がん」という事実を娘に告げることがずっとずっと怖かったのです。
何かが変わってしまうのではないかと。娘の無邪気な時間を壊してしまうのではないかと。
家族はチームだから、一緒にパパを助けて頑張っていこう、治療で体がきつい時は助けてあげてね、と話しました。
まだ6歳になったばかりの小学一年生なので、もちろんよく理解はできていません。
しかし、グリーフケアの観点から、娘にいつか訪れる大好きなパパとのお別れのための段階的な準備を始めさせてあげなければなりません。
病名を告げ、一緒に頑張っていくという意識を持たせることはその一段階目なのです。
年中の息子は発達の問題があるので、伝え方を少し変えて、今夜話します。
そして夫は、娘に用意していたピンク色の手帳を渡しました。
それは15年手帳で自己管理をしてきた夫が、子供たちが将来よりよく生きていくための術を学ばせるための、考え抜いた方法です。
夫と娘が二人で相談して、着替え、歯磨き、お手伝い、宿題など書き込んでいき、ミッション完了したらポイントがもらえたり、パパポイントがついたりします。
生きるために必要なことを楽しく身につけさせたい。成長に応じて、手帳や内容も変わっていきます。中学生になったら、大学生になったら…と、夫は語っていました。
隣で見ていた息子には、自分からやりたいと言い始めたら、渡して始める予定です。たぶんすぐ言い出します。
Festina lenteさんのご主人様と娘さんが、指切りをしながら「頑張るんよ!」と、笑顔でパパから娘への願いを託される場面を思い出しては、何度も何度も涙があふれます。
これから娘さんの人生の糧として、この願いが彼女を必ず支えてくれるはずです。
そして、Festina lenteさん自身の、不安や恐怖の中での土壇場の踏ん張り、そして覚悟に、同じ妻として母として、心から寄り添いの気持ちを届けたいです。
最期にあのような大切な時間をご主人様が過ごすことができたのは、奥様の夫への強い愛情と感謝がすべてだと思います。
ご主人様のご冥福を心よりお祈りします。
また、奥様と中学二年生の娘さんのグリーフが、少しでも優しさで包まれますよう願わずにはいられません。
今はこれ以上は、言葉にできません…。