たまに書くだけのブログなのに

読書の話で恐縮です。

 

 

 

最近

古内一絵という作家のシリーズもので

 

『マカン・マラン』

『女王さまの夜食カフェ』

 

という2冊を読みました。

 

出版物が溢れかえる中

何を手に取ったらいいのか、わからなくて

最近は新聞の日曜版の書評欄で

面白そうと思った本を図書館で借りる

というパターンで細々読書をしているのですが、

その方式で選んだこの作品は

すごくしっくりきました。

 

 

シャールと名乗るドラァグクイーンが

物語の軸にいて

昼は舞台衣装を売り

夜遅くには夜食を振る舞う店をしています。

 

そこに色々な生きづらさを抱えた人たちが

一人また一人と

吸い寄せられるように辿り着いては

彼女(彼)の夜食と温かな包容力に癒されていく。

 

一話ごとに

癒されるべき人物が主人公となっています。

 

 

今日読んだ話の主人公は

発達障害が心配される小1の息子を抱えるお母さん。

彼女は、その子をきちんと育てなくては、

というプレッシャーで追い詰められていきます。

必死になればなるほど空回りして

子どもの顔を暗くしてしまうし、

ママ友も実家の母も、夫すらも

敵のように感じて孤立を深めていく。

 

なんだか、十何年か前の自分のようにも感じて

一緒に追い詰められた気持ちで

ストーリーを追っていたのですが、

彼女もまた

シャールのさしだす夜食と言葉とで

凝り固まった心がほぐされていきます。

 

 

その彼女が

「どうしてこんなに優しくしてくれるんですか」

(ほとんど見ず知らずの自分に対して)

と尋ねる。

 

その答えを読んで

あ、これ文字に残しとこう、と思いました。

 

 

シャールは

 

「そうねぇ……」

「寂しいからかもしれないわね」

「生きてくのって、寂しいのよ」

 

って答えるんですね。

 

この答えが、妙に沁みたし

うまく言えないけど

そういうことだよな、って気がしたので。

 

 

そのあとに続けて、シャールは

(ざっとの要約ですが)

 

幸福の裏にはいつも寂寥が潜んでる。

でも、人生ってきっとそんなもの。

だから、私たちは一生懸命になれるのかもしれない。

皆、寂しくて、一生懸命。

それでいいじゃない。

 

いったん力を抜かなきゃ、新しい力は湧かない。

たまにはサボりなさい。

本当のサボタージュは、

怠け者の常とう手段ではなくて、

もっと過激で前向きなもの。

ある意味、

頑張っている人の特権なのよ。

 

と説いていく。

 

まあ、ここまで読んだら

わたし的には、

あ~、私には一生懸命が足りな~い!

シャールに救われるべきほどには

頑張ってないわ~~ ヽ(;´Д`)ノ

と大いに焦りましたけど、

でも

まとわりついてくる寂寥については

肌感覚でわかるような気がしました。

 

 

 

この話だけではなくて

シャールという人の言葉は

けっこう沁みるところがあった。

 

ちょっと

こんな人になりたいな、とも思いました。

 

 

それから

彼女(彼)を見ていて

包容力のある人というのは

物事が非常によく見えている人なんだな~

と、これは(たぶん初めて)感じたことですが。

 

 

 

 

ということで

これは自分が覚えておきたいための備忘録。

おつきあいさせちゃって、ごめんなさいね。

 

 

untitled、せっせと聴きこみつつあります。

お気に入りもいくつか出来た。

メイキングを見て感じた とりとめなさは

なんだったのか、というくらい

しっかりしたアルバムだと思うけど、

その話はまた改めてできたら。

 

 

 

 

こちら地方、

今日はひっさしぶりに陽の目を見ました。

なんだか秋の一番いい時期を

雨にすっかり持っていかれた気がしてるけど、

けさのウォーキングで感じた ひんやりした空気は

とても心地よかったです。

 

 

それでは(たぶん)また