「鮎竿はなんでも知っているので売らないでください。(仮)~その⑥~」 | 鮎釣り師Kuuの 今日は何 食う?

鮎釣り師Kuuの 今日は何 食う?

2015年6月1日より鮎釣りに遅過ぎるデビュー☆
鮎釣りの絶滅を危惧し、なんとかしたくて、
2024年、鮎釣りのでてくる映画「鮎、虹の空へ」を製作。
なんとかなれーっ!精神で挑む日常を綴るしがないブログ。

寒い日が続きますが、早や2月も残り一週間ほど・・・。
すっかり忘れかけておりました。
物書きシーズンが終わっちゃうよお~、、、(;^_^A
え~っと、前回までのお話はこちらから。
それでは、続きのはじまり~っ
 

⑭海部川、鮎釣りポイント川原

  陽が傾いてきている。腕時計に目をやる裕子、時刻は16時。

  心の中で(ああ~もうこんな時間、もう一回朝に巻き戻ればいいのになあ)と呟く。

  しゃがんで囮鮎を外し曳船に戻す。立ち上がろうとした瞬間、立ち眩みがして

  再び座りこんでしまう裕子。しばらく動けずじっとしている。

  遠くから空の呼ぶ声。はっとして目をあけてふりむくと朝陽が眩しい、キラキラ輝く水面。

 

空「裕子さ~ん、囮鮎、わけますよお~っ!早く早く~っ!」

  きょとんとする裕子、再び腕時計をみると8:45。

裕子「あ、、、は、はあ~い。」

 狐に騙されたような面持ちの裕子と元気いっぱいの空。鮎釣りを始める準備をするふたり。

空「じゃあ、どうします?裕子さんどの辺に入りたいですかあ?」

裕子「私はもう遠くまで歩いたりはしんどいからこの辺でいいわあ」

空「了解です、じゃあ私はちょっと上の方へ行ってみますね!

  お昼にはまたここに帰ってきて一緒に🍙食べましょうね!」

 

  意気揚々と上流の川原へと歩いていく空をみつめる裕子。

 

裕子「・・・いったい、どおゆうこと?私、頭が変になっちゃったの?」

 

 首をかしげながら、鮎釣りを始める裕子。鮎竿をのばす・・・と。

鮎竿「お望み通り!もう一度朝から鮎釣りできるぞ~(笑いながら)」

裕子「えっ!!ええ~っ!!・・・まさかこんなことが?」

  もはや抗う術もなく、鮎釣りを始める裕子。

  下から鮎釣り師が近づいてくる。

裕子「あ、またあの非常識な奴が来るのね、よ~し・・・」

 

鮎釣り師良男「こんにちは~、釣れますかあ~❔」

裕子「・・・え、あれ?違う人やわ・・」

鮎釣り師良男「はい?何か?どこかでお逢いしてましたか?」

裕子「いえ、違います違います、ちょっと勘違いしてました。

  まだ、ここ、そんなに釣れてませんわあ。」

鮎釣り師良男「このところ雨が降ってないですからねえ、渇水やと難しいですよね。」

裕子「はい、まあ水が高いのも私らみたいなんには困るんですけどねえ。」

鮎釣り師良男「それはそうですねえ、立ちこんだりは危ないでしょうから、安全第一ですよねえ、

  一歩前へ!でたくなっても我慢ですよ、命あっての鮎釣りですからねえ。」

裕子「はい、ぐっと我慢で、足元から泳がせてます。これしかできなくて・・・」

鮎釣り師良男「それが一番じゃないですか、あ、でもその竿ならもう少し流芯やってもええんちゃいますか?」

裕子「それが、なかなかそこまで泳いでいってくれないんですよ~。」

鮎釣り師良男「・・よかったら、ちょっとお借りしてもいいですか?」

裕子「あ、ええ、、、」

  裕子から竿を受け取りさ~っと囮鮎を流芯近くまでもっていき、すぐに裕子に竿を持たせる。

鮎釣り師良男「その角度で持って泳がせといたら、たぶん、」

  言うは早いか鮎竿が曲がっている。

裕子「わあ~っ!かかりましたあ~!!!!!」

  竿を立てて引き寄せてくるとたも網キャッチで鮎をとらえる裕子。満面の笑みでふりかえる。

  目を細めて拍手する鮎釣り師良男。

裕子「ありがとうございます~!釣れましたああ~」

鮎釣り良男「お見事お見事、囮鮎かわったらこっちのもの!頑張ってくださいね」

  手を振って上流へと去っていく鮎釣り師良男。元気な囮鮎で循環する鮎釣り。

  我が身に起こっている不思議を忘れて鮎釣りに興じる裕子。太陽が真上にきている。

 

 
   ~続く~
 
 
 

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