お盆、ですねえ・・・。
子供の頃は、実家が本家だったため、お盆になると、分家?とか親戚の大人たちが、入れ代わり立ち代わり、風呂敷に包まれた
「お供え」というお菓子の箱を持ってやってきた。
まだゲームもスマホもなかった昭和の子供はたいてい暇であり、お調子者の私は、大人ぶって丁寧にご挨拶をしたり、恭しくお茶をおだししたりしては、
「まあまあ、しっかりしたお嬢さんで・・・」と褒められることに終始していたものだった。
お客さんが帰ると仏壇のお供えに手をだし、自分の好きなお菓子だけそっととりだし、また元に戻していたことは言うまでもなかろう。年を重ねるにつれ、お客さんは「むらすずめのおじさん」「ポエムのおばさん」「源吉兆案のおばさん」「おかきのおじさん」・・・と変換されていったことも懐かしい。・・・もうほとんどのおじさんおばさんは、お盆に帰ってくる方になってしまった。今年も実家では、お迎えの大きな提灯とか、お供えのお食事(確か、ささげご飯と南京の煮物とか・・・)とかに余念がない。がもう、お仏壇の前にお菓子箱が積まれることはなく、せいぜい2つ3つ。お盆にお参りをする人は減る一方だ。
そんな日本のお盆は、いつの間にか、単に夏休みと化した。
そう、学生時代のような長期夏休みはなくなったが、海外旅行だのドライブ旅行だのの計画をたてるのがささやかな楽しみな大人になった。楽しい独身貴族の時代がすぎると、うっかり結婚してしまった。
結婚して、「嫁」という名前にかわると、再び、お盆がやってきた。
お盆お盆した昭和のお盆だ。嫁ぎ先が非常に面倒くさい家で所謂自営業の3代目で〇00万円の墓石で墓を建てるような家だった。それなのに誰も大して墓掃除にはいかず、専ら墓掃除をするのは嫁の私だけ。しかもその手柄は姑がもっていく。
(来客)「お墓を綺麗にしてくれて・・・」
(姑)「それはまぁ勿論、ねえ」
・・・って、「本当は私です。私が綺麗にしましたあ~っ!」と声をとられた人魚姫の気分で叫びました。
これだけで、嫁が「ノーモアお盆」になる所以はお察しいただけると幸いです。
独立(離婚)して嬉しかったことの一番目に、「もう、あのお盆を過ごさなくてよい」が入ることは間違いない。
ちなみに同点で「もう、あのお正月を過ごさなくていい」がランクインすることを記しておこう。
・・・すっかり気楽なお盆を過ごせる身分になった。某回転寿司で、生ビール、何杯飲んでも半額クーポンが使えるだけで大喜びです…
もちろん、ご家族円満で賑やかで穏やかなお盆をお過ごしなのは何よりだと思います。良き良きです。かけがえのないことです。(*´ω`*)
どうか、それを当たり前だなんて思わずに大切にしてください・・・ね。
楽しいお盆休みになりますように…。♪( ´θ`)

