昨日はちょっと寒くなかったですか?
せっかくの鮎釣りシーズンなので体調には気をつけないとミッションが遂行できなくなりますよねっ、気をつけよっ!
もうみんな、読み物なんかよんでる暇はないと思うんですが、最後の「完」を書くまで投げ出さない!のが自分との約束。
・・・6/1の解禁は何処、行く~❔・・・それまでに「完」を書きたい。
・前回のお話はこちら
㉑民宿いごっそう荘・空の寝室(夜)
スマホの充電をしながら布団の上で画面をスクロールする空。
誰もみてないテレビから深夜番組が流れる。
部屋の隅にある冷蔵庫から缶ビールをとりだしてきて呑みながら真剣なスマホ画面に見入っている。
空 「・・・えっ!・・・岬 剛士って、あの子?・・・わ・・・
将来有望なバイクレーサーだったんか・・・可哀想になあ・・
戦場カメラマン旗野、・・・HATANO、FLAG・・・なんのこっちゃ?
解らんなあ~・・・もうちょっと英語、勉強しときゃよかったなあ~・・・ちっ・・・」
スマホの電源を切り室内灯も消し、テレビはオフタイマーを セットして布団にもぐりこむ。
薄暗い部屋でテレビがほの暗い灯りを放つ。
空 「・・・剛士、もう寝たかなあ・・・。」
静まりかえった部屋に空の寝息が聞こえる。
× × ×
(空の夢の中)
新聞記者のオフィス内、大きなカメラをかけた空が取材にでかけようとしている。
空 「は~い、了解!今最も注目されてるバイクレーサーの岬剛士、ばっちり取材してきますよ!」
× × ×
ホテルの部屋でルームサービスのテーブルに向かい合わせで席についている空と剛士、
テーブルには豪華な料理が並ぶ。シャンパングラスで乾杯するふたり。
岬 「乾杯!宙さん、お誕生日おめでとう!はい、コレ、プレゼント・・・気に入ってもらえると嬉しいんだけど」
空 「わあ、ありがとう!(箱を開けると中に三日月の形のイヤリング)素敵~・・・嬉しい、こんなの欲しかったんだあ」
岬 「よかった・・・。ぜったい似合うと思って。宙さんが担当になってくれて、僕、どんどん成績あがって・・・。
まさか僕なんかとつきあってくれるなんて・・・」
空 「え~・・・クスクスクス 」
× × ×
スマホのアラームが鳴る。目を覚ましてアラームをとめるとしばらくぼんやりと座り込む空。
空 「・・・な~に?さっきの夢・・・呑みすぎたかなあ~」
のそりと起き上がり洗面所へ向かう。名前のわからない鳥の鳴き声がきこえる。
怪しい雲行きの空が広がっている。
㉒民宿いごっそう荘・食堂(朝)
朝食をうかない顔で食べている旗野と岬。キッチンからトレーに料理をのせて運んでくる美和。空も席につく。
空 「おはようございま~す、なんかお天気がヤバそうですよね」
旗野「うむ、今日は鮎釣りはやめといた方がよかろう、夜中に奥の方で雨が降ったようじゃし、恐らく川は濁りがでとるじゃろう
・・・上流で雨が降ると鉄砲水ゆうて急に水位があがってとんでもないことになる。
じゃから、川におりた時は、必ず、もしも鉄砲水がきた時、どっから逃げるか必ず考えとかんとな。
中州みたいな所で釣りしよったらアウトじゃからの!」
岬 「へえ~、そんなことがあるんですか、怖いんですね」
空 「うん、知ってる。前にニュースでもみたことあるわ、中州で鮎釣りしてて取り残されてヘリコプターで救助されてたの」
旗野「命あっての鮎釣り、写真撮り、じゃからのっ」
一同、わしわしと食事をしながら雑談。食後の珈琲をいれる。
美和。カップに注いで三人のところに運んでくる。
美和「そいだら、今日は鮎釣りはお休みで何するがか?」
空 「それじゃあ、剛士の彼女が喜んでくれそうな綺麗な川の写真撮れそうなとこ、行ってみる?
仁淀川みたいのとこ、吉野の支 流にもあるんよ!」
旗野「わしゃ、ちいと疲れとるでな、ふたりで行ってきんさい、
剛士、ええ写真撮るんじゃぞ、物語のある写真を な!」
美和「そりゃあええねえ、行ってらっしゃ~い(意味ありげに)」
キャストに乗り込んで出ていく空と岬。目を細めて見送る旗野
旗野「・・・ええのお。若いっっちゅうことは、それだけで財産じゃのお~、さて、わしゃ何すりゃあええかいのお~」
美和「うちの裏山辺りにも珍しい鳥の一羽や二羽、おりゃあせんかねえ、美和ならここにおりますがモデルにいかが?」
旗野「・・・あ、ちょっと用事を思い出したわい、ほいじゃまた」
ポーズをとった手をゆっくりおろし、後片付けを始める美和、
旗野もカメラをもってでかけていく。
美和「・・・まだ、イケると思うんじゃけんどなあ・・・」
(高知県吉野川支流立川川)

