私の数少ないリアルでの呑み友達だったKちゃんが、一足先に三途の川を渡ってしまった。
いつも穏やかで、一生懸命仕事をしてて、趣味のテニスのために自己トレーニングを怠らず、家族のためにと無駄遣いも一切せず、 呑み代はいつもキチンとワリカン。カラオケが好きで歌も上手なKちゃんとは、いつも楽しいお酒だった。・・・もう二度と一緒に呑むことがなくなった。
職場の人間ドックで発見された時にすでに肺がんのステージⅣ、骨にも転移していた。
普通の人なら、もうヤケクソになったり鬱になったりしてしまうだろうに、Kちゃんは元気な頃と同じように、仕事も続けながら、抗がん剤治療に取り組んで、膵臓、脳、と転移していく癌をことごとくやっつけていた奇跡の人だと思ってた。
余命2年といわれ、2年を過ぎた時には、「ここからは新しい人生なんだ!」と笑っていた。
そのまた2年後の今年の春には定年退職をして、家族で船旅に行ったり、ファンだった洋楽の歌手のコンサートに行ったり、また一方ではご実家の山口のお母さんの世話までしていた。
「ちょっとボケてきてて・・・」と苦笑していた顔が今も浮かぶ。山口に帰省するたびに、必ず獺祭を買ってきてくれた。ついこの間、8月の終わりにも、買ってきてくれて、「いつとりに来れる?」という問いに、ちゃんと返事ができなかった。鮎釣りシーズンが終わってから子持ち鮎でも冷凍して持っていこうと思ってた。ところが・・・。

