診察室にて。
金縁の眼鏡が品よく輝いて
柔らかな茶色の髪は一つに束ねられ
毛先は緩やかにカールしている、、、
わお!美人なお医者様!
・・・いやいやそれどころではない。
去年の12月に受けた健康診断で
乳がん検診が要精密検査。。。
年末の、明日からはどこの病院も休暇に入るという絶妙なタイミングで届いた。
で?今どうしろと?
何をどうすることもできず、
モヤモヤを抱えたまま年末年始を過ごした。
いたずらに心配しても、事態がよくなるわけでもない
と自分に言い聞かせ、
なるべくポジティブに考えた。
それを知った家族も
きっと心配を抱えたお正月だったろう。
年が明け
とりあえず市内の乳腺クリニックに電話。
再検査の予約を取り
マンモグラフィー2方向と
乳腺エコーの検査を受けた。
ダンディで優しそうな70代医師がおっしゃることには
(実は県内の乳腺界隈では有名な先生だそうな)
「しこりはないみたいですね。
でも、う~~ん。この部分が気になるんだけど、
乳がんの画像は左右の違いを見るんですよ。
でもそんなに違いはないんですけど、
一応大きな病院で調べてもらいましょう。
僕は悪いものではないんじゃないかって希望的観測なんだけどね。」
なんでも
その時検査してくれた技師が
カテゴリー4、がんの疑いと診断したらしい。
え?
先生、有名なんでしょ?
たくさんの症例も見てきたでしょう?
しこりはないんでしょう?もっと自信をもって!
また検査するのが面倒なうえに
結果が悪い方へ向かうのが怖い私は
心の中でこう叫んだ。。。
考えてみれば
技師の見立ては補助的なもので
診断は先生の考えなのは間違いないのに。
そしてそのまま
乳腺外来のある総合病院の予約を取ってもらった。
予約日までは2週間もあった。
すると、
不安MAXだった心も薄れていく。
きっと大丈夫だよと
悪いほうへ考えがちな自分を鼓舞した。
ネガティブな私が
不安を押し込めるために
ポジティブバイアスを発動した模様。
当日
検査はまた最初からやり直し。
マンモ2方向と乳腺エコー検査。
待合室では、同じように検査着を着た女の人たちが
たくさん自分の番を待っていた。
マンモの技師さんが誇らしげに言った
「これは3Dマンモグラフィーなんですよ!」
あ、なら、
今まで受けたのは2Dってわけなんだ。
2Dだろうが3Dだろうが
どっちだっていい。
どうか何でもなく帰れますように。
まるで判決を待つような心持になっていた。
で、
冒頭の診察室の場面になります。
その3D映像とエコー画像を前にした
めっちゃ美人な医師は、
マスクのせいでお年頃は確定できないけれど、
たぶんアラウンド40くらい。
私は、不安から意識がフワフワしているうえに
その優しそうな綺麗なお顔に目がいってしまって
詳しくは覚えていないけれど
美人先生はダンディ先生と同じようなことをおっしゃった。
3Dマンモグラフィと乳腺エコーの結果はグレー。
「ここの部分が気になるので
今まであったものなのかどうかMRIを取りましょう。
結果は1週間後なんですが、その時に生検で組織をとってみましょう。
いえいえ大丈夫、開けるのはペン程度の穴ですよ。」
へ?
生検?
ペンの穴も結構な穴なんじゃない?
あらあらあらあら
思っていたよりもネガティブな方向へ進んでいく感じ。。。
まさか私が乳がん?
え~~っ
まっさかあ。。。
本当に勝手な個人的イメージなんだけど
この病気は
女優さんとか歌手の人とか
華やかな女の人が罹る病気と思っていた。
地味、平凡、普通、
そんな形容が誰よりも似合う自分が、まさかね。
1週間後
生まれて初めてのMRIを受け
その7日後の検査結果まで待っことに。。。
続く。