昨日、私は誕生日だった。
世間では、誕生日を最高の記念日として祭り上げる人が多い。
しかし私にとって誕生日とは名ばかりで、普段と何も変わらない1日である。
「今年もいつもと同じように、何事もなく日が過ぎていく
」そんな、普段と同じように、だけど何か切なさを噛み締めている私の目の前に、あの方はやってきた。
道を歩いていると、私の向いから人が歩いてきた。
「あ、知り合いかな?」そう思った矢先、鋭い光が襲ってきた。
「
ま、眩しい
」
あまりの輝きに、私はその人の顔を直視することが出来なかった。
光に動揺している私に、彼は食べ物を突きつけてきた。
私は何が何だか分からず、驚きと嬉しさに似た興奮を抑えながら、その食べ物を口に含んだ。
「う、うまい
うますぎる
」
そう、それこそ、それこそが、世界で1番うまいのでは
とうたわれている『バースデーケーキ
』そのものであった。
私は、こんな美味しいものをくれた人にお礼を言わねばと、名前を尋ねた。
「あの、お名前は
?」・・・今になって思えば、名前を聞かないままのほうが、ケーキの余韻を楽しめたのかもしれない。
『・・・・・・』
「え
あなたが・・・
」
そう・・・もうお分かりだろう。
いつも研究室の端で静かに勉強し、大人しいオーラを出しながらも周囲からは
『研究室最後のお笑いダークホース
』・『水の神
いや、ダムの神
』などとして恐れられている、
[
世界のはるやま
] その方であった。
『これで少しは特別な日になったろ?ガンバって今年も生きな、坊主
』
そう言うと彼は去っていった。
私は、あまりの光栄さに、体の震えが止まらなかった。
溢れ出る涙を必死で拭いながら、彼の後姿を見てこう叫んだ。
「世界のはるやま、いや、世界がはるやまなんだ
」と。。。
世界のはるやまさん、本当にありがとう
オカピ![]()
