いっそ黒ならば其れで良い
灰色に覆はれてゐる侭では
囚われた心と躰を持て餘し
途方に暮れる日々が重たい

でも氣づいてしまったんだ
灰色は黒になれても決して
白にはなれないってことを

いっそ白ならば其れが良い
灰色に覆はれてゐる侭でも
幾つかの時と花は咲き枯れ
北風も緩んで平靜を裝はう

でも氣づいてしまったんだ
灰色は黒になれても決して
白にはなれないってことを





inspired by「灰色の思い出