平成27(2015)年6月末、東海道新幹線の走行中
の車内で放火事件が発生した。
火は乗務員によって消火器で消し止められたが、多くの
乗客が煙を吸い込み、死者も出た。
この事件により、新幹線の車内に持ち込めるものを見直
す動きが出てきたのは当然であった。
さて、鉄道会社各社はそれぞれ旅客営業規則を作成し、
列車内に持ち込めるもの、持ち込めないものを明記して
いるが、持ち込めないもののなかに意外な項目がある。
実は、「死体」は持ち込んではいけないとわざわざ記さ
れているのだ。
JR東日本の旅客営業規則の第307条には、「持ち込
み禁制品」として、火薬類・高圧ガスなどの「危険品」
(ただし、定められた重さ以内のものは持ち込むことが
可能)「暖炉及びこん炉」「動物」(身体障碍者補助犬
や盲導犬、容器に入れた小鳥・魚介類などは除く)「不
潔または臭気のため、他の旅客に迷惑をかけるおそれが
あるもの」「車両を破損するおそれがあるもの」のほか
「死体」とはっきり書かれているのである。
なぜ、列車内に死体を持ち込んではいけないのかという
と、戦時中は死体を列車で運ぶことが多々あり、さすが
にそれは禁止しなければならないということで、昭和1
7(1942)年に鉄道省(当時)によって鉄道の運輸
規定に明記され、それが現在まで受け継がれているとい
うことのようだ。
ちなみに、JR東日本の場合、列車内に無料で持ち込む
ことができる手回り品は二個までと定められていること
ろご存じだろうか?
実は、三つ目以上の手回り品を持ち込む場合は一回の乗
車ごとに280円を支払うという規定になっているのだ。
同規則の第308条には、このようにある。
「列車の状況により、運輸上支障を生ずるおそれがない
と認められるときに限り、3辺の最大の和が、250セ
ンチメートル以内のもので、その重量が30キログラム
以内のものを無料で車内に2個まで持ち込むことができる。
ただし、長さ2メートルを超える物品は社内に持ち
込むことができない」
実際に小さな手荷物を3つ4つ持っていたからといって
駅員に咎められることはないだろうが、大きな品物をた
くさん購入した後で列車に乗ろうとした場合は注意が必
要といえる。