▶タージ・マハル(インドの世界7不思議)は、もう一つあるはずであった | ぐーすけとりきのブログ

ぐーすけとりきのブログ

ブログの説明を入力します。

インド北部のアーグラー市、ジャムナー河畔に建つター
ジ・マハルは、ムガル帝国の第5代皇帝シャー・ジャハ
ーン(在位1628~58)が愛妃ムムハーズ・マハル
のために築いた廟である。

その左右対称のシンメトリックな美しさは、後生の世界
7不思議の一つにも数えられるほど均整がとれており、
ムガル帝国時代の栄華を物語る建築物である。

実は、シャー・ジャハーンはこのタージ・マハルの他に
黒大理石を用いてもう一つの廟を建てようとしていた。

その廟は自分の死後のためのものであり、愛妃の廟と自
分の廟を銀の橋で繋ぐ計画もあったのだ。

だが、その夢は叶わなかった。

その理由を述べる前に、時間を少し巻き戻してみる。

1630年、愛妃が逝った。

皇帝シャー・ジャハーンは、聡明で美しい彼女を心から
愛していたから、その喪失感は尋常ではなかった。

そのため皇帝は帝位を捨てる考えもあったというが、踏
みとどまり、愛妃のためにこの世にないほどの廟を建て
ることを計画する。

タージ・マハルの建設にはインド国内はもとより、イラ
ン(ペルシャ)や遠くトルコからも建築家や美術家が招
聘された。

完成までには2万人、18年の歳月を擁した。

そしてできたのが、高さ60メートル、八角形の白大理
石がまぶしいタージ・マハル廟である。

だが、国内は財政難や宗教政策の行き詰まりなどで、崩
壊への道を歩み始めていた。

財政難の原因の一つは、間違いなくタージ・マハルの建
築による膨大な出費である。

シャー・ジャハーンはそのようななか、黒大理石で第二
のタージ・マハル建築を夢見る。

しかし、叶えられるはずもなく、自分の息子である第六
代皇帝アウラングゼーブによってシャー・ジャハーンは
幽閉され、死ぬまで愛妃の廟を遠目で眺めるしかなかっ
たのである。

ちなみに、建設予定だった第二のタージ・マハルの跡地
は本家の対岸にあり、現在では庭園風に整備(一部)さ
れている。